山口紗弥加「深夜の“参加型エンターテインメント”として愉しんで」

山口紗弥加「深夜の“参加型エンターテインメント”として愉しんで」

2日(土)『絶対正義』第5話





オトナの土ドラ『絶対正義』(毎週土曜日23時40分~24時35分)は山口紗弥加さん演じる、最恐のヒロイン・高規範子が正しすぎる“絶対正義”を振りかざし、友人たちが翻弄される心理サスペンス。明日2日に5話が放送されます。物語も後半に入り、第5話は範子や友人たちにとって重大な局面を迎えます。



怪演ぶりが話題の山口紗弥加さんにお話を伺いました。さらに原作者の秋吉理香子先生からのメッセージもご紹介します。


■範子は“正義”に救いを求めていた


――回を重ねるごとに、範子の存在や行動にとても考えさせられています。


範子の周りの人からすれば、法律的に正しいからこそ拒絶できない苦しさや、正しすぎて息が詰まるという恐ろしい存在でしょうね。範子の正義には人間的な優しさや、道徳的な配慮が一切ないので、とても窮屈。皆を苦しめてしまうんです。

範子は感情の引き出しがとても少ない人のように感じます。そのせいで、相手の心の揺れに気づかない。法律こそが唯一絶対の正義だと信じて疑わないから、それを判断基準とする自身の主張を押し付けてしまうのだと思います。

ただ、範子は母親に支配され続けてきた過去を持ち、自分で考え、選択するという自由が許されなかった。そして、その呪縛から逃れようとした結果、母親を死なせてしまったことがトラウマになっています。

母親が死んだのは、(信号無視という)ルールを破ったせい。法律を守らなかったから、母親は不幸になった。だから、法律を守れば母親のように不幸にはならない。母親が正しかったんだ、間違っていたのは私の方だったんだ…そこから、範子は法律にしがみつくようになったんだと思います。


――“正義”は、範子自身が救われる道だった。


私はそう思います。法律を守っていれば、法律が私を守ってくれる。安心、安全が保証されて、必ず幸せに導いてくれる。高校時代に出会い、“家族”と言ってくれた友人たちを範子は本当に大事に思っていて、失いたくないからこそ法律で守ろうとするんだと思うんです。だから範子にとって法律は、範子自身はもちろん、大事な家族である友人たちを守ってくれる“家”のようなものだったんじゃないかって。安心して暮らせる、安全な家。範子はそれを作りたかったんだと思います。





■チキンスープは、範子の気持ちが全て詰まっている


――征服ではなく、心から友人たちを守るための正義ですね。


常に正しくあることが幸せをもたらしてくれる。そう強く信じているからこその行動だと思います。


――正義を貫き、友人たちから感謝されたことで、範子がとてもいい笑顔をしたシーンが印象的でした。どういう風にイメージをされていましたか?


笑顔は範子の存在証明だと考えています。友人たちに「ありがとう」と感謝されることで、その感謝に対して「どういたしまして」の笑顔ではなくて、「ね、私が正しかったでしょう?」という範子の正しさが証明されたことへの歓喜の笑顔。範子は正義の権化であり、正義は範子自身だから。私の中ではりんどうのつぼみが胸の中で一瞬にして開花した、そんなイメージです(笑)。


――しかし、その“正義”に対して範子自身が少し迷っている部分も見られました。


範子は家族である友人たちを法的には正しい方法で幸せへ導いてあげている。でも時々、「私は間違ってない、よね…」と、自問していたんじゃないかとも想像できるんです。3話で初めて由美子に否定されて、4話の同窓会では矢沢さん(水橋研二)の言葉に珍しくムキになったり…自分でも気づかないうちに、ちょっとした違和感や、小さなハテナを少しずつ少しずつ拾い集めていて、範子の中に蓄積し続けているんじゃないか。出所のわからないモヤモヤが意味するものを理解できなくて、気持ちを測りかねているんじゃないかって。自分が信じる正義を否定されるということは、範子自身を否定されることだから、大混乱しているはずなんですよね。

範子がチキンスープを作るのは、友人たちの健康のためでもあるけれど、モヤモヤを払拭するためでもあって。自分でもよくわからない感情や、受け入れられない出来事までを、全部一緒に煮込んで、煮込んで……なんとか消化し、心を安定させようとしていたんじゃないでしょうか。範子の気持ちの全てが詰まったチキンスープは、範子自身の象徴なんだと思います。





■私にとっての正義は“誠実である”こと


――このドラマは5人の女性の中で、私はどの人物に共感できるのか?そういう見方もできると思いました。


そうなんです。それぞれの人の中に“正義”というものがしっかりあって、答えはひとつではないんですよね。どの正義が正しいかなんて、状況や背景にあるもので変わってきますし、その人の立場や状態によっては見方も変わるものだと思います。だから、正義はたくさんあって自然なんだと私は思います。

ただ、社会と共存していく中で、それぞれがそれぞれの正義を主張しているだけでは当然争いは起きますし、そうならないためにはどうしたらいいの?というところまでを、このドラマは広く訴えているように思えて。多様性もひとつのテーマで、色々な捉え方ができるのではと感じています。


――ちなみに山口さんの“正義”とは、どのようなことですか?


私にとっての正義は、“誠実である”ということですね。


――ルールを守って生きていくのが範子ですが、自分だけの決まりごと、マイルールみたいなものはありますか?


いま続けていることは、朝起きて歯磨きをした後に、お白湯を飲むことです。また、範子の台詞で、「健康な体にしか正しい心は宿らない…」(第2話)と言っていたことに通ずるのですが、私が少しアレルギー体質というのもあり、加工食品など、原材料がよくわからない食品はできるだけ口にしないことに決めています。

ただ、年に1回か2回、「今日は特別にOK!」という日があって、今年の1回目は、『絶対正義』の高崎ロケからの帰りの車内でカップラーメンを……1話の冒頭、車に轢かれるシーンで冷えた地面に寝転がっていたら、どうしても食べたくなって。口福をとるか、ストレスを抱えるかで悩んだあげく、口福を(笑)。体のことだけを考えるとアレルギー食材は食べないほうがいいに決まっていますが、我慢のストレスが体に悪影響を及ぼすこともありますから、そこはアレルギーのお薬を上手に使いながら、心と体のバランスを取るように心掛けています。心身ともに健康的で心地よい状態をキープしつつ、いつも新鮮な気持ちでいたいから、ルールは作り過ぎないように……その時々の変化を楽しむ。それが私のマイルールかもしれないです。


――範子のようなルールに一直線、だけではないのですね。


でも、一直線なときは、自分でも驚くほどに一直線なんです。仕事に関して言えば、睡眠不足でも意外とイケます。これは趣味の編み物にも言えることで、集中してたら眠気を忘れちゃうんですよね。食欲も無視してしまったり……でもそれはさすがに体に良くないので、やはりバランスは大切にしなきゃですね、はい(笑)。


――物語も後半になり、友人たちだけでなく範子の家族も気になりますし、特に娘の律子(白石聖)さんとの展開も楽しみです。


断言します。律子、大活躍です!期待してください!





――視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。


深夜の“参加型”エンターテイメントとして、この作品を愉しんでいただけたら本望です!女同士の心理戦を誰の視点から観るか。きっと、ご自身の人間性が見えてくるはずです。人生の、そして人間というものの真実面を覗くことができるドラマだと思います。

正義が生むもの、もたらすものは、何なのか……

“正義”というものについても、思いを馳せていただけたなら幸いです。


■秋吉理香子先生からのメッセージ(「絶対正義」原作者)


「皆様の中にもきっと範子はいる」


ドラマ化のお話をいただいた時に、「範子はどうなるのかしら?」とやはり気になりました。山口紗弥加さんの範子姿のお写真を初めて拝見した時に、「範子のイメージぴったりにしてくださって…」と感動いたしました。そして映像ではまさに“範子登場!”という感じで、写真から何倍にも迫力が増していて、初回を観た時には本当に鳥肌が立ちました。立ち姿だけで存在感を出されている山口さんはやはり凄いと感じました。

5人の中の誰かには絶対に共感できるキャラクターはいると思いますし、かつ、皆様の中にもきっと範子はいるよということに気づいていただきたいと思います。“私にも範子いた!”と面白がっていただきたいという願いがあります。

いち視聴者として拝見しますと、“正義とは何か”というテーマではありながら、堅苦しくなくキャッチーで、お洒落にスタイリッシュに描いていただいている新しいタイプのドラマだと思いましたので、広い世代の方にお楽しみいただければと思います。


◆オトナの土ドラ『絶対正義』第5話概要

範子(山口紗弥加)の狂気じみた正義感に翻弄される4人の親友たち。彼女たちは、範子の干渉によってそれぞれ大きく運命を歪められていた。



麗香(田中みな実)は恋人の亮治(神尾佑)から「一緒に未来を歩みたい」と告白されるが、子供が成人するまで関係を黙っておきたいと告げられる。でも範子が子供たちに真実を告げかねない…。

不妊治療で悩む理穂(片瀬那奈)は、夫・ジョーイ(厚切りジェイソン)が範子の卵子と自分の精子で受精卵を作ると言い出したことに愕然としていた…。

由美子(美村里江)は、虐待の疑いをかけられたせいで相変わらず離婚調停の不利が続いていた。範子がいる限りこの状況は変わらない…。

和樹(桜井ユキ)は、竹下賞受賞作は違法な取材で書かれたと範子に告発されたせいで、ジャーナリスト生命が断たれそうになっていた…。



なぜ、範子はそれほどまでに容赦なく4人を正し続けるのか?

そもそも、範子はなぜ4人を再び集めたのか?

全ての謎が明らかに!!その時、由美子たちは――

範子の夫・啓介(堀部圭亮)の事情も複雑に絡まり、

物語は前代未聞の第2章へ!!


■番組情報


オトナの土ドラ『絶対正義』


<放送日時>



毎週土曜23時40分~24時35分 


<出演者>



山口紗弥加

美村里江

片瀬那奈

桜井ユキ

田中みな実



白石聖

桜田ひより

小野莉奈

小向なる

飯田祐真

忍成修吾

神尾佑

水橋研二

厚切りジェイソン




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