「『99人の壁』に期待!」プロが語るテレビのこれまでとこれから

「『99人の壁』に期待!」プロが語るテレビのこれまでとこれから

イベントに潜入レポート!


2018年12月28日に下北沢のB&Bで開催されたイベント「2018年のテレビ、まるっと振り返ります~『めちゃイケ』『みなさん』の終了から『チコちゃん』『99人の壁』へーー。対する今年のドラマの鍵を握っていたのは!?」に潜入。昨年のテレビ番組の傾向と変遷から、テレビのこれからについてまで。テレビに詳しいプロたちの本音をレポートします!


■イベント出演者プロフィール


てれびのスキマ/戸部田誠

テレビっ子、ライター。「1989年のテレビっ子」(双葉社)、「笑福亭鶴瓶論」(新潮新書)、「全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方」(文藝春秋)などの著者も多く、全録態勢で日々テレビを見続けている。



西森路代

地元テレビ局に勤務後、現在はフリーライターとして活躍。「演じるヒト演じないトキ」(TVBros.)、「名シーンのミカタ」(マイナビニュース)、「テレビのおとも」(朝日新聞)など多くの連載を持つ。



井上マサキ

ライター。「エキレビ!」(エキサイト)、「Muscat」(フジテレビ)などでテレビ番組レビューやインタビューを担当。2018年夏には路線図マニアとしてクイズ番組『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』でグランドスラムを達成。



佐久間宣行

テレビ東京プロデューサー。『ゴッドタン』、『青春高校3年C組』などを手がける。




写真左から)井上さん、戸部田さん、佐久間さん、西森さん


■『みなさん』と『めちゃイケ』はまったく別の終わり方


戸部田 今年(2018年)といえば、『とんねるずのみなさんのおかげでした』と『めちゃ×2イケてるッ!』が終わったことが大きいかと。



佐久間 平成の終わりとシンクロする感じですよね。



井上 『みなさん』が特番なども含めて通算32年、『めちゃイケ』が22年続いたそう。すごいですね。



西森 ちょうど世代なので、始まったときのことも鮮明に覚えていますよね。クラスの男子が盛り上がっていたりして。



佐久間 『めちゃイケ』の前身の『とぶくすり』が始まったのが、高校生ぐらいだったかな。極楽とんぼの山本(圭壱)さんが、プロのシュートをゴールキーパーになって弾いたりしてて、とんねるず的なスポーツとお笑いが融合したすごいいいメンバーだなと思いましたね。



井上 『とぶくすり』のあとが『めちゃ×2モテたいッ!』で、その後『めちゃイケ』ですね。



佐久間 『みなさん』と『めちゃイケ』はまったく別の終わり方でしたよね。『みなさん』は総集編1時間、『めちゃイケ』は新作を5時間。



戸部田 終わらせ方、どう思いました?



井上 『みなさん』はうたばんの総集編で、最後「情けねぇ」を歌って。らしいと言えばらしいですよね。



西森 すごいメッセージ性がある感じでしたね。『めちゃイケ』は5時間見ごたえがあって。



佐久間 長寿番組としてくくられがちだけど、この2つはそもそも番組としても全然違いますけどね。『みなさん』はコントものから、一度スタッフが総入れ替えになって、ロケバラエティメインになって。

『めちゃイケ』は岡村(隆史)さんの休業があって新メンバーが入ったあと、総合演出の片岡飛鳥さんが出ていったりして、どんどん変わってる。



井上 『めちゃイケ』はちょうど新しい企画が出てきたあたりで終わってしまった感じもありますね。「遅刻総選挙」とかよかったですけどね。



戸部田 最後の1年ぐらいはおもしろかった。新しいことやろうとしてるなという感じがして。



佐久間 『めちゃイケ』は、あそこまでフォーマット化されたもので、時代とシンクロしたバラエティって他にないから、比較対象がないんですよね。普通は、10年ぐらいでトレンドが変わって途端にダサく感じるんですよ。演出の片岡さんの力量もあって随分長く時代にマッチしてた。だから、最後の方で、つまらなく感じる時期があったのも仕方ないんですよね。



西森 なるほど。でも最後は革新的な部分、「岡村オファーシリーズ」の三浦大知さんの会などを見ると、変わろうとしている部分が見られてよかったのでは。



佐久間 確かに、最後の1年のジャルジャルの立ち位置の変化で、僕もそう思いましたね。ジャルジャルは番組でお迎えするの難しいから。天才的なネタを作る人たちだから(笑)。


■『99人の壁』はすぐに数字が出なくても絶対続けて!


戸部田 今年(2018年)はやっぱり『99人の壁』の話をした方がいいと思うんですよね。



井上 あの……私、100万円取りました(会場拍手)ありがとうございます。レギュラー化する前、ギャラクシー賞を取った特番『99人の壁 夏の大花火』の回ですね。ジャンルは「路線図」でした。



戸部田 収録の雰囲気はどんな感じなんですか?



井上 めちゃくちゃ雰囲気いいですよ。佐藤二朗さんが出てくると、みんな「じろー!」って叫んだりして。



佐久間 クイズ好きはみんな支え合うもんね。クイズ好きとリアル脱出ゲーム好きは連帯感が強い(笑)。



戸部田 特に、最近は視聴者参加型のクイズ番組がほとんどないですからね。



井上 『99人の壁』のオーディションも大変みたいですけどね。僕の場合、路線図には詳しいけど、鉄道はそこまで深くは知らないんですよ。人によって詳しい範囲が違って。それをリサーチしてからクイズを用意するらしくて。



戸部田 この番組はクイズ作家の2トップがやってますからね。



井上 日高大介さんと矢野了平さんですね。



佐久間 僕も矢野さんと一緒に番組やってるんですけど、『99人の壁』の特番が始まるときに、矢野さんが地獄のようなスケジュールを送ってて。100人分のクイズ、1人5問出題で予備入れて7問、単純に800問のクイズを作ってるんですよ。でもルール上、700問ちょっとは無駄になるっていう!



井上 クイズって、作って裏取りをするのが時間がかかって大変なんですよね。



戸部田 だから、クイズ番組って実はすごくお金がかかる。



佐久間 企画、演出が若手の千葉悠矢さんなんだけど、クイズはよく知らないで、最初にルールだけ思いついちゃったんだって。これイケるじゃんと思って、クイズを作ったことないからって矢野さんに相談したら、「いやいや、これは800問作って、裏取りしなきゃいけないんだよ」と教えたら「え?裏取り?」って言ったらしい(笑)。



戸部田 しかも企画段階では1人10問だったんですよね。



佐久間 矢野さんはすごくて、打ち合わせでちょっとここにクイズが必要ですねってなると「じゃ、来週までに100問持ってきます~」って(笑)。すごい種類を持ってる。



井上 うちからちょっと荷物を持ってくるぐらいのテンションですね(笑)。



戸部田 『99人の壁』も、深夜時代は『カルトQ』よりだったのが、最近は少しわかりやすいクイズになっていますね。



佐久間 これ失礼なんだけど、絶対にいい番組じゃない?だけど簡単に数字を取る番組でもないと思う。どこまで続くか。フジテレビが革新的にこの時間帯に置いているならすごくいいなと思うんですけど。



井上 土曜のよる7時に。



西森 随分浅い時間ですよね。この時間帯の方がお金をかけられるとかあるんですか?



佐久間 それはあると思うんですよね。でもあの時間帯は大変だろうなとも思います。



戸部田 ゴールデンに移ってルールが変わらなかったのもよかったですよね。



井上 芸能人がやたら増えたりとか。そういうのが今後もないといいですよね。



西森 100万円がたくさん出るのももりあがりますね。かつてなら1000万をうやうやしく出していたけれど今どきだなと思いますね。



佐久間 意図を持ってこの時間帯でやっているならばすごくかっこいいと思うので、結果がなかなか出なくても続けてほしいですね。


■視聴率の指針も変わる? 2019年は過渡期中の過渡期


井上 2019年はどうなっていくんでしょうね?



戸部田 2018年は大きな番組が終わりましたよね。



佐久間 平成最後にふさわしく、いろんなものがちゃんと終わった。多分ですけど、視聴率の指針も少しずつ変わっていく雰囲気がありますよね。2019年は過渡期中の過渡期だと思います。それで来年オリンピックをはさんで、どうなっているか。テレビのルールがしっかり変わっていくとは思う。破滅に向かうか、おもしろい方に向かうかはわからないんですけど。



井上 一区切りついて、今後どうなるかですね。来年のこの時期に、またどうなったか話したいですね。



佐久間 僕、実は二徹の状態でフラフラでここにいるので、来年も実現するかどうか(笑)。



戸部田 ぜひお願いします(笑)。


構成・文=野々山幸(TAPE)


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