YouTuberが木に!カッパがブラック労働!「2018年の鬼太郎」ができるまで

YouTuberが木に!カッパがブラック労働!「2018年の鬼太郎」ができるまで

「日曜の朝から全員震え上がらせます」


いよいよ4月1日(土)からスタートするアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。1968年の第1期放送開始から今年でアニメ化50周年を迎え、第6期となった今回は豪華キャストも勢ぞろい! 初代鬼太郎を演じた野沢雅子さんが、目玉のおやじを演じることも話題になっています。



そこで第6期の開始を前に、狩野雄太プロデューサーに見どころや舞台裏を語ってもらいました。





■YouTuberやSNS、ブラック労働……現代の要素も





――「アニメ化50周年」という節目で、2018年の今『ゲゲゲの鬼太郎』をやることになった経緯について教えてください。



狩野 実は「50周年」に気がついたのはたまたまなんです。幅広い世代に楽しめる作品を、と企画を考えていた中で、そういえばゲゲゲっていつから始まったんだっけ……? と調べてみたら「あれ? 50周年じゃない!?」と(笑)。



前回(第5期)の放送が2007年~2009年で、水木先生が逝去されたのが2015年のこと。第6期は水木先生が亡くなられてから初めてのアニメ化になります。この節目にゲゲゲの鬼太郎を手がけることは、目玉のおやじに「それが運命なのじゃ」と言われているような気もしますね。



水木プロさんと会話をさせていただいた時には、自分なりに水木先生の思いを汲み取りながら「全員震え上がらせたいと思っています」というお話をしました。日曜の朝という時間帯だけれども、中途半端なことをせずに振り切ったことをしたいと。水木プロさんにも賛同いただき、新たな鬼太郎を考えやすい環境を与えてくださって、感謝しかありません。



――予告映像ではねこ娘がTwitterをしているのが印象的でした。2010年代に復活させるにあたり、現代の要素を取り入れた部分はありますか?



狩野 水木先生が大事にされていた要素はそのままに、基本的に全ての話に社会風刺や事象を入れています。例えば、第1話では渋谷のスクランブル交差点でユーチューバーが木になってしまい、そこから森が広がってしまう……という超常現象から物語が始まるんです。SNS依存やブラック労働など、2018年の現代が抱える問題も盛り込んでいきます。



ただ、怖い話だけでなく、シュールだったり、コメディだったりと、話毎にテイストも変えているんです。ブラック労働を取り上げた回では、カッパがブラック労働をさせられた顛末を描いたりとか。単純に人間VS妖怪という対立にせず、人間が怖かったり、人間社会に対する皮肉を盛り込んだり……古びないよう、あらゆる時代にも共通する要素も入れているつもりです。


■2バージョンあった野沢さんの「目玉のおやじ」


――声優陣では目玉のおやじを野沢雅子さんが演じることが話題になっています。



狩野 今回のキャスティングは全てオーディションで決定したんです。なので、野沢さんにも声を録っていただきました。これまで目玉のおやじを演じてきた田の中勇さんに似せたバージョンと、野沢雅子さん本人が演じる目玉のおやじという、2つのバージョンを聞かせていただいて……もう、スタッフ全員衝撃を受けましたよ! 「おぉぉ……!」と。



やっぱり野沢さんの声はワクワクしますし、心を動かしてくれる声ですよね。ここはモノマネではなく「野沢雅子でなくてはいけない」と思い、後者の「野沢雅子バージョン」でお願いすることにしました。野沢さん本人もノリノリです(笑)。





――放送決定時のコメントを読むと、ベテラン声優の方々が『ゲゲゲの鬼太郎』に関われることを本当に喜んでいるように感じました。



狩野 古川登志夫さんは、過去にねずみ男のオーディションに落ちているんですよね。ねずみ男は演技巧者じゃなきゃできないと仰っていたので、嬉しかったと思います。鳥取の水木しげる生誕祭へ一緒に行ったときには、大きなバッグ一杯にグッズを買われていましたから、本当にお好きなんでしょうね。



――砂かけばばあ役の田中真弓さんは、9時から『ゲゲゲの鬼太郎』で砂かけばばあを、9時半から『ワンピース』ルフィを演じるんですね。



狩野 一反もめん役の山口勝平さんも9時半からウソップですし、ワンピースコンビでアドリブを繰り出していると思います(笑)。現場がとても楽しいんですよ。気心が知れた大御所同士が演じていて、そこに沢城みゆきさん(鬼太郎役)や庄司宇芽香さん(ねこ娘役)といった下の世代が野沢さんを「まこさん」と慕っていたりして。狭いスタジオということもあり、とてもアットホームな雰囲気です。


■ねこ娘のイメージは「菜々緒」!?


――ネット上では「ねこ娘がどんどん可愛くなっている」と話題になっていました。今のアニメのトレンドを意識した部分はありますか?



狩野 トレンドであるとか、いわゆる「萌え」はほとんど意識していません。ねこ娘については、今回第3期のように人間の女の子(犬山まな)をレギュラーにするにあたり、キャラクターが被らないよう議論を重ねた結果がこの形なんです。



例えば身長が高くなっていたりするのですが……これは悪女のイメージから、私が「菜々緒さんっぽくするのはどうか」と提案した名残ですね。そこから足を細長くしたり、髪型を今っぽくしたり、「娘」の要素を突き詰めていきました。むしろ、このアイデアを受け入れてくださった水木プロさんの懐の深さに感激です。



――第6期で初めて『ゲゲゲの鬼太郎』に触れる子どもたちには、どんなところを見てもらいたいですか?



狩野 自分が子どもの頃を思い出すと、テレビで怖い描写があったとき親から「だからこういうことしちゃダメだぞ~」と言われていたんです。もちろん怖いだけでなく、アクションもあれば、泣けたり笑えたりする回もあるのですが、家族や友だちとの会話のきっかけになれたら嬉しいですね。



第6期は「多様性を認める」がテーマのひとつになっています。単純に人間だから、妖怪だから、ではない。いろんな人やいろんな妖怪がいるよね、とお互い認め合うことを描けていけたらと思っています。





――最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。



狩野 「日曜の朝から大人も子どもも震え上がらせてやろう!」という意気込みで、全員滅茶苦茶に気合いが入っています。特に第1話は作画がとんでもないクオリティで、もはや映画並みです(笑) 間違いなく、これまで見たことがない2018年の『ゲゲゲの鬼太郎』をお届けできると思います! ぜひご覧ください。


文=井上マサキ


■番組情報


『ゲゲゲの鬼太郎』


<放送>



4月1日(日)スタート 毎週日曜9時~9時30分


<キャスト>



沢城みゆき/鬼太郎

野沢雅子/目玉おやじ

古川登志夫/ねずみ男

庄司宇芽香/ねこ娘

藤井ゆきよ/犬山まな

田中真弓/砂かけばばあ

島田 敏/子泣きじじい

島田 敏/ぬりかべ

山口勝平/一反もめん


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