山崎賢人、吉沢亮らを輩出『水球ヤンキース』生みの親が語る「伝説はまだ途中」

山崎賢人、吉沢亮らを輩出『水球ヤンキース』生みの親が語る「伝説はまだ途中」

 出演した若手俳優たちが次々とブレイクし、役者として次のステージへの飛躍が期待さ れている“伝説”のドラマがある。2014年7月期にフジテレ系土ドラ枠(土曜午後11時台)で 放送されていた『水球ヤンキース』だ。



【写真】引き締まったボディ!『水球ヤンキース』出演時の山崎賢人、吉沢亮ら



 高校の水球部を舞台にした青春群像劇。男気あふれるヤンキー男子高生・稲葉尚弥(中島裕翔)と、上昇志向のない“マイルドヤンキー”の三船龍二(山崎賢人)がぶつかり合いながらも水球に打ち込んでいく姿を描いた。



 主演のHey! Say! JUMP・中島裕翔(26)と、山崎賢人(24)が早々にブレイクしたのに続いて、『水球~』でチームメイトを演じた吉沢亮(25)、中川大志(21)、千葉雄大(30)、間宮祥太朗(26)、矢本悠馬(28)、ヒロインを演じた大原櫻子(23)、ドラマ初出演だった橋本環奈(20)らの躍進がめざましい。



 吉沢亮は、18年に出演した映画8本が公開され、今年も山崎賢人と共演した映画『キングダム』が大ヒット。放送中の『なつぞら』(NHK)で連続テレビ小説初出演を果たした。待機作に映画『空の青さを知る人よ』(10月11日公開)、『さくら』(2020年初 夏)、『一度死んでみた(仮)』(20年夏)がある。



 中川大志も『なつぞら』に出演中で、ヒロインの夫・坂場一久役で注目を集める。10月期のドラマ『G線上のあなたと私』(TBS)も決まっている。千葉はBSプレミアム『盤上の向日葵』(9月8日スタート)でNHKの連続ドラマに初主演する。間宮は、7月期のドラマ『べしゃり暮らし』に主演。大原も7月期のドラマ『びしょ濡れ 探偵 水野羽衣』に主演。矢本は『べしゃり暮らし』『びしょ濡れ探偵』の両方に出演中だ。



 橋本は今年公開の出演映画が4本、『十二人の死にたい子どもたち』『キングダム』『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(ヒロイン/9月6日公開)、『午前0時、キスしに来てよ』(主演/12月6日公開)、『シグナル100』(主演/2020年1月24日公開予定)と目白押しだ。



 『水球~』にはほかに、新川優愛、筧美和子、佐野ひなこ、鈴木伸之らが出演していた。



■藤野プロデューサー、6月末でフジテレビを退社していた



 期待の若手が期待どおりスターになって輝いていく、伝説のドラマはいかにして生まれ たのか。『水球ヤンキース』のプロデューサーとして、キャスティングの鍵を握っていた藤野良太氏に、当時のことを振り返ってもらった。



 と、ここで衝撃の事実が。藤野氏、6月末でフジテレビを退社していたのだ。フジテレビでは、『水球ヤンキース』のほか、月9の『恋仲』、『好きな人がいること』、木10(木曜劇場)の『刑事ゆがみ』『グッド・ドクター』などを手掛けた。独立して「storyboard」という会社を立ち上げ、フリーランスのプロデューサーとしてドラマや映画などの映像制作や、企業の要望にクリエイティブで応えていくという。



――改めて、『水球ヤンキース』の出演者が活躍している現状をどう思っていますか?



【藤野】とても嬉しいです。でも、水球メンバーは当時からみんな華と個性がありましたら、ある意味必然だとも思っています。当時、キャスティングが全員決まった時に、スタッフが「将来、伝説のドラマになる」と言ってくれたのが印象に残ってます。キャスティングは、ほぼ”ひと目惚れ”で決めていますね(笑)。



――ひと目惚れというのは?



【藤野】例えば、山崎賢人くんと大原櫻子さんは映画の予告編をたまたまみた時に、ひと目見て、”絶対に輝く”と思いました。すぐにマネジメントに連絡して会わせてもらいました。吉沢亮くんや中川大志くんの場合は、マネージャーが連れてきてくれて、一緒にお茶を飲んだのが最初だと思います。間宮祥太朗くんはプロフィール写真のインパクトで”ひと目惚れ”しました。「俺を使え!」と語りかけているような気がしたんです(笑)。当時、僕が恵まれていたのは、プロデューサーとして若手だったので、若いアーティストたちをマネジメントサイドがどんどん連れてきて紹介してくれたんですよね。華と個性がある人は、一眼会っただけで、記憶に残るので、そういう子たちを『水球ヤンキース』で組み合わせたという感じです。



■芸能界にはスターが生まれる周期がある



――記憶に残った若手の中に、吉沢さんや中川さんらがいたということですね?



【藤野】そうですね。エンターテイメントの世界は、ドラマからスターが生まれる周期があると思うんです。『ロングバケーション』(1996年)の木村拓哉さん(46)や『ビーチボーイズ』(97年)の反町隆史さん(45)、竹野内豊さん(48)が一世を風靡(ふうび)すると、しばらくスターにオファーが殺到する。そうすると近しい世代のアーティストの露出機会は極端に減ってしまいます。でも、時代は新しい景色を見せてくれる新しいスターをいつで も求めています。



 映画『ウォーターボーイズ』(2001年)の妻夫木聡さん(38)、玉木宏さん(39)、ドラマ版(03年)の山田孝之さん(35)、森山未來さん(34)、瑛太さん(36)などがブレイクして、『花より男子』(05年)の松本潤さん(35)、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(07年)の生田斗真さん(34)、その両方に出ていた小栗旬さん(36)が続いて。その後、またちょっと時代が経過して、佐藤健さん(30)、三浦春馬さん(29)、岡田将生さん(29)が登場してきて。



 そこから5年くらい、ネクストブレイクの子たちが集結しているドラマがなかったので、 チャンスだと思っていました。当時は、”原石”がたくさんいるのはわかっていたので、タイミングを伺っていました。その子たちを集めたら、面白いドラマが作れる、と自信を持って制作したのが『水球ヤンキース』です。



――藤野さんも『水球ヤンキース』は伝説のドラマだと思っていますか?



【藤野】若い視聴者は熱狂してくれましたし、話題にもなりましたが、視聴率の面では良い結果を取ることができなったので、プロデューサーとしては責任を感じています。でも、 2014年の夏は本当に楽しかった(笑)。スタッフも一丸となって、面白いドラマを作ろうと思って本気で取り組みましたし、キャストもみんな本気で作品と向き合って、全力で役を演じてくれました。本当に熱い青春の夏だったんですよね。だから、今でもあの夏を戦った経験が絆となってみんなを繋いでいると思います。オールアップでみんながワンワン泣いていた姿が忘れられません。



 オールアップの時に、「この世界で生き残って、また会おう。お互いサバイブして、また面白いものを一緒に作ろう」とみんなに言いました。あれから5年。みんなこの世界でサバイブしていると思います。でも、誰一人、今の状況に満足していないと思いますよ。まだまだ、彼らは伝説の途中にいます。これからじゃないですか? もっともっと高く飛べると思うし、彼ら自身が一番そう思っていると思います。もっともっと輝いて、『水球ヤンキース』を本当の意味で伝説のドラマにしてほしいです(笑)。



■若い視聴者を熱狂させる作品を生み出したい



――『水球ヤンキース』のキャストと親交はあるのですか?



【藤野】たまに、それぞれのキャストと会いますよ。近況報告しあったりします。『水球ヤンキース』の頃は、みんな食べざかりで焼き肉を食べに行くと、ものすごい量を食べるから、お財布が痛かったんですけど、最近はみんな大人になって、お酒も飲めるようになったので、食べる量はだいぶ落ち着いてきて助かっています(笑)。『水球ヤンキース』の後も、みんなそれぞれの現場で戦って成長していますよね。そのたびに魅力が出て、輝いて、次につながって。それを積み重ねている感じがします。彼らを見ていると僕も負けないように頑張ろうと思えます。彼らから「一緒にやりたい」と思ってもらえるプロデューサーでないといけない。僕自身、彼らに負けないスピードでもっと成長しなければ、と思っています。



――『水球ヤンキース』のような、原石がゴロゴロいる新しいドラマを視聴者も渇望していると思います。



【藤野】あれから5年ですからね。そろそろまた若い視聴者を熱狂させる作品をプロデュースしてみたいですね。今、10代・20代前半の可能性のある若手はたくさんいると思っています。ただ、『水球ヤンキース』が放送されていた時とは、時代が大きく違います。映像コンテンツを取り巻く環境が激変している中で、細分化された世界の限定的なスターではなく、それらを凌駕し、横断できるスターをどう作っていくか、というのは今後の大きな課題だと思う。むしろ日本を飛び出して、アジアでいかに勝負していくかという時代になっていると思います。そういうスターを生み出すことができるのも、ドラマや映画などの動画コンテンツだと思うので、次代を担うスターが飛び出していく作品にも果敢に挑戦していきたいと思っています。
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