『ルパンの娘』広報マン語るPR戦略「“振り切った感”を前面に」

『ルパンの娘』広報マン語るPR戦略「“振り切った感”を前面に」

毎週(木)22時~『ルパンの娘』





深田恭子を主演に、泥棒と刑事の禁断の恋を描く『ルパンの娘』。次々と登場する個性あふれる濃いキャラクター、突然、始まるミュージカル演出など、クセになる仕掛けで視聴者を魅了している。

マスカットでは、そんな作品をより多くの人へと届けるために働く広報マンに注目。何を考え、どんな仕事をしているのか?『ルパンの娘』のチーフ広報担当・瀬田裕幸に話を聞いた。


ポスターはビジュアルだけで勝負できる自信があった


Q.最初にこの作品のコンセプトを聞いた時の印象を教えてください。

瀬田)企画を聞いてから原作を読みましたが、内容はもちろんのこと、今フジテレビでコメディを撮らせたら一番の武内(英樹)が演出を担当するということもあり、きっと面白い作品になるという予感がありました。ただ、最初から爆発的な視聴率が取れるというよりは、口コミで徐々に評判が広がっていくパターンのドラマになるのではと感じていました。

Q.そこで、どのようにPRしていきたいと思いましたか?

瀬田)ドラマにはいろんなパターンがあるのですが、本作はプロデューサーの稲葉(直人)がポスターや音楽に関する明確なビジュアルを最初から持っていました。例えば、ポスターではキャストが泥棒スーツを着て、『ドラゴンボール』のギニュー特戦隊のようなポーズをとっていますが、これは稲葉のイメージから出来上がったものなんです。

ポスターを見てもお分かりかと思いますが、とにかく本作は“振り切った感”が非常に強い作品。それを前面に押し出して宣伝展開できたらと考えていました。




『ドラゴンボール』のギニュー特戦隊のようなポーズを、とイメージして作られたポスター


Q.主演の深田恭子さんと瀬戸康史さんが夏らしい浴衣姿で登場した制作発表は印象的でした。

瀬田)実は、泥棒スーツで登場していただく案もあったんですが、制作発表の日が七夕だったこともあり、取材していただくマスコミのみなさんにも喜んでいただきたく、劇中で恋人同士を演じている深田さんと瀬戸さんに浴衣を着ていただきました。

その演出や調整も広報担当の仕事です。制作発表は「このキャストを呼んで、この日にやりたい」という広報的な理想もありますが、撮影のスケジュールや各事務所で情報を出せるタイミングも変わってくるので、調整が必要になります。今回は“Lの一族”全員にお集まりいただくことは難しかったのですが、キャストそれぞれの七夕の願いを聞くなど終始楽しい会見になったかなと思っています。




七夕に行われた制作発表は浴衣で


Q.『ルパンの娘』の広告に関する瀬田さん自身のこだわりは?

瀬田)個人的に電車通勤中はタブレットに集中してしまって、中吊り広告やポスターなど“動かない媒体”はあまり目に入ってこないんです。広報マンでありながら、お恥ずかしいですが(苦笑)。ですからいつもはサイネージ(電子看板)などの動く媒体を中心に展開することが多いです。

ただ『ルパンの娘』のポスタービジュアルは、イメージの段階から面白くなることは想像できていましたし、そのビジュアルだけで勝負ができる自信があったので、個人的にはあまり購入しない、渋谷や大宮の大型ポスター看板を押さえました。あとは、最初にお話ししましたが、口コミで評判が広がるパターンのドラマだと感じていましたので、放送終了まで長い期間掲出できるサイネージなどを意識的に選んでいます。


ベタな発想から生まれる公式グッズ


Q.番組公式のグッズ展開も面白いですね。どんなふうに考えているのですか?

瀬田)言うまでもなく、SNS上で盛り上がることが今は一つの重要なファクターになっています。だから、いかに視聴者の方が「面白いね」と言って発信してくれるものを作れるかをいつも考えています。でも、僕はベタな発想しかできない人間なので、1人で考えても思いつくものは微々たるもの。そこで毎回、代理店さんを始め色々な人と話してお知恵をお借りしています。

今回は、「俺のBakery」さんとタイアップをして『俺の“るパン”』を制作しました。完全にダジャレですが(笑)。この作品はコメディなので、ダジャレも問題ないかな、と。「俺のBakery」さんが企画を面白がってくださり、パン生地に練り込む赤ワインにもこわだってくださった。本当にありがたかったですね。




「俺のBakery」とタイアップした「俺の“るパン”」


~マスカット編集部「俺のBakery」取材メモ~


まずパン職人(ブーランジェ)が深田恭子の泥棒スーツのパープルっぽいイメージでパン作りを始めたという。最初、ドラマの名前にちなんで、フランスの「シャトー・ル・パン」という高級ワインを使いたい!と思ったそうだが、ウン十万円もするということで断念。しかしソムリエはあきらめず、その味に近いワインを探し出し、何とか理想の味に近づけた。プルーンやカシスなどのドライフルーツも練り込まれた「俺のる・パン」は1斤1500円!とお店の中でも一番お高いパンとなったが、焼きたてはとにかく香りがすばらしく、お客さんからも好評だったという。

※現在は販売期間が終了している。




丁寧に1斤ずつ『ルパンの娘』の刻印を




焼きたてはお店に甘い香りが広がっていた


Q.今まで作ってきたドラマのグッズについても教えてください。

瀬田)他にも、これまで『SUITS/スーツ』(フジテレビ・18年秋)では「ミスターミニット」さんとタイアップしたオリジナルのシューケアを、『コンフィデンスマン・JP』(フジテレビ・18年春)は、お金のお話だったので1万円札のデザインをプリントしたタオルなどを作りました。映画ではタイアップでグッズを制作するということがよくありますが、連続ドラマはスポンサーの問題もあって、ある程度制限がかかってしまいます。でも、広報担当としてはできることはやりたいと思うので、いつもやれる範囲内でできることがないかを探しています。




左上から時計回り)『大奥』では“ドロドロ劇”にちなんで泥パック、『コンフィデンスマンJP』では一万円札がプリントされたミニタオル、『IPPON GP』では花粉の時期だったので目立つマスク、『SUITS/スーツ』ではコラボの靴墨




『コンフィデンスマンJP』ではお札にキャストの顔が浮かび上がっている中吊り広告も!


もし失敗しても…自分自身も面白がれるものを!


Q.瀬田さん自身の広報・PRの仕事へのこだわり、楽しさはどこにありますか?

番組をPRするうえで、“人と違ったことを”というこだわりはないのですが、自分自身も面白がれるものがいいなという思いはあります。もしPR自体に失敗したとしても笑い話になりますから。毎回同じ予算を使うなら、一つでも爪痕を残せるようにと意識しています。

ドラマの広報を担当し始めて約10年が経ちました。ドラマは3ヵ月ごとに作品が始まって、終わっていくということを繰り返しているので、その分、すごくたくさんの人と出会うことができますし、それがドラマの広報担当の醍醐味だと思います。


番組概要


木曜劇場 『ルパンの娘』


<放送>


毎週木曜22時~


<出演者>


深田恭子、瀬戸康史、小沢真珠、栗原 類、どんぐり、藤岡 弘、(特別出演)、
加藤 諒、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、麿 赤兒、渡部篤郎 他

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