【Aqours Next Step! Project特別企画】Message from Numazu 第2章〈ヌマヅの声 From 三の浦総合案内所〉―内浦から見た“ラブライバーさん”

【Aqours Next Step! Project特別企画】Message from Numazu 第2章〈ヌマヅの声 From 三の浦総合案内所〉―内浦から見た“ラブライバーさん”

Aqours Next Step! Project記念「あにぶ」特別企画


Message from Numazu 世界に届け、沼津の想い――。


第2章〈ヌマヅの声〉 From 三の浦総合案内所


ラブライブ!サンシャイン!!の聖地、沼津市から少し離れたところに位置する「内浦地区」。


この内浦地区は、浦の星女学院や、千歌の実家「十千万旅館」など、まさにラブライブ!サンシャイン!!の登場人物たちが生活する町。


人の多い沼津市街地を離れ、美しい駿河湾と淡島を望み、歩いていると気持ちのよい波の音が聞こえる…現代では貴重な地域。


そんな“聖地”内浦地区の中でも、ファンの聖地巡礼の中心地となっているのが、ここ「三の浦総合案内所」。


ファンの手で、回りの風景と一線を画したこの案内所には、またファンによって持ち寄られたグッズの数々。


今回は、そんな「三の浦総合案内所」で、プロジェクト開始当初からファンを迎える、


職員の「大村 文子」さんにお話を伺った。


ヌマヅの声 From 三の浦総合案内所

三の浦総合案内所とサンシャイン!!プロジェクト発足~

―この「三の浦総合案内所」は“内浦にある”ファンの方々の交流スペースと伺いました。


交流スペース、それが一番主ですね。


―三の浦総合案内所というと、ファンのほとんどが知っている場所ですよね。


(笑)


そうですね、知らない人は…いないですね(笑)


交流スペース以外で言うと…ファンの人が自分たちで外装やら内装やらを飾っていって、その


「飾った人も、来た人も楽しむ」…そんな場所ですか。


―なるほど。


 G’s Magazineで、2015年の2月に初めてイラストが公開されて、その聖地が内浦だと特定され…それからファンの数というのはどのように増えていったのでしょうか。


最初は、気になるほどは来てなかったですね。


2015年の7月に、案内所に(交流)ノートを置きましたが、私達もその頃は(アニメというものが)どういうものなのか良くわからなくて。


(多分)ファンらしき人が来ても(アニメは)知らないふりをしたりしてましたね。


最近だと、自分から話しかけてくれる人が多いから。


「また来るよ!」とか「今度はいつ来るね!」とかね。


今でもこっちからはあまり深入りはしないんですよ(笑)


でも、ファンの方が自分から話してくださる(笑)


 


それでまあ7月にノート置き出したときはそんなに…って感じで。


正直「この人たち何しに来てるんだろうねぇ」って…私には(アニメなどは)よく分からないからね。


 


そこから12月になったらファンの数が増えていって…。


だから、12月頃からは「昼の部」と「夜の部」でノートを分けました。


 


翌年、2016年の1月になって、総合案内所に来るファンの人たちの数を「正」の字で測り出したんです。


…そしたら、次第に正の字で紙がいっぱいになって、書ききれなくなっちゃって(笑)


それでこの「カウンター」を買ってきて、使ってるんです。


―まさにその頃から紙に書ききれなくなっちゃうほどのファンが来始めたと(笑)


そうそう(笑)


その後、16年の2月、ものすごい寒い時でしたね。


(Aqours)声優さんたちが内浦に来て。


でも私たちには(彼女たちが後々こんなに有名になる)なんてことは分からなかったからね…。


「あんなに短いスカートを履いて…(寒そうに…。)」みたいにしか見てなかったですね(笑)


そこから「声優さん達が内浦に来た」って聞きつけてまたたくさんのファンが来まして。


声優さんたちが、サインと絵をね…“あの首の無いキリン”とかね…(笑)


―うーん、“首の無いキリン”でどなたの絵か推測がついてしまう…(苦笑)


そうそう(笑)


それからちょろちょろとファンが来るようになったんですね。


 


そして5月、GW。またファンの方々の数も増えた。


で、「この人達はなんでこんな何もないところに来るのかねぇ…これからどうなるかねぇ」なんて言ってる間に、


ものすごい数のファンが来るようになって、そのまま7月(アニメ放送)になったんですよね。それからがまあ大変だったんですよ(笑)


平日なんかは100人超えないくらいですけど、金・土・日なんて300人/日は優に超えますね。


(作業をしながらカウントしているから)ちゃんと記録つければ400人/日くらいはいくと思いますよ。


だからね…すごいですよ、今の人数は。


―おっしゃっていただいたように、今は内浦にたくさんファンが来ているような状況ですよね。


そんなファンを、“地元の方”ってどういう目で見てるんですかね。


初めはね、ここ(内浦)の人たちも「なんか赤いジャージ(多分キャラT)着てる人たちが歩いてるよ…?」とかの話で盛り上がってて。


そんな人達がここ(総合案内所)に来て、彼らが一体何者なのか…聞きに来るんですよ(笑)


でも、田舎の人にアニメが云々なんて言っても分からないから、


「とにかく『ラブライブ!』の人たちだから…!」なんて言ってね(笑)


内浦の方から見て、ファンは…?

ただね、「悪いことしないでしょ?」って聞けば「しないねぇ。」ってみんな返すね。


でもみんな、“(アニメの)聖地巡礼”でわざわざ遠いところから…なんて言っても信じてくれなかったね(笑)


今でこそ信じてくれるけど。


最近でも「あの人たちもこんな何もないところによく来るねぇ」なんて感心しながら言うくらいで、少なくともここ(内浦)では一切迷惑はかけてないですね。


土日なんて、駐車場の番とかもしてくれますしね。


だから私はね、自分から「(ファンに)こういうことを止めてもらいたい」って言ったことが本当にないんですよ。


注意することなんてないねぇ。ゴミは捨てないし、騒がないし…。


―確かに、他のところでも、「(ファンの人で)悪いことする人は全然いないよ」と伺います。


うんうん、全然いない。


―一方で、“ファンの目線から”見ると一部で色々と…あると。


うん、結構ね、“ファンの人たちが”厳しいんですよ。


「地元に迷惑をかけてはいけない!」って思ってらっしゃるからね。


だからね、私、内浦で空き缶とかを拾ったことがないですね…、ファンの人だって相当数来るのに。


ー“いい子たち”で、ファンの年代層も様々ではありますが、大村さんからすると、ファンは「孫」のような…?(笑)


そうそうそうそう(笑)


ー内浦の方々って本当に外から来る人との距離が、“いい意味で”近い…ですよね。


私もご飯を頂いたり…色々と…ありましたが(笑)


ありますね、そういうこと(笑)


土地柄…?人柄…?


一緒かもしれないですけど…そういう雰囲気は確かにこの土地(内浦)にありますね。


でも、(そういったことは)私たちは“当たり前”だと思ってやってて…、当たり前ではないらしいですね(笑)


だから、私がちょっと家に物を取りに行くときなんかにね、その間に電話が鳴ったりなんかすると困るから。


その人(ファン)に(大村さんのいらっしゃる部屋)にいてもらって…。


まあ電話が鳴っても何も分からないからアレなんですけど(笑)


そういうのはしょっちゅうありますよ(笑)


最近だと、お昼の時間なんかに「(ご飯を)一緒に食べない?」とか言ってくれる人もいて…、


うん、一緒に食べますね(笑)


何か用事があったら手伝ってくれるしね…外国人のファンも結構来るんですけど、私が英語や中国語なんて喋れるわけがないから通訳までしてくれる(笑)


…うん、本当になんでもやってくれる。いい子たちですよ。


“地元”を盛り上げる=“内浦・沼津”を盛り上げる…?
―三の浦総合案内所は、大村さんが中心になってやってらっしゃる訳でしょうけど…それにファンの方々も「一緒になって」やってる…というような感じなんですね。


そうそう。


だからね、私の名前が「文子」って言うんですけど、ファンの人たちは「ふみこさーん」なんて呼んでね(笑)


この前のライブ(1stライブ)で横浜に行ったときも、どこからか名前を呼んでる声が聞こえる…と思ったら、ファンの人で。


ここに来るファンの人はいっぱいいるから、誰が誰だかは分からないこともあるけどねぇ…


やっぱりみんな可愛いじゃんねぇ…。


―大村さんがファンのことを「孫」のように思ってらっしゃる一方、ファンも内浦を地元のように思っている。


だからファンからしたら「(自分の)地元を盛り上げよう」みたいな感覚で色々なことをしているのかもしれませんね。


そうね…。


ファンの子が、地元のボランティアの会(お祭りの企画・準備もしたり…等の)に10人位入ってくれて。


それで、その他にも「入っていないけれど手伝いに来ていいですか…?」とか言ってくる子もいたんですよね。


本当に「地元を手伝いたい」みたいな思いでね。


この前の1stライブ。横浜アリーナで色々と告知があったじゃないですか。


告知があったもんだから、次の日には(いつも三の浦総合案内所の装飾をしてくれるファンの人が)来て、私が来たときにはもうすでに貼り替え始めててね(笑)


ここ(事務室)の蛍光灯も、前はケチンボして一つしか付けてなかったんですけどね。


「暗いけどまあいいや。」みたいな。


でもファンの人がLEDの大きなライトを買ってきてくれて…自分たちのお金でですよ…!?(笑)


蛍光灯もみーんな付けてくれた。


―そんな“ラブライバー”、今では沼津市でも増えてきているようですが(笑)


(地元の人で、)ここ(案内所)に来て、「違うで違うで!!」なんて自分から言うのが大抵そう(ファン)(笑)


「言わないからいいって…(笑)」


なんて言っても「本当に違うで…!!」なんて言って誤魔化してねえ(笑)


私も、グッズがたくさんおいてある部屋ってのはファンの人達が持ってきてくれたものが置いてある訳なんだけど、こっちの(大村さんがいる部屋)ものは自分で揃えてね…(笑)


ーおぉ…キャラのグッズが…9種類すべて揃って…


そうそう、揃えたの(笑)


そうねぇ…ファンの人と一緒になって色々やったねぇ。


まあやっぱり、ラブライバーさんってのは「悪いことしない!」「迷惑かけない!」ってのが魅力的ですかね。


―そんなラブライブ!サンシャイン!!。先日の1stライブで、遂に2年が経ちました。


これからの想い…とかはございますか?


うーん、私たちはね、今で目一杯…って言っても何もファンの人達にしてやれてないから目一杯って意味もあるんですけど…。


私もね、これから(ファンの数は)増えると思うんですよ。


だからね、これから増えたらどうなるのかなってちょっと心配ではあったり…ですけどね(笑)


―町の大きさもありますし、それは確かに今後心配な点ではありますよね…。


なるべく色々してあげたい気持ちにはなりますね。何かいい方法でね、交通の便だけでも。


―地元のとある方が、Twitterで、アニメ開始前に「これからどんどん増えていきます」と。


プロジェクト発足~アニメ1期放送開始までの期間を『準備期間』と仰っていたわけですが、今秋の2期までの期間は、やっぱりそんな感じなんですかね…?


私達もね、(1期が)始まる前にファンが増える増えるなんて言われたんだけど…やっぱりその時が来ないと分からないからね…。


私はある程度分かるんだけど、地元の人とかは中々ね…。


だから前に準備…ってのは、また難しいと思いますよ、うん。


―そうですよね。


やはり、地元の方とファンの交流の中で、自然と分かっていく…という流れで今までも来たわけですしね。


そこは、ファンも理解した上で、今後、やはり“一緒になって”どうするべきか考えていく必要もあると思います。


では最後に、ファンの方にメッセージを頂けますでしょうか。


メッセージ…メッセージ…うーん…。


―(一応皆さんに予告はしているんですが、)やっぱり悩んじゃいますよね(笑)


三の浦総合案内所としては、まあ、沼津に来て、内浦に来て、ちょうど「あわしまマリンパーク」から「長井崎中学校(浦の星女学院のモデル)の前のバス停」までの道の間にありますから。


是非寄ってくださいね。


結構歩いてくる人もいますから、内浦でご飯食べたり、景色楽しんだり…色々とね、内浦を楽しんでください。


取材後記―「いい子たち」、「ありがとう」を守っていこう。


「人は、『自分』に盲目である。」ということはよく言われますが、


それと同じように、我々ファンが、内浦の方からどのように見られているか…ということは実はよく分からないもので。


私なんて、取材に行く前は「ラブライバー=悪い人」なんて印象が付いてないかなぁなんて心配して行ったものでしたが、どうやら(とりあえずは)杞憂だったよう。


「あにぶ」の記事を読んでおられる皆さん…ラブライバーさん(と地元の人は呼ぶんですね。)達は


「ラブライバーさんはね、いい子たちですよ。」という言葉を信じてくださらないかもしれません。


記事公開後、「これは竹取の翁(筆者)が大村さんに言わせたんだ!」なんて勘違いされないか、ヒヤヒヤしています(笑)


それくらい、我々を外の目から見たら「いい子たち」と思ってくださっていることが「意外」というか「驚き」…だと思います。


“オタクの聖地巡礼”について客観的に見てみると、たしかに、大村さんのおっしゃったように


「絶対に地元に迷惑をかけてはいけない」という思いが強いというか…それは、私自身も最低限守らなくてはならないこと、と思っているほどには、強く、ファンの心に在る信念のようなものでしょう。


そんな想いはきちんと地元の方に、届いているようです。


地元の人達は私達ファンに、いろいろな面で「ありがとう」と仰ってくださっていました。


私達ファンは、今後、様々な層のファンが沼津を訪れることも理解しつつ、


今後も「ありがとう」を守り、応えていきましょう。


【Message from Numazu】第1章〈ヌマヅの声 From沼津市役所〉「人が輝く躍動のまち、沼津―。」





(あにぶ編集部/竹取の翁)
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