「かっこいいは作れる」細矢義明氏×Youtuber“える”対談 キーワードは共感・愛着・信頼

「かっこいいは作れる」細矢義明氏×Youtuber“える”対談 キーワードは共感・愛着・信頼

 恋愛心理学をテーマに動画を投稿しているYouTuber “仮メンタリストえる” と、後に業界シェアNO.2となる大手ホストグループを20歳で作り、そのナレッジやアセットを活用した株式会社Leading Communicationを新しく創設した細矢義明氏が、今後、同社の軸となる「かっこいいは作れる」について、今後の展望とあわせて語った。



【写真】YouTuber・Lと社長 対談の様子



――「かっこいいは作れる」という軸で事業を展開されるということで、細矢さんが作るかっこいいって具体的にどんなものなのでしょうか?



【細矢氏】たとえばイケメンだけど中身がないというような、顔だけのかっこよさはあまり意味がないと思ってます。かっこいいには、外見的かっこよさと内面的かっこよさがあり、必ずしもイケメンがイコールではありません。「かっこいい」の定義は、女性からだけではなく男性からも、その人の価値観に共感・リスペクトを得ているということだと考えています。



外見的かっこよさも大事ですが、それはあくまでも興味を持ってもらえる入り口でしかないと思っていて、ホストの経営時代にも、従業員に大事なのは内面ということをカスタマージャーニーから得た知見として伝えていました。



【える】そのマインドいいですよね、僕も全く一緒の考えです。「結局イケメンはモテない」という動画を出したんですが、その中でも顔だけイケメンがモテているわけではなく、入り口として顔があるだけで、そこからちゃんと女性をエスコートするなど女性の気を遣うことを知ってから、やっと初めてモテる人になっていく、ということを言っていました。



そういえば、顔はそこまでかっこよくないんですが、プログラミング講師をしている僕の友人が好きな子ができたんですよ。その好きな女の子はプログラミングができなくて、その子に彼は無償で教え続けていたんですよ。

その中で教える以外にもコミュニケーションが生まれて、徐々に信頼関係を築いて最終的には付き合ったんですけど。その好きだった女の子が、めちゃくちゃ可愛いんですよ。顔の大きさなんてハムスターじゃないか?ってくらい(笑)「え?お前があの子と?ありえないありえない!」って。でもそんなカップルが生まれたときに、やっぱり顔だけじゃないんだよな、と思いました。



【細矢氏】面白いですね。かっこいいということが必ずしも先天的なものではないとすると「かっこいいは作れる」と言えますし、その「かっこいい」に至るには、共感・信頼・愛着の3つのステップが必要だと考えています。



具体的には、まず「この人を知りたい」と思ってくれないと進まないので前提として(努力できる)外見的な側面はあって。そこから会話を通して中身を知り共感度を高めていくと、その人に対する特別な感情が生まれる。それは共感が愛着に変わるプロセスなんですよね。それを積み重ねていくと、やがて信頼も生まれる。ここで初めて本当の「かっこいい」になるんです。

そしてこれは恋愛に限らずファンがつくプロセスも同じで、このステップを多くの人に踏んでもらうことで信頼ができて、コミュニティが生まれるんです。そう考えてみても、やはり内面的なかっこよさって大事ですよね。



【える】とても共感します!中身がかっこよすぎて、もはや顔もかっこよく見えてくるという(笑)、かっこいいと思う受け手側のバイアスってあるんですよね。それは心理学的にも言えることで、その人のことをイケメンと思い込むと、イケメンだから中身もいいだろうと思って接する。逆にそこで中身がないと残念になってしまって。



今の話でいうと、最初は顔じゃなかったとしても、中身をたくさん知って、中身が最高にかっこいい!となった状態で顔を見ると、どうしてもかっこいい方に考えたくなっちゃうんですよね。だから結局、中身さえ良ければ、顔の印象なんて実はいくらでも変化させられるんですよね。



細矢義明氏「抱いてもらった愛着をもとにコミュニティでの信頼を高めていく」



――「かっこいいは作れる」とコミュニティは密接な関係にある、ということですが、以前にホストでも一人でお客さんにつくよりも、ヘルプと一緒にお客さんについて接客することでコミュニティを作る方が売れる、というお話を聞いたことがあるのですが。



【細矢氏】ホストクラブは一対一のコミュニケーションが発生してそこでマネタイズするというより、その人が作るコミュニティに価値があって、そのコミュニティに属したいというお客様との関係性で築いていくビジネスなんですよね。僕たちは先ほどの興味~信頼までの理論を基に4回目の来店までに常連化させる手順を明確化しているのですが、その中でコミュニティに属させることを意識しているんです。



たとえばA君を指名した女性がいて。4回目来店までにA君とお客様だけで会話を築いていると、その後はほぼ来なくなってしまうんです。それを、「興味ステップ」の1回目はA君をもっと知りたいという気持ちを持たせて次に繋げる。ここは顔だけ良い、というだけでもクリアはできますね。「共感ステップ」の2回目は、たとえばストレス解消の場なのか、ドキドキしたいのか、などお客様のニーズをイメージする。「愛着ステップ」の3回目では、お客様のニーズを満たした空気感を作り、ヘルプも含めた「その場にいる」ことに対する特別感・安心感を持ってもらう。これが、常連化に繋がるんです。一対一ではなくヘルプをつけ、三者の会話(=コミュニティ)にしていくステップが、常連、つまり長期的なファン作りには大切です。そして「信頼ステップ」の4回目では、抱いてもらった愛着をもとにコミュニティでの信頼を高めていくことになります。



【える】昔、ホストクラブ経営はチームプレイだといった話を聞いたことがあって。今お話を聞いて、そういうことかと思いました。コミュニティを作ることで長期的にお客様と付き合っていくんですね。

ビジネス的に考えても、一対一だと物理的にマックスの抱えられる数が決まってきてしまいますもんね。これを分散することで掛け算となって、一気に何十人も何百人も抱えられて、結果としてもお店全体の売り上げになって、さらにお客様の満足にも繋がるんですね。面白い!



【細矢氏】そうですね、まさにビジネスも同じです。最初は地道だと思うのですが、共感・愛着・信頼を長い目で繰り返していくとファンが増えて、そのファンが今度は第三者の口コミとしてたとえばその人やその人のプロダクトのことを話してくれる。そうすると自分で言うよりもすんなり聞いてもらえて、発信にも信頼が生まれるんです。共感〜信頼がぐるぐる回っていくイメージですね。こういったファンコミュニティの信頼感ができてくると、それは最終的にリスペクトに繋がります。



【える】面白いですね。たしかに売れているYouTuberというのも、視聴者同士でコミュニケーションが生まれていて、コミュニティができているんですよね。オフ会にもたくさんファンが来ていて、単に登録者が多いだけではなく、エンゲージメント、いわゆる濃いファンや質のいいファンがいる。結局そういうファンを作っていかないと、何十万人の登録者、という数字だけになってしまいます。

でも、僕はそういうのをされないんですよね。それこそファンと一対一の関係というか、知識にファンがついているんですよね。最初はそれが戦略だったのですが、次のステップとしては、濃いファンを増やしてコミュニティ作りをしたいなと思っています。フェーズでいうと僕は「愛着」のちょっと手前にいるかなといった感じですね。



【細矢氏】コミュニティ化した後に口コミで拡がっていくと、そのスピード感は爆発的なんですよね。



【える】そうですね、コミュニティがあると、そこにいるみんなが勝手に盛り上がってくれる感じですよね。何かに共感して集まって、集まった人同士もまた共感しあって。コミュニティに重きを置くのはビジネスにおいてもとても有効だと思います。



――たしかに、信頼できる第三者の意見ってとても大事ですよね。それでいうと、新しく女性視点のかっこよさを伝えるメンズメディアdanCe(ダンシー)をリリースされたとのことで詳しくお聞きしたいです。



【細矢氏】今の世の中では、男性は外見的なかっこよさにこだわりすぎていると感じますが、先ほどもお話しした通り、これでは本質的ではないと思うんです。

また外見的なかっこよさにこだわる男性側の深層心理を深掘ってみると、そこには女性からかっこよく見られたいという思いや、リスペクトされたいという承認欲求があります。でも「女性が思う男性のかっこいい」って、すぐに答えられる人は少ない。そこで、女性の思うかっこいいとは何かというのを可視化して、それを多くの男性に届け、本当の意味でかっこいい男性を増やしたい。またそうすることでかっこいいという概念の価値を高めたいと思っています。そうなると、ハイエンドな意味で男性が健全化するのではないのかなと思っています。もっと人に優しくなったり、夢を追求できたり。かっこいいに気付けて、リスペクトが多く生まれると、世界はより良くなるのかなと思います。そのような思いで、女性目線で外見・内面含めたかっこいいを伝えるメディアdanCe(ダンシー)を作りました。



【える】たしかにそれとてもいいなと思っていて、僕もYouTubeで伝える対象は男性に対してなので、自分論で伝えるんですね。もちろん根拠など用いて説明はするんですが、本当に使えるテクニックや気の使い方としても、結局自分の経験でしかなくて。でも実際はどうなの?って言われたときに、一番強いのは女性自身が発信することなんですよね。



僕の知り合いの女性YouTuberで心理学を語っている人がいて、最近、女性ってこう感じるんだ、と思ったことがありました。

動画内で僕は「共感や共通点を見つけるために一手段として、ラインを送るときに相手が絵文字をたくさん使うタイプだったら、自分も絵文字を入れて送りましょう」って言っていたんですね。これは大枠として間違ってはいないと思うのですが、あるときその女性YouTuberが「男で絵文字を使うのってキモい」って言っていて(笑)あ、まじか……って。これは女性じゃないとわからないなぁと気付きました。女性視点で、っていう切り口は今までないと思うので、すごくいいと思います。



【細矢氏】女性が思うかっこいいと、男性が思うかっこいいって、意外なほど違いますもんね。女性が語る男性の外見的かっこよさはより清潔感を重視している一方、男性が語る男性の外見的かっこよさは「このブランド着てるからこそかっこいい」など、世界観を重視していたりするじゃないですか。そのギャップを討論してみても面白いかなって思ったり。



――ありがとうございます!今後、”仮メンタリストえる” としての展開はいかがでしょうか?



【える】少し話変わっちゃうのですが……。YouTuberとしては登録者数30万人ということには満足しているんです。登録者数をこれからも伸ばすってよりも、どちらかというと、YouTuberを始めたい人や企業に対して、教える側に回ろうかなと考えています。登録者数を100万人、200万人とするのは時間と工数が相当かかるので、それなら登録者数10万人のYouTuberをたくさん作る方が、影響力で考えてもスピードが早いと思っています。コミュニティの話にも繋がるのですが、人が増えた方がよりいろんな人がミックスされて、いい世界観が作れるのではと考えています。



【細矢氏】いいですね!僕たちも今後、Fogg株式会社と共同で『toU』というファンコミュニティを軸としたコミュニティツールアプリアプリをローンチ予定で。現在のインフルエンサーってコミュニケーションが一方的になってしまって、熱量の測り方が難しいと思うんですよね。でも今後は、熱量の薄いマス化されているものよりも、クローズドだけど熱量の高いものに価値が生まれると思うんです。たとえば、声優業界や2.5次元や地下アイドル。メンズ市場においても、そういう熱量の高いファンがついている業界が熱狂的に盛り上がっているんです。

そして、熱狂度の高いファンコミュニティを持つことは、インフルエンサー側にもいい影響を与えると思っていて。



【える】と言いますと?



【細矢氏】仮メンタリストえるさんは、登録者が30万人いて、次の展開で100万人を目指すよりも新しいYouTuberを生み出していくという次のキャリアが作れていますよね。でも、インフルエンサーとしては有名になったけど、この先はどうしようと悩んでいる人はとても多いと思うんです。そこで数だけでなく熱量の強いファンコミュニティを持っていると、自分のやりたいことや、やれることの幅が変わってくると思うんです。そこをしっかり手助けしていきたいな、という気持ちがすごくあります。



【える】いいですね!死ぬほど共感します(笑)



【細矢氏】ありがとうございます。影響力の高い人がキャリア設計をできる仕組みをしっかり作っていきたいんですよね。実はホスト業界でもセカンドキャリアの課題はあるので、ファンコミュニティを作る、ということホスト業界にも適応できたらいいなと考えています。
カテゴリ