【ガンプラビフォーアフター】“ミハルの死”で一皮剥けたカイの表情がこだわり、『着ちゃった系』ガンプラの世界観とは

【ガンプラビフォーアフター】“ミハルの死”で一皮剥けたカイの表情がこだわり、『着ちゃった系』ガンプラの世界観とは

 1980年に誕生し、来年40周年を迎える『ガンプラ』は、多くのモデラーたちが「ガンプラは自由!」の精神の元、さまざまなジャンルの作品を世に送り出してきた。ここでは、SNS投稿した『着ちゃった系ガンプラ』が話題となった、カトウ コバン氏(@katocob0220)にインタビューを実施。本作に込めた意図と思いを聞いた。



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■着想のヒントは『マシーネンクリーガー』、他の人がやっていないことをやりたい



――ガンプラにハマったキッカケを教えてください。



【カトウ コバン】ボクが4、5歳の頃にガンプラブームがありまして、その頃って地元の小さなデパートでも「ガンダム展」みたいな催事をやっていたんです。そこで祖母に買ってもらった1/144 RX-78ガンダムがキッカケです。



――当時のガンプラブーム以降、約40年にわたってガンダム人気が続いています。その中で一番好きなシリーズは?



【カトウ コバン】正直に言いますと、ちゃんと観たのはファーストガンダムくらいなんです…なのでファーストガンダムが一番好きですね。



――なるほど、それでファーストガンダムに関わる作品が多いわけですね。その中でも、パイロットがモビルスーツを着ているかのような『着ちゃった系』ガンプラはアイデアがユニークですが、発想の出発点は?



【カトウ コバン】先ずは誰も見た事がない、作った事がない作品を作りたい!が始まりです。ガンプラは歴史が長いこともあって新しい作品は生まれづらいとは思います。自分は技術がないぶん、アイデアで勝負するしかないんですよね(笑) 。そんなこんなで悩みに悩んで生まれたのが『着ちゃった系』なんです。



――『着ちゃった系』のコンセプトはありますか?



【カトウ】モビルスーツの前にはパワードスーツで戦っていたのでは?と言うコンセプトでスタートしました。パイロットがモビルスーツを着るというアイデアはあまりなかったものだと思います。ファーストのキットを好むのはデザインがシンプルで表現しやすいと言うのが理由からですね。



――『機動戦士ガンダム』のモビルスーツデザインに影響を与えたといわれる、ロバート・A・ハインラインによるSF小説『宇宙の戦士』のパワードスーツのような印象を受けました。何か参考にした作品などはありますか?



【カトウ】ごめんなさい…『宇宙の戦士』の存在を知りませんでした(苦笑)。参考にしたのは『マシーネンクリーガー』(SFイラストレーター・横山宏氏による雑誌の連載企画)ですかね。『着ちゃった系』の一作目はジムを使って作りましたが、その名も“ジムーネン・クリーガー”でしたし(笑)。



■自分にしかできない“表現”をガンプラでしたい



――これまでに制作した『着ちゃった系』は何点ですか?



【カトウ】ジム、ズゴック、ガンキャノン、グフの4作品です。



――先ほど、初めて制作されたジムは『マシーネンクリーガー』を参考にされたとおっしゃいましたが、ズゴックに関してこだわった部分は?



【カトウ】モビルスーツの中に入っているシャアを想像して肩の位置、股の位置等をなるべく違和感がない様に調整し、全体的なバランスを重視しました。



――このズゴックからは、潜水服や宇宙服だと説明しても成立するようなSF的な説得力と存在感がありますね。



【カトウ】ありがとうございます。



――カイ・シデンのガンキャノンも秀逸です。ニヒルキャラのカイの性格がフィギュアで再現されている点も特徴です。



【カトウ】カイの表情には力を入れました。ガンダムシリーズ屈指のエピソードである「ミハルの死」(機動戦士ガンダム第28話「大西洋 血に染めて」)をとおして男として一皮剥けて強くなった…そんな想いで作ったのが本作のカイの表情です。



――4作品目はファーストガンダムに登場するジオン軍兵士、ランバ・ラルのグフです。こちらのポイントは?



【カトウ】前3作品の人物要素は顔だけでしたが、ラルの場合は胸の辺りまで見えるようにして、更にノーマルスーツを着てるところです。前作より“着ちゃった感”は増したと思います。あと顔は“若き日の血の気の多いラル”をイメージして制作しました。



――確かに、こちらの作品からは兵士が着る戦闘用スーツ、といった趣を感じます。これらの作品で特に気に入っているものをあげるなら?



【カトウ】全部です!どの作品にも思い入れがありますし、その時の持てる技術を注ぎ込んで真剣に作っていますから。



――『着ちゃった系』をSNSなどで発表してきて反響はいかがでしたか?



【カトウ】ボクの存在を知ってもらう機会になったようなので、そこそこ反響はあったのかなと思っています(笑)。



――こうして作品を見ると、次はどんな作品が来るのか楽しみにもなります。



【カトウ】実は、4作品目のグフで最後にしようと思っています。でも、気が向いたらアッガイでも作ろうかな。



――アッガイといえばジオン軍パイロット・アカハナが有名です。この組み合わせは楽しみです。最後に、カトウさんにとってガンプラとは?



【カトウ】“プラスチックの塊”。それが、作り手のアイデアによっては表現の手段になる。これからも、自分にしかできない“表現”をガンプラでしていきたいと思います。



(C)創通・サンライズ
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