産婦人科医・宋美玄&中野プロデューサー対談!現代女性の妊活のリアル②

産婦人科医・宋美玄&中野プロデューサー対談!現代女性の妊活のリアル②

3月1日(木)『隣の家族は青く見える』


■宋「男性は女性をケアする余裕を持ち続けて」





深田恭子さん&松山ケンイチさん演じる夫婦が、妊活に取り組む姿をリアルに描き、大きな反響を呼んでいる木曜劇場『隣の家族は青く見える』。今回、当サイトでは、ベストセラー「女医が教える本当に気持ちいいセックス」でおなじみの産婦人科医・宋美玄先生と、中野利幸プロデューサーの対談を実施! ドラマを通じておふたりが感じたこと、妊活をめぐり女性が直面している悩みや問題などについて語り合っていただきました。前後編にわたり、たっぷりとお届けいたします。


■産婦人科医と番組プロデューサーが対談!





<対談>

◆後編

――「子供を持って一人前」といった考え方も、日本独特なのでしょうか?



宋 そんなことはないでしょうが、電車の中吊りや新聞広告の影響はあるのかな、と思います。私の時代ですと、女性誌での「母になる」特集。母になることが崇高なものかのように言われ、「いつかは産まないといけないのか」と感じたことがあります。現代ですと、ママタレ、ママモデルみたいな方たちの影響もあって、実際の子育てがどんなものか分からないまま、「みんながママになっているから」という理由で、子供を持とうとする人もいるのかな、と。それと、子供を持つにしても何人欲しいのか、といったことを夫婦で共有できていない方も多いんですよ。ずっと話し合わずにきて、40歳頃に奥さんが「もうひとり欲しい」と思ったら、旦那さんはいらないという。そこで奥さんは、卵子を凍結して、次のパートナーとの間で子供をもうけることを考える…といったこともあります。医師からしたら、あと5年早く言ってくれたらよかったのに、というところですが。ですから、こういったドラマをきっかけにでも、自分自身の気持ちや人生設計について、後回しにせず考えていただけたら、と思っています。



中野 僕がこのドラマを作っていて思うのは、男女が出会って恋をしてセックスをして、その先に妊娠があるという流れが変わってきている今、これも現代的なラブストーリーなんじゃないか、ということです。5話で、奈々(深田恭子)と大器(松山ケンイチ)は人工授精に切り替えるのですが、そこで、奈々が、大器が採取した精子をクリニックに持っていくというシーンがありました。胸元に大事そうに抱えてクリニックに向かう奈々を見て、「究極のラブストーリーではないか」と感じました。



宋 なるほど。ただ、不妊治療をやっている先生方は、「妊娠は卵子と精子の合体」のように考えますから、不妊治療を始めると夫婦は、タイミング法に嫌気がさして、セックスレスになっていくんですよね。



中野 そうですね。



宋 不妊治療では、実際のセックスはケアされないんです。もともとは好きで結婚してセックスもしていて子供も作ろうとしたふたりなのに、家族としてそれでいいのかな、と思うことはあります。セックスに関するカウンセリングをしていて、不妊治療の過程で、性というか、ラブの部分が取り残されていると感じています。



中野 僕の周囲でも、ずっと不妊治療をしていたけれど授からなくて、結局お金が続かないからあきらめて、その後に普通にセックスをしていたら授かった、なんていう話は聞きます。



宋 体外受精の経験者で自然には妊娠しないものだと思っていたのに、ふたりめは自然にできた、というケースも結構あります。不妊となった時、男性と女性のどちらに問題があるのか、と犯人探しをするよりも、不妊治療の負担は女性の方が大きいので、男性には女性をケアする余裕を持ち続けていただきたいな、と思います。



中野 そういう意味で、大器はかなり頑張っている旦那さんで、女性の視聴者の方から「あんな旦那さんだったらいい」と言われるように、あそこまでの旦那さんはなかなかいないようです。



――女性は、旦那さんのこともそうですが、生き方まで含めて、周囲と比べてしまうことがありますよね。



中野 男でもありますよ。妊娠に関してもそうで、70歳で授かった芸能人の方が記憶にあって、「男はいつでもできる」と過信しているなんてこともあると思います。



宋 いくら過去に子供を授かった実績があっても、男性も年齢を重ねると妊娠は難しくなります。70歳でできる人もいますが、普通の70歳はできないですから。



中野 男は大丈夫と思っているから、大器も最初、精子検査を怖がるんです。それで、結果が良かったら、奈々の前で喜んでしまうという。



宋 そういうものだと思います。ドラマでもそうでしたが、不妊は原因が分からないというのが不安なんです。原因はこれで、これをしたら治りますと言われたらラクですが、原因が分からないことも多い。いつまで何を頑張ったらいいのか分からないのは、キツいですよね。



中野 そうなると、神様に認められていないんじゃないかとか、自分たちは運命的に本来は夫婦じゃないんじゃないか、と極端に考えてしまう人もいるようです。



宋 根拠のない情報を信じたり、スピリチュアルな方に行く方も少なくないです。先日も、ある妊活ブックの中で「膣をケアして妊娠体質になる」といった特集があって、私の周りでは「言い過ぎ」だと炎上していましたが、そういうものを信じてしまうことも。ドラマにもありましたが、“マクロビ”“グルフリ”が不妊にいいというのも、あまり意味がないと思いますし、体を温めるくらいなら問題はなくても、ホットヨガがいい、ショウガをとるといい、となってくるとだいぶ疑わしいと思います。



中野 いいと聞けば、取り入れたくなってしまうんでしょうね。



宋 書店の妊活コーナーを見ると分かりますが、体を温めて妊娠する、食事を改善して妊娠する、といった本や雑誌がとても多くて、そのことが逆に必要な医療から女性を遠ざけてしまっていると指摘する医師は多いです。40歳頃になって慌てて体外受精を始めても、成績は下がってしまうことがあるので、並行してやる分には「お金の無駄」で済むかもしれないですけど、食事や自然療法を過信してしまうと、子供を授からない人生になるかもしれない、ということは知っておいていただけるといいですね。



――最後になりますが、おふたりから、主に女性のみなさんへのメッセージをお願いできますか?



宋 繰り返しになりますが、出産は、本当に子供が欲しいのか、家族を増やしたいのか、原点に立ち返ることがスタートだと思います。それで、子供がいる人生を望むのなら、できることを頑張る、というスタンスがいいと思います。その過程で、妊娠できないと「もういいや」とあきらめてしまう方もいますが、ギリギリになって「やっぱり欲しい」と気持ちが変わることもあるんです。最終的に自分が納得できるように、できることをやっていただけたら、と思います。誰に何を思われるから、ということではなく、自分自身の気持ちを分析して欲しい。最後はきっと、人の手が及ばない、神様が決めたことでも、その結果は受け止められると思いますから。それが結果的には、幸せという形に近づくのではないかな、と思っています。



中野 今回ドラマに携わってみて、子供が欲しい人もそうじゃない人もいるんだ、ということが改めて分かりました。親から「孫の顔が見たい」と言われたり、周囲からのプレッシャーを感じることもあるかもしれませんが、最終的には「自分はどうしたいのか」だと思いますので、先生がおっしゃったように、自分の意志で選んでいけるといいのかな、と思います。





<プロフィール>

●宋美玄さん

産婦人科医、医学博士、性科学者。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。また、「とくダネ!」に木曜コメンテーターとして出演中。



●中野利幸

現在、放送中の木曜劇場『隣の家族は青く見える』のプロデューサー。ほか『私が恋愛できない理由』、『結婚しない』、『ラスト♡シンデレラ』、『ディアシスター』、『大人女子』など、女性の生きざまを描くドラマを多数手がけている。



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■番組情報


『隣の家族は青く見える』


<放送>



毎週木曜 22時~22時54分放送


<出演者>



深田恭子

松山ケンイチ

 ・

平山浩行

高橋メアリージュン

北村匠海

眞島秀和

真飛聖

野間口徹

 ・

須賀健太

伊藤沙莉

前原滉

寿大聡

橋本マナミ

 ・

春海四方

伊藤かずえ

高畑淳子





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