Mrs. GREEN APPLEが配信ブレイク 独特な“チーム感”も魅力 「アーティスト」軸でリスナー拡大

Mrs. GREEN APPLEが配信ブレイク 独特な“チーム感”も魅力 「アーティスト」軸でリスナー拡大

 人気ロックバンド・Mrs. GREEN APPLEのニューアルバム『Attitude』が初週2.7万枚を売り上げ、10/14付オリコン週間アルバムランキングで4位にランクイン。彼らにとって、シングル・アルバムを通じて自己最高売上を初週で記録した。近年、聴き放題型のストリーミングサービスでの人気を契機に、シーンを駆け上がるケースが増えており、あいみょんのブレイクも記憶に新しい。現在は、Official髭男dismも同様に、複数曲が各種ランキング上位に並び、再生回数、リスナー数を増やしている。そして、Mrs. GREEN APPLEもまた、ストリーミングサービスから、一段飛ばしのようなスピード感でステップアップを続ける存在となっている。



【写真】アグレッシブなパフォーマンスを披露するMrs. GREEN APPLE



■LINE MUSICではTOP100内に21曲が同時ランクイン



 今回リリースされたニューアルバム『Attitude』は、7thシングル「青と夏」(2018年公開 映画『青夏 きみに恋した30日』主題歌)、8thシングル「僕のこと」(第97回全国高校サッカー選手権大会 応援歌)、9thシングル「ロマンチシズム」(資生堂SEA BREEZE CMソング)、「How-to」(エアアジア CMソング)に加え、3ヶ月連続先行配信の第1弾「インフェルノ」(TVアニメ『炎炎ノ消防隊』オープニング主題歌)、第2弾「lovin’」(フジテレビ系『めざましどようび』テーマソング)などといった話題曲を収録。Mrs. GREEN APPLEの代表作ともいえる内容に仕上がった。



 先述したように現在、Mrs. GREEN APPLEの楽曲は、ストリーミングサービスで安定した強さを見せている。なかでも比較的若年層リスナーが多い印象のLINE MUSICでは、週間ウィークリーソングランキング(10月2日~10月8日)でTOP100内になんと21曲も同時ランクインしている。



 複数の楽曲がストリーミングでランキング上位にいる状況は、最新楽曲や、耳馴染みのあるヒット曲への興味関心だけでなく、「もっと彼らの音楽に触れてみたい」というリスナーの志向が強く表れた結果とも言える。つまり、「インフェルノ」「CHEERS」などの最新ヒット曲を中心としながらも、Mrs. GREEN APPLEの音楽性、活動スタイル、メンバーのキャラクターなどが浸透していることの証左であり、「ヒット曲」軸ではなく、「アーティスト」軸でのリスナーとの強いつながりを獲得していることは、今後のさらなる飛躍に結びつく可能性も高い。



■昨年開催の幕張メッセ国際展示場2days公演は即日ソールドアウト



 Mrs. GREEN APPLEは2013年4月に結成された5人組バンド。結成当時16歳だった大森元貴(Vo/G)が作詞・作曲・編曲のすべてを担当している。2015年2月に初の全国流通盤『Progressive』を発売し、7月にはEMI Recordsからミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。翌年1月にリリースされた1stフルアルバム『TWELVE』がオリコン週間アルバムランキングで10位にランクインするなど、徐々に注目を集めた。さらに、大型フェスへの出演も続き、2016年6月に発売された2ndシングル「サママ・フェスティバル!」は、夏フェスの定番ソングとして支持を得ている。



 その後は、2017年1月にセルフタイトルの2ndフルアルバム『Mrs. GREEN APPLE』を発売。ワンマンツアー「MGA MEET YOU TOUR」では、ファイナル公演を東京国際フォーラムホールAで開催。さらに、2018年4月には3rdアルバム「ENSEMBLE」を発売。全国ホールツアーのファイナル公演は、幕張メッセ国際展示場2daysで開催され、即日ソールドアウトを記録するなど、ライブの動員も右肩上がりだ。



■Official髭男dismとも共通する現代的なポップミュージック



 Mrs. GREEN APPLEの魅力を端的に言えば、質の高いポップセンスに裏打ちされたバンドサウンド、そして、等身大でリアルな思いが込められた歌詞だろう。



 まずはサウンドメイク。10代の頃からソングライター、アレンジャーとして際立ったセンスを発揮していた大森は、メジャーデビュー以降、その音楽性を大きく広げてきた。はじめてシングルランキングでTOP10入りした「サママ・フェスティバル!」は、ポップなギターロックを軸にしながら、ドラムンベースの要素を交えたビート、派手なシンセサウンドを加えることで、個性的な夏フェスソングに結びつけた。



 さらに、「WantedD!WantedD!」ではエレクトロ、オルタナR&Bのテイストを取り入れ、海外のトレンドとJ-POPとしての親しみやすさを融合したサウンドを実現。「Love me, Love you」ではホーンセクションを導入し、まるでミュージカルのテーマ曲のような世界を表現するなど、幅広い音楽性を備えているのだ。既存のバンドスタイルに捉われず、ブラックミュージック、EDMなどにも積極的にアプローチ。現代的なポップミュージックに結実させるこのバンドのセンスは、現在ブレイク中のOfficial髭男dismとも共通していると言えるだろう。



■独自の世界観を完成させるのは絶妙な“チーム感”



 また、大森自身の生々しい感情が反映された歌詞もMrs. GREEN APPLEの大きな訴求ポイント。たとえばアルバム『Attitude』のタイトル曲「Attitude」では、閉塞感のある現在の社会の雰囲気をトレースしながら、「“この世は腐ってなんかいない”とずっと歌っていきたい」という思いをストレートに歌い上げている。このような真摯なメッセージ性を通し、等身大の姿を伝えることで、リスナーとの強いエンゲージメントにつなげているのだ。楽曲を介し、アーティスト自身の生の声を発信するスタンスは、あいみょん、King Gnuなどにも通じている。



 さらに、バンドの中心は大森だが、決してワンマンバンドではなく、メンバーそれぞれの個性を活かしながら“チーム感”を打ち出していることもMrs. GREEN APPLEの魅力。センスの良いサウンド、メッセージ性の高い歌詞に、この“チーム感”が掛け合わされることで、初めて彼らの独自の世界観が構築される。



 年末から来年初めにかけて、初のアリーナツアーを開催するなど、ライブの規模も確実に拡大している。効果的なタイアップなどを通し、リスナーの層を広げることができれば、さらなるブレイクが期待できそうだ。



(文/森朋之)
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