漫画『彼方のアストラ』“SF論争”、作者が言及 批判に理解も「正しさの視点が違うということ」

漫画『彼方のアストラ』“SF論争”、作者が言及 批判に理解も「正しさの視点が違うということ」

 『マンガ大賞2019』を受賞し、現在アニメも放送中の漫画『彼方のアストラ』の作者・篠原健太氏が16日、ネットでの『彼方のアストラはSFとしてどうなんだ論議』について、自身の作品に対する趣旨などをツイッターで語った。



【写真】論争ついて説明した作者・篠原健太氏



 これは、宇宙を舞台にしたサバイバルが展開される同作のプロットついて、一部の読者やアニメ視聴者が「SF好きな人は見ない方がいい」「科学もセンスオブワンダーもミステリーもサバイバルもなかった」など、SF描写の不十分さをAmazonのレビューやSNSで述べたことが発端。中には日本のSF作品そのものの衰退を指摘する声まで上がったが、一方、同作をSFとして論じること自体を疑問視する意見も出るなど、議論が白熱している。



 単に漫画の感想をネット上で述べているだけで何も問題はないのだが、多くの反応があり、見かねた作者の篠原氏は自身のツイッターにて「ここ数日見かける『彼方のアストラはSFとしてどうなんだ論議』。仏の顔で静観してましたけどなかなか終息しないですね(笑)。論ずるだけ不毛だと思ってるのでなんだか申し訳なく思ってきちゃって…、余計だとは思いつつもちょっと一言」と投稿した。



 「レビューの言いたいことは正しいと思います。口調の悪さはありますが評論は自由であるべきです」と感想は自由だとしたうえで「むしろ肌の合わなそうな人にまで作品が届いてる事を嬉しくも思いました。その一方で僕は全ての項目に反論もできます。正しさの視点が違うということですね」と自身の見解を説明する流れに。



 具体的には「多くの項目で『それをやったらページ数かかるから』とか『そうしなかったから』としか言えないですよ。僕の作劇としては『より面白く、より短い方』が優先度が高いので、つまらないページが多くてもいいからガチでやれ勢とはそもそも優先度が違います」とし、「例えば彼らは無人探査機が取ってきたデータを持っています。人間に適して安全な成分の空気や食料が存在する惑星を選んで訪れてるので話がポンポン進みます。テンポのために都合のいい設定を作ってるのでご都合展開は当たり前で(笑)。描きたいものと読みたいものが違うとしか言いようがないわけです」と分析した。



 さらに「この作品はハードSFでも本格ミステリーでもなく少年漫画です。ドラえもんの道具みたいなのを出して皆でツッコむシーンを描きたいんだからガチ目線で見ればそりゃ噴飯ものですよ。あと今回のはアストラが合わなかった人がガチ勢の論法を使ってるだけなのでジャンルの衰退云々はそんなに関係ないかと」と語り「インタビューなどで繰り返し言ってるのですが、僕はこの漫画を子供たちに読んでほしいと思ってます。舞台装置としてだけのなんちゃってSFですが子供の入り口になってくれればとても嬉しい」と意図を訴えた。



 『彼方のアストラ』は、宇宙への往来が当たり前になった近未来で高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らだったが、予想外の事態が起きて宇宙で遭難してしまうSFサバイバルストーリー。連載は漫画アプリ『少年ジャンプ+』にて2017年12月に終了しており、テレビアニメが現在放送されている。
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