地獄少女 宵伽 第10話「回顧録 ~黒の轍~」【感想コラム】

地獄少女 宵伽 第10話「回顧録 ~黒の轍~」【感想コラム】

またまた輪入道が大活躍! そんな第10話です。雨にも台風にも負けず、レビューしていきましょう。


Contents

1 地獄少女 宵伽 第10話は、トラックの運転手とお爺さんのお話2 立ち退き問題と魔のカーブ3 事故の復讐を老人にぶつけようとしている4 お爺さんの方にも事情はある5 自分の命を犠牲にしようとして
■地獄少女 宵伽 第10話は、トラックの運転手とお爺さんのお話

というわけで、まずは冒頭の新規シーン。


「タバコ屋のババア! 地獄に流してやる!」


と、お怒りのきくり。しかし、猫のせいで転んだので、飼い主のおばさんを逆恨みしているだけでした。

完全に八つ当たりですね。


出来事を誰かのせいにするといえば……。


輪入道にとって忘れられない事件がありました。今回の主な登場人物。


伊藤道郎:トラックの運転手をしている若い男。人の良さそうな性格をしているようですが……。


亀岡一人:古い家に一人で住んでいるお爺さん。
この2名です。今回は人数が少ないですね。


■立ち退き問題と魔のカーブ

画像引用元:©地獄少女プロジェクト/宵伽製作委員会 /スカパーウェルシンク・アニプレックス


ある夜、道郎は道でヒッチハイクをする老人を拾います。依頼主を調査するべく潜入した、輪入道です。


車好きの道郎は、この辺りの道は最近できたのだと語り、輪入道と意気投合します。輪入道にとっても、この辺りは昔悲しい出来事があった、思い出の地です。


しかし、「この道路も完全に開通したわけじゃないんだぜ」と道郎は重々しい口調で話をはじめます。


なんでも、立ち退きを反対する古い家が一件あり、道はその家を避けるように出来ているのだとか。


新しい道とは違い、家の近くにある旧道は狭く、急なカーブもある危険な山道です。ついこの間も、高校生が事故で亡くなったのだと、道郎は言いました。


ただ家から住人を追いやるのではなく、ちゃんと新しい家を用意するし、立ち退き料だって出ます。そこに住んでいるのは爺さんが一人なのに、彼が立ち退かないせいで死者が出た。立ち退き料の上乗せを狙っているという噂もあり、「そんなに金がほしいかよ」と苛立つ道郎。


なんだかその老人が悪者のようですが、実際は違いました。


老人――亀岡一人の元には、骨女が潜入します。


彼氏と喧嘩して車を降りたが、ここは山だし近くに他の民家もなく困っている――という設定で現れた骨女を、亀岡さんは招きます。


こちらも人の良さそうな感じです。ただ、なにやら咳き込んでいて、体調が悪そう。これは事情がありそうです。


■事故の復讐を老人にぶつけようとしている

道郎はさらに語ります。死んだ高校生というのが、実は弟なのだと。


兄と同じく車好きだった弟。


「いつか俺と同じ職につきたいからって、この道を走ってて……」


免許を取ってすぐ、魔のカーブで事故を起こしてしまったようです。


弟思いの兄と、兄のことを慕っていたまだ10代の弟。なるほど、道郎が亀岡さんを恨む気持ちもわかります。


事故の後、道郎は亀岡さんの家を訪ねていたようですが、納得のいく話し合いにはならなかった様子。


とはいえ、悪いのは道であり、亀岡さんはただの住人。道を作ったわけでも、事故を起こしたわけでもありません。


それでも、亀岡さんが立ち退いていれば起きなかった事故なのもまた事実で……。


お互いの主張がぶつかりあっているパターンでしょうか。

しかし、どうも双方の意見が相手に伝わっていないように思われます。

なにせ、亀岡さんの立ち退かない理由が判明していません。


道郎は地獄少女のアクセスに失敗していて、自分の手で“復讐”を遂げようと考えていました。実際は、アクセスしたので輪入道たちがやってきたわけですが、藁人形をまだ受け取っていない道郎には、輪入道の正体がわかりません。


■お爺さんの方にも事情はある

場面は骨女に移り……亀岡さんの事情が判明します。


・家は何百年も昔からある

・家族はみんな死去、自分も長くない

・今更知らないところで暮らせと言われても困る

・金はいらない、ただ静かにここで死んでいきたい


彼は自分の死を悟り、それ故に立ち退きを拒否していたのです。やはり、道郎には何も伝わっていません。


■自分の命を犠牲にしようとして

地獄少女 宵伽 第10話「回顧録 ~黒の轍~」【感想コラム】画像引用元:©地獄少女プロジェクト/宵伽製作委員会 /スカパーウェルシンク・アニプレックス


一方、道郎は輪入道にタクシーを呼ぶよう携帯を渡し、自分ひとりで家に突っ込んでやろうとします。

関係のない人を巻き込まないようにするあたり、根はいい人です。


しかし、そこに閻魔あいが登場。藁人形を受け取るも、間に合いませんでした。


亀岡さんは心臓を悪くしていて、たった今亡くなったのだと、知らされます。


死を知ってようやく和解か――と思われたその時、


「あいつはまだ生きている! 俺がこの手で地獄に送ってやるんだ!」


憎しみが暴走し、現実を受け入れずにトラックを加速。弟のために、これから先の事故を防ぐために。しかし、家の主はもういません。このまま家に突っ込んでも、無駄死にです。


けれど皮肉にも、弟と同じカーブで事故りそうになり……それを輪入道が止めました。


「弟も望んじゃいないだろう」


と、道郎の復讐と道連れを説得。我に返った道郎は、ようやく冷静な状態で亀岡さんの家を訪ねます。


家は主を追うように崩壊し、道の開通を邪魔するものはなくなりました。


そして道郎は、亀岡さんからの手紙を受け取り、彼が申し訳なく思っていたことを知ります。所有している土地と立ち退き料のすべてを、弟の親族、つまりは道郎に譲ろうとしていたことも判明。


道郎は藁人形を使わずに済みましたし、事実も知りました。けれど、亀岡さんはそのことを知らずに亡くなってしまいました。


もっと早くからお互いの気持ちを打ち明けていれば、違う結末になったかもしれないのに……。


悪人なんて誰も居ないのに、悲しいすれ違いから起きたエピソードでした。


地獄少女 宵伽 感想コラムのまとめ





(あにぶ編集部/星崎梓)
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