何が本当で何が嘘か?脚本家・古沢良太が語る『コンフィデンスマンJP』の世界

何が本当で何が嘘か?脚本家・古沢良太が語る『コンフィデンスマンJP』の世界

4月9日(月)21時スタート!


■脚本家・古沢良太さんインタビュー 前編





『リーガルハイ』シリーズや『デート~恋とはどんなものかしら~』といった大ヒットドラマを手がけたほか、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』では、第29回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞を受賞するなど、いまや日本のみならず、世界が注目する当代随一の脚本家・古沢良太さん。



その古沢さんが放つ最新作が4月9日(月)21時スタートの『コンフィデンスマンJP』です。 信用詐欺師のダー子(長澤まさみさん)、ボクちゃん(東出昌大さん)、リチャード(小日向文世さん)の3人が、毎回、さまざまな業界の”金と欲にまみれた“大物たちから奇想天外な方法で金をだまし取るというこのドラマは、個性豊かなキャラクターたちが暴れまわる、痛快かつエッヂ―な“古沢ワールド”全開のエンターテインメント作品になっています。



古沢さんに、この『コンフィデンスマンJP』が生まれた背景を2回にわたって伺いました。





■『スティング』みたいな作品を作りたいんだ!と説得されました(笑)。


――今回の企画はどのくらい前から準備さていたのか、その前日談をうかがいたいのですが。



多分、2年くらい前から(本作の企画担当であり、以前の古沢作品も担当した)成河広明さんと「また何かやりましょう」という話をしていて……。 もともとコン・ゲーム(策略により騙したり騙されたり、二転三転するストーリーのミステリーのジャンル)というか、詐欺師モノはいつかやりたいと思っていたんですけど、作るのは大変なので二の足を踏んでいたんです。 でも、成河さんが映画『スティング』(73年 ジョージ・ロイ・ヒル監督 ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演)が大好きで、「入社試験でも僕は『スティング』みたいな作品を作りたいんだ、と言ったくらいなんです」と熱弁されて、説得されたんです(笑)。



――コン・ゲームを題材にした連続ドラマは初めてということですが、連続ドラマとして作る際に、どういう部分が難しいと思われましたか?



やるからには1話完結で、毎回毎回悪いお金持ちをあっと言わせる手段で爽快に騙す、という話を10本作ろうと……というのがもう無茶な話なんです(笑)。

騙す手口もあまりバリエーションがないので難しいなと思っていたんですけど、「毎回そう鮮やかにできなくても時々は凄くいいものが出来るんじゃないか」くらいの気持ちでやるだけやってみようと、勝算なく突っ込んでいきました(笑)。 あと、敵……騙す相手を、「この人だったら騙されてもいいだろう」と思えるような凄く悪いキャラクターにしないと主人公たちが悪く見えてしまうので、毎回のゲストをいかに悪くみせるか、という部分は苦労しました。



――ゲストの方々のキャスティングに関して、希望を出したことは?



ゲストの希望は出していないんです。 キャスティングにはなるべく口を出さないようにしているので。



――誰かを意識して書いたわけではないんですね。



特に役者さんをイメージしたわけではないんですけど、実際にいるあの人、みたいな感じは(笑)。


■小日向さんに決まってから崩れていったリチャードのキャラ。





――ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人はどういう風に生まれたでしょうか?



ゲスト話なので、レギュラーはなるべく少なくしようと思っていたんです。最初はふたりだけにしようかなと思っていて、必要に応じて準レギュラー的な人が何人かいるというのが良いかな、と思っていたんですけどね。でも、なかなか準レギュラーというのもスケジュールを押さえたりするのが難しくて(笑)。



――3人のやり取りもとても楽しいです。これは、長澤まさみさん、東出昌大さん、小日向文世さんのキャスティング後に書かれたものですか?



いえ、最初はキャスティングに関係なく3人の話として書き始めていたんですけど、長澤さんだけが割と早い段階……1年以上前に決まったので、ダー子だけは長澤さんを意識して、ご本人からの影響も受けながら書いていました。

小日向さんも決まってからは、何となくリチャードのキャラも崩れていったんです。 小日向さんだと思うと、どうしても面白いことをやらせたくなってしまうんですよね(笑)。



――詐欺師に惹かれた理由を教えていただきたいのですが。



別に詐欺師に惹かれてはいないんですけど(笑)。 特に、主人公のダー子を作るときには、何か世の中がモラルとか倫理に対して厳しすぎるんじゃないか?と思っていたので、常識やモラルや、もっと言えば法律などにもまったく関係なく生きている人を書きたいと思ったんです。 で、それを際立たせるために正反対のキャラクターが必要だろうと思ってボクちゃんを作って。 まあ詐欺師は誰がどう考えても悪い人なので、どうすれば愛すべき詐欺師になるか、というのも苦労した点かもしれません。 ターゲットとなる人物をいかに騙すか、あるいは騙せないのか、というのが見どころだと思いますが、「そんな手で騙せないよ」と思うような手で騙してしまうと人物が凄くバカっぽくなってしまうし、もっと言えば、見ている人も騙せないといけないので、「こう書いたらお客さんはどう考えるだろう?」という、お客さんとの駆け引きも考えながら書かなきゃいけなかったんです。 まあ、どんなドラマも多かれ少なかれ、そういう部分はあるんですけど、今回は特にそれが大きかったですね。



後編に続きます。



古沢良太さんプロフィール



脚本家・戯曲家・イラストレーター。

『リーガルハイ』シリーズ、『デート~恋とはどんなものかしら~』(ともにフジテレビ系)や『鈴木先生』(テレビ東京系)、『外事警察』(テレビ朝日系)などのテレビドラマや、『探偵はBARにいる』シリーズ、『ミックス。』、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどの映画の脚本を手がける。


■番組情報


<タイトル>



『コンフィデンスマンJP』


<放送日時>



2018年4月9日(月)21時スタート *初回は30分拡大


<出演>



長澤まさみ

東出昌大

小日向文世




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