TVアニメ「 はねバド! 」第12話『足を前に出しなさいよ!』【感想コラム】
最終話まであと数話、ラストスパートとなった「 はねバド! 」
意外にも真正面からはぶつからず変化球気味なバドミントンでかわすなぎさに、攻めあぐねる綾乃ですが…そして綾乃の母親の真意とは…。
第12話、綾乃vsなぎさ中盤戦、まあとにかくハイテンポで30分を感じさせないくらいの試合展開となりました。
このページの目次
1 「 はねバド! 」第12話「足を前に出しなさいよ!」2 クロスファイア3 ついに追いついた4 やろうよ。バドミントン5 濃密な1話
■「 はねバド! 」第12話「足を前に出しなさいよ!」
インターハイ予選決勝前夜。綾乃となぎさは、過去の自分に思いを馳せていた。
ついに始まった綾乃VSなぎさのインハイ予選決勝。
試合序盤はなぎさの作戦が功を奏し、優位に試合を進めるも、不穏な笑みを浮かべる綾乃。そして放たれたショットは……!?
一方コートの外では、エレナを前に、有千夏がかつて綾乃の前から姿を消した理由を語りはじめる……。
■クロスファイア
「なんで綾乃の前からいなくなったんですか…」
「あの子は私のためにバドミントンをやるようになってしまった」
母親としては、自分のためではなく、綾乃自身のためにバドミントンをしてほしかったということでしょうか。
だからあえて、綾乃の前から姿を消した…。というのもおかしな話ではあるような…。
序盤、攻めあぐねる綾乃はサウスポー特有のシュート回転のかかるカットスマッシュを放つ!
スポーツにおいて左利きってなにかと有利だったりしますが、バドミントンも例外ではないようですね。
左巻きのシャトルという利点をついた鋭く曲がるクロスファイアを打ち込まれ、隙をつかれたなぎさを見逃さない綾乃は、ここぞとばかりに攻め込む。
少し焦ったなぎさは、逆に攻める気持ちをと攻勢に転じようとするが綾乃の、相手のシャトルの勢いを殺す完璧なカウンターがぴったりと決まる。まるでそこだけ時が止まったような綺麗なカウンター。それは子供のころから母親と何度も練習したカウンター。
「思いつきでできるプレーじゃない、羽咲はすでにあのプレーを身に着けていた」
解説役のみなさんも度肝を抜くプレイ。野球のバントやバスケのフェイダウェイショットのように自らの体を後ろに下げて勢いを殺してみせる。
「ひどい親だよね。でもあの子には 見てほしかったの。強さの先に見える風景を」
ひどい親だという自覚は一応あるようで、それでも綾乃にはバドミントンの本当の楽しさだったりを気づかせてあげたかったっと…。
「たかがスポーツじゃないですか…」
おっと…スポーツをしてない人からみたら、たかがですが数十万規模から反感買いそうな発言だ。
「スポーツに人生をかけるなんてバカらしい」
「でも努力を重ねて、全力で相手を倒したときに生きてる意味があるんじゃいかって思うことこがある」
全力でバドミントンに取り組んだその先には、生きているという実感がある。
きっと綾乃はまだそれをまだ実感していない。それをきちんと言葉で伝えれらなかったものではないのか…?
クロスファイアでようやく自分のペースに持ち込んだ綾乃がファーストセットを奪取する。
■ついに追いついた
画像引用元:©2018 濱田浩輔・講談社/「はねバド!」製作委員会
「私は後悔していない。それでも綾乃が自ら新しい一歩を踏み出そうとしているのは、部活のみんなのおかげだから」と語る母親。本当に綾乃の気持ちを理解しているのか甚だ疑問な感じはありますが…
うーんというかこの親子はお互いの気持ちがずれにずれている親子という感じしかしない…。
試合も中盤戦、それでもスマッシュを温存するなぎさにいつもより攻めに転じざるを得ないバドミントンにだんだんと焦りはじめる綾乃。
細かいラリーの中でバドミントンを組み立てていく綾乃にとってはなぎさのスマッシュは無視できないが故に、いつくるからわからないスマッシュを常時警戒しなくてはいけないこと、守りのなぎさに対して攻める綾乃といつもとは違う展開が心身ともに負担になっていた。
「ついに追いついた」
綾乃のカットスマッシュの曲がりが小さくなってきたところを見逃さないなぎさがついにジャンプスマッシュを放ち、同点そして逆転する。
自慢のコースをつくバドミントンができないくらいに体力が奪われた綾乃はついにガス欠へと追い込まれる。
さらに心も体も限界が近いところで、最高のタイミングでジャンプスマッシュを決められたことによるダメージがずっしりと綾乃にのしかかる。
『楽しもうぜ…羽咲』
がっくりと下を向く綾乃と前をむくなぎさ。
「キツいときこそ!足を前に出しなさいよ!」
ライバルである薫子の喝は綾乃の耳に届いても体は反応できない。そのままの勢いで第二セットはなぎさが奪取する。
ただし、なぎさの脚も限界が近いのはたしか。
セットとセットの合間で、かける言葉もみつからないくらい落ちる綾乃。
「わたしのこと負ければいいって思ってるんでしょ。ほっといて」
それでも仲間を拒絶する綾乃は、ここで負けたらまた誰かに捨てられる。誰からも必要のない人間になってしまうと思っている。
バドミントンができる自分じゃないと誰からも必要とされないと思っている綾乃は、負けている自分にかけられる言葉が偽善に聞こえてしまう。バドミントンこそが、勝利こそが。最早頭にはそれしかない。
■やろうよ。バドミントン
画像引用元:©2018 濱田浩輔・講談社/「はねバド!」製作委員会
流れは変わらない。体力も底をつきかけてミスがでる綾乃。次々と失点を重ねていく。
(また、捨てられる…)
(強くならないと、必要のない人間になっちゃう)
離れていく点差に、綾乃の心ももはや折れかけていた。
それでも、他の部員からは。
「私だって、全国に行きたかった。あんたは、私たちのぶんも背負って戦ってるんだよ」
「綾乃。頑張れ。」
次々にかけられる言葉。
バドミントンで負けている存在価値のない自分に声をかけてくれる人がいるという事実に綾乃は戸惑いを覚えます。
「ここは私たちだけの世界」
「やろうよ。バドミントン」
まるで綾乃が今までは「「バドミントン」」をしていなかったような。
「楽しもうぜ」とこの試合でしきりになぎさが言っていた一言。
楽しんでこそバドミントンと考えているなぎさらしさが詰まったセリフです。
ついに……
ついに……綾乃の目に光がともる。
綾乃が右手でラケットを振り下ろす。
ここから本当の決勝戦がはじまる。
■濃密な1話
画像引用元:©2018 濱田浩輔・講談社/「はねバド!」製作委員会
いや、ほんっとに30分が早く感じられた濃密な1話でした。
一進一退の攻防を繰り広げる綾乃となぎさなんですが、綾乃のクロスファイヤやカウンターをうまく決めていくもそれが自身の体力が底を尽きてしまうことに繋がってしまいます。
なぎさとしては我慢のバドミントンで綾乃の体力を奪うことが目的だったのですが、それがうまくはまっての第三セット。
点差的には綾乃が不利なんですが、戦いの中でようやく「バドミントンをやる自分の存在価値」だけを気にしていた綾乃の考えが払拭されていきます。
しきりに「バドミントンを楽しもう」と声をかけ続けるなぎさの思いがシャトルを通じて伝わった。
ようやくここから本当の決勝戦が始まるわけですが、もうどっちが勝つねん!って思うわけですよ。最終回が楽しみです。
TVアニメ「 はねバド! 」感想コラムのまとめ
はねバド! 各話も是非チェックして下さい!
第1話『スッゴい才能!』
第2話「運動の後の肉は格別ッス!」
第3話 「アイツは完璧だった」
第4話「私も今、迷子なんだ」
第5話 「一人じゃないよ」
第6話『最後の夏なんだもん!』
第7話 『あんな子、瞬殺してみせる 』
第8話 「 自分のやりたかったバドミントン」
第9話 「 なりたいのは〝友達”じゃない」
第10話『バックハンドの握りはこう』
第11話バドミントンが好きだから」
第12話『足を前に出しなさいよ!』
(あにぶ編集部/Uemt)
意外にも真正面からはぶつからず変化球気味なバドミントンでかわすなぎさに、攻めあぐねる綾乃ですが…そして綾乃の母親の真意とは…。
第12話、綾乃vsなぎさ中盤戦、まあとにかくハイテンポで30分を感じさせないくらいの試合展開となりました。
このページの目次
1 「 はねバド! 」第12話「足を前に出しなさいよ!」2 クロスファイア3 ついに追いついた4 やろうよ。バドミントン5 濃密な1話
■「 はねバド! 」第12話「足を前に出しなさいよ!」
インターハイ予選決勝前夜。綾乃となぎさは、過去の自分に思いを馳せていた。
ついに始まった綾乃VSなぎさのインハイ予選決勝。
試合序盤はなぎさの作戦が功を奏し、優位に試合を進めるも、不穏な笑みを浮かべる綾乃。そして放たれたショットは……!?
一方コートの外では、エレナを前に、有千夏がかつて綾乃の前から姿を消した理由を語りはじめる……。
■クロスファイア
「なんで綾乃の前からいなくなったんですか…」
「あの子は私のためにバドミントンをやるようになってしまった」
母親としては、自分のためではなく、綾乃自身のためにバドミントンをしてほしかったということでしょうか。
だからあえて、綾乃の前から姿を消した…。というのもおかしな話ではあるような…。
序盤、攻めあぐねる綾乃はサウスポー特有のシュート回転のかかるカットスマッシュを放つ!
スポーツにおいて左利きってなにかと有利だったりしますが、バドミントンも例外ではないようですね。
左巻きのシャトルという利点をついた鋭く曲がるクロスファイアを打ち込まれ、隙をつかれたなぎさを見逃さない綾乃は、ここぞとばかりに攻め込む。
少し焦ったなぎさは、逆に攻める気持ちをと攻勢に転じようとするが綾乃の、相手のシャトルの勢いを殺す完璧なカウンターがぴったりと決まる。まるでそこだけ時が止まったような綺麗なカウンター。それは子供のころから母親と何度も練習したカウンター。
「思いつきでできるプレーじゃない、羽咲はすでにあのプレーを身に着けていた」
解説役のみなさんも度肝を抜くプレイ。野球のバントやバスケのフェイダウェイショットのように自らの体を後ろに下げて勢いを殺してみせる。
「ひどい親だよね。でもあの子には 見てほしかったの。強さの先に見える風景を」
ひどい親だという自覚は一応あるようで、それでも綾乃にはバドミントンの本当の楽しさだったりを気づかせてあげたかったっと…。
「たかがスポーツじゃないですか…」
おっと…スポーツをしてない人からみたら、たかがですが数十万規模から反感買いそうな発言だ。
「スポーツに人生をかけるなんてバカらしい」
「でも努力を重ねて、全力で相手を倒したときに生きてる意味があるんじゃいかって思うことこがある」
全力でバドミントンに取り組んだその先には、生きているという実感がある。
きっと綾乃はまだそれをまだ実感していない。それをきちんと言葉で伝えれらなかったものではないのか…?
クロスファイアでようやく自分のペースに持ち込んだ綾乃がファーストセットを奪取する。
■ついに追いついた
画像引用元:©2018 濱田浩輔・講談社/「はねバド!」製作委員会
「私は後悔していない。それでも綾乃が自ら新しい一歩を踏み出そうとしているのは、部活のみんなのおかげだから」と語る母親。本当に綾乃の気持ちを理解しているのか甚だ疑問な感じはありますが…
うーんというかこの親子はお互いの気持ちがずれにずれている親子という感じしかしない…。
試合も中盤戦、それでもスマッシュを温存するなぎさにいつもより攻めに転じざるを得ないバドミントンにだんだんと焦りはじめる綾乃。
細かいラリーの中でバドミントンを組み立てていく綾乃にとってはなぎさのスマッシュは無視できないが故に、いつくるからわからないスマッシュを常時警戒しなくてはいけないこと、守りのなぎさに対して攻める綾乃といつもとは違う展開が心身ともに負担になっていた。
「ついに追いついた」
綾乃のカットスマッシュの曲がりが小さくなってきたところを見逃さないなぎさがついにジャンプスマッシュを放ち、同点そして逆転する。
自慢のコースをつくバドミントンができないくらいに体力が奪われた綾乃はついにガス欠へと追い込まれる。
さらに心も体も限界が近いところで、最高のタイミングでジャンプスマッシュを決められたことによるダメージがずっしりと綾乃にのしかかる。
『楽しもうぜ…羽咲』
がっくりと下を向く綾乃と前をむくなぎさ。
「キツいときこそ!足を前に出しなさいよ!」
ライバルである薫子の喝は綾乃の耳に届いても体は反応できない。そのままの勢いで第二セットはなぎさが奪取する。
ただし、なぎさの脚も限界が近いのはたしか。
セットとセットの合間で、かける言葉もみつからないくらい落ちる綾乃。
「わたしのこと負ければいいって思ってるんでしょ。ほっといて」
それでも仲間を拒絶する綾乃は、ここで負けたらまた誰かに捨てられる。誰からも必要のない人間になってしまうと思っている。
バドミントンができる自分じゃないと誰からも必要とされないと思っている綾乃は、負けている自分にかけられる言葉が偽善に聞こえてしまう。バドミントンこそが、勝利こそが。最早頭にはそれしかない。
■やろうよ。バドミントン

流れは変わらない。体力も底をつきかけてミスがでる綾乃。次々と失点を重ねていく。
(また、捨てられる…)
(強くならないと、必要のない人間になっちゃう)
離れていく点差に、綾乃の心ももはや折れかけていた。
それでも、他の部員からは。
「私だって、全国に行きたかった。あんたは、私たちのぶんも背負って戦ってるんだよ」
「綾乃。頑張れ。」
次々にかけられる言葉。
バドミントンで負けている存在価値のない自分に声をかけてくれる人がいるという事実に綾乃は戸惑いを覚えます。
「ここは私たちだけの世界」
「やろうよ。バドミントン」
まるで綾乃が今までは「「バドミントン」」をしていなかったような。
「楽しもうぜ」とこの試合でしきりになぎさが言っていた一言。
楽しんでこそバドミントンと考えているなぎさらしさが詰まったセリフです。
ついに……
ついに……綾乃の目に光がともる。
綾乃が右手でラケットを振り下ろす。
ここから本当の決勝戦がはじまる。
■濃密な1話

いや、ほんっとに30分が早く感じられた濃密な1話でした。
一進一退の攻防を繰り広げる綾乃となぎさなんですが、綾乃のクロスファイヤやカウンターをうまく決めていくもそれが自身の体力が底を尽きてしまうことに繋がってしまいます。
なぎさとしては我慢のバドミントンで綾乃の体力を奪うことが目的だったのですが、それがうまくはまっての第三セット。
点差的には綾乃が不利なんですが、戦いの中でようやく「バドミントンをやる自分の存在価値」だけを気にしていた綾乃の考えが払拭されていきます。
しきりに「バドミントンを楽しもう」と声をかけ続けるなぎさの思いがシャトルを通じて伝わった。
ようやくここから本当の決勝戦が始まるわけですが、もうどっちが勝つねん!って思うわけですよ。最終回が楽しみです。
TVアニメ「 はねバド! 」感想コラムのまとめ
はねバド! 各話も是非チェックして下さい!
第1話『スッゴい才能!』
第2話「運動の後の肉は格別ッス!」
第3話 「アイツは完璧だった」
第4話「私も今、迷子なんだ」
第5話 「一人じゃないよ」
第6話『最後の夏なんだもん!』
第7話 『あんな子、瞬殺してみせる 』
第8話 「 自分のやりたかったバドミントン」
第9話 「 なりたいのは〝友達”じゃない」
第10話『バックハンドの握りはこう』
第11話バドミントンが好きだから」
第12話『足を前に出しなさいよ!』
(あにぶ編集部/Uemt)