【まんぷく】劇中ラーメン大集合 観ているだけではわからない“こだわり”を紹介

【まんぷく】劇中ラーメン大集合 観ているだけではわからない“こだわり”を紹介

 NHKで放送中の連続テレビ小説『まんぷく』(月~土 前8:00 総合ほか)では、試行錯誤を続けてきた「即席ラーメン」の完成がいよいよ近づいてきたところ。そこで、これまで物語に登場した数多くのラーメンを、懐かしの場面写真と料理指導・広里貴子氏がこだわったポイントとともに一挙紹介する。



【写真】これまでに登場したラーメン(7種)と場面写真



 福子(安藤サクラ)と萬平(長谷川博己)の初デート、戦後の焼け野原で分かち合った味、塩作りのきっかけになった一杯…、物語のはじまりから、要所々々でラーメンが登場してきた本作。それらを思い出が、萬平のラーメンづくりにつながっていった。



 劇中でキャストが食べていたラーメンは、料理指導の広里氏が物語の設定まで盛り込みながら精魂こめてひとつひとつ、レシピを考えて作ってきたもの。ときには製麺所から取り寄せる麺だけではイメージが合わず、いろいろな店のラーメンを食べ歩き、麺を買いつけたこともあるそう。物語に登場した7種類の代表的なラーメンの味つけやレシピ・裏話について、広里氏に聞いた。



 また、3月9日(土)と10日(日)に東京・渋谷の代々木公園周辺で開催される『ふるさとの食にっぽんの食全国フェスティバル』に、『まんぷく』のスペシャルブースの出展が決定(NHKホール前広場)。撮影で使用した小道具などの展示のほか、福子と萬平が初めて一緒に食べたラーメン(【1】)を広里氏監修で再現し、チャリティーで提供する(チャリティー協力金200円※数量限定)。



【1】物語で最初に登場したラーメン! 屋台「呑楽(どんらく)」のラーメン



 第1週に登場。福子が敏子(松井玲奈)とハナ(呉城久美)に連れられて食べたラーメンで、物語で初めて登場したラーメンでもある。その後、咲(内田有紀)の結婚式をへて街で偶然会った福子と萬平が訪れたのもこのラーメン屋台。



 さっぱり素朴な味の中太ストレート麺で、玉子が入っていない薄い色の麺。煮干し・かつおベースのだしに鶏がらだしを混ぜた、シンプルで昔懐かしいしょうゆ味。現代の私たちが食べるラーメンよりも塩気をおさえた、やさしい味になっている。



 この屋台のシーンは、2018年6月に行われた和歌山市でのロケで撮影された。「ポルトヨーロッパ」というテーマパークの中、モダンな大阪の街並みを再現したセットの対岸に屋台のセットを組んで撮影された。



【2】萬平と世良の友情の証? 戦前の屋台ラーメン



 第2週に登場。福子と萬平が交際してから初めてのデートで訪れた屋台のラーメン。萬平の生い立ちなどを話した場所で、その後、萬平と世良(桐谷健太)が並んでラーメンを食べたのもここ。それから世良が「立花君の親友」と言い張る、長く続くふしぎな縁ができた。



 ラーメンは、中太ストレートではあるものの、【1】のラーメンに比べるとかん水が多めの黄色い麺になっていて、よりコシが強くなっていた。やはり煮干し・かつおだしベースだが、実はこの屋台、お酒も出しているという設定で、お酒と一緒に食べることを想定して動物系のだしを強めに、ちょっと濃いしょうゆ味にしていたという、観ているだけではわからないところまでこだわっていた。



【3】終戦直後、夫婦で分かち合った闇市の屋台ラーメン



 第5週に登場。戦後の混乱の中、なんとか食べていくために福子と萬平は根菜切断機を食料と交換するなど、親戚の家や闇市を回る。そんな時、闇市の屋台で2人で分けあって食べたのがこのラーメン。第17週、萬平がラーメンづくりを思い立った時、脳裏によぎったのはこの屋台に並ぶたくさんの人たちの姿と、このとき食べたラーメンの幸せな思い出だった。



 【1】で紹介した「呑楽」の店主が戦後の焼け野原で開いた屋台、という裏設定があるため、【1】とまったく同じ器を使っていた。当然、味も近いのだが「戦後の物資不足で調味料が手に入りにくい」という時代背景を反映し、やや薄味になっていたそう。具も入っていない。そのため、少しでもスープの味がよく麺にからむよう、ちぢれた麺を使っている。



【4】塩作りのきっかけになった泉大津の思い出の味 「清香軒」のラーメン



 第6週以降、泉大津編でひんぱんに登場。戦後、新天地の泉大津に移った福子と萬平。住居に残されていた大量の鉄板の使い方を考えていた萬平に、塩作りのヒントを与えたのがこの「清香軒」のラーメンだった。初めてみんなで作った塩のお祝いや、鈴(松坂慶子)の家出騒ぎなど、思い出が詰まっている。第10週に萬平以下、たちばな塩業の従業員が進駐軍に逮捕されてしまった時、福子たちを心配した清香軒の店主夫妻(阿南健治・久保田磨希)がラーメンを持ってきてくれたことも。



 これまでの3つのラーメンとは違い、塩ベースなのが特徴。塩不足で本来の味より薄くなっている、という話が萬平の塩作りのきっかけになる。中太ストレートの麺はこれまでよりものびにくいものを使用。19人もの大勢の出演者に同時に提供しなければならないため、のびにくい麺でなければ撮影のときにきれいに映らない、という収録上の都合もあり、この麺を選んだそう。器に中華どんぶりが使われたのもこれが初めて。



東京風や自家製麺、豚骨ラーメンも登場【5】鈍感な神部はガッツリ東京風がお好き? 大衆食堂「やまね」のラーメン



 第11週~第12週に登場。栄養食品「ダネイホン」の販路を拡大するため、萬平が東京に設立した「たちばな栄養食品販売会社」。東京に赴任した神部(瀬戸康史)は近所で見つけた大衆食堂「やまね」のラーメンの味に感動し、通うようになる。店員の谷村美代子(藤本泉)はひと目見たときから神部のことが気になってしかたないのだが、神部はまったく気づくことなく、最後に「ここのラーメン、おいしかったです」と伝えて泉大津に戻るのだった。



 東京が舞台の時に登場した唯一のラーメンということで、これまでのラーメンとは大きく違い、当時の東京で実際によく使われていたという中細のちぢれ麺を使用。浅草海苔(のり)をイメージし、初めて海苔をトッピング。ネギはこれまですべて青ネギだったのを、変化をつけるため白ネギにした。味も関東風にするため、しょうゆベースのかなりガッツリとしたスープに香味油の「鶏油(チーユ)」を加え、現代のラーメンに近いものに仕上げていた。



【6】萬平のラーメン研究第1弾、熊倉源三郎・人生のラーメン



 第17週に登場。ラーメンづくりを思い立った萬平はさまざまなラーメンを食べ歩いた。その最初の一杯がこれ。屋台の店主・熊倉源三郎(渋谷天外)が「そのラーメンにはワシの60年の人生が詰まっている」と、涙ながらに力説するのだが、味の分析に余念がない萬平は上の空。「ここのラーメンは家で作れますか?」と聞いて源三郎を怒らせてしまった。



 「60年の人生」が詰まった、ガッチリ、がんこなイメージを出すため、にぼしを強めに、さば・かつおのだしまで加えたガツンとくるしょうゆ味に。また「ワシが心を込めて打った」手打ち麺を再現するため、広里氏は自家製麺を出しているラーメン店にラーメンを食べにいき、「ドラマで使わせてほしい」と頼んで麺を買い付けて撮影に使用。かなり太めでコシも強く、ゆでるのにほかの麺の倍の時間がかかり、これまで作ったラーメンとはまったく違う食感になったそう。



【7】吉乃は無骨な人が好き? 無骨な豚骨の骨太ラーメン



 第19週に登場。吉乃(深川麻衣)が会社の同僚とランチで食べていたラーメン。ほかの2人は「どこの部の誰々さんが素敵」という話をしているのだが、話をふられた吉乃は「私は無骨な人が好き」とマイペースな発言。広里氏は、このシーンのラーメンもしょうゆ味にしようと考えていたそうだが、吉乃の「無骨」というせりふにヒントを得て急きょ味を変更。豚骨ベースに鶏がらを加え、しょうゆ味のかえしを入れたこってり味にした。麺は中細のたまご麺で味がよくからむものを使用。丸いどんぶりに輪切りにしたなると、なるべく丸い形のものを選んだチャーシュー、丸く結んだ結びみつばを加え、見栄えにも統一感が出るよう、気をつかったという。



■ふるさとの食にっぽんの食全国フェスティバル公式サイト

https://www.nhk.or.jp/event/furushoku/
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