【いだてん】第39回は孝蔵のメイン回 演出の大根仁氏「森山未來の芝居は絶品」

【いだてん】第39回は孝蔵のメイン回 演出の大根仁氏「森山未來の芝居は絶品」

 NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)は、きょう13日放送の第39回で第2部の“前半”が終了となる。“中締め”を任されたのは、第2部の主人公・田畑政治(阿部サダヲ)ではなく、もちろん第1部の主人公・金栗四三(中村勘九郎)でもなく、影の主人公ともいえる古今亭志ん生こと美濃部孝蔵(森山未來)。ほぼ全編、孝蔵の満州時代の話になっている。



【写真】ロケ中のオープンセット



 第1回、「小松」と名乗る青年(神木隆之介)が「志ん生の富久は絶品」と書いてある絵ハガキを手に、志ん生(ビートたけし)の家に現れた。その後、小松は弟子入りして「五りん」という高座名をもらう。第2部に入ってからは「オリンピック噺」で存在感を高めていった。これまでにちりばめれてきた伏線が、第39回で回収される。



 脳出血を起こして倒れるも、一命をとりとめた志ん生は、弟子の五りんに、戦争中に満州へ兵士たちの慰問興行に行った時のことを語りだす。三遊亭圓生(中村七之助)と共に満州を巡っていた孝蔵は、五りんの父・小松勝(仲野太賀)と出会っていた。



 勝が思わず絵ハガキに「絶品」と書いてしまうほど、“絶品”の「富久」を演じなければならなかったのは、孝蔵役の森山だ。



 「また無茶ぶりですよね(笑)。小松勝の伏線回収が主で、そこに志ん生の『富久』がのっかっている。でもその『富久』で僕は孝蔵として何か大きな到達点を迎えなきゃいけないんですけれど、そこにいたるまでの孝蔵の心境の変化はそこまで描写されていなくて。なんとかせえよ、おまえ、感がすごいです(笑)」(森山)。



 実際、「富久」のシーンは、森山の文字通りの“ひとり舞台”、独壇場だったよう。第39回の演出を担当したのは、ドラマ・映画『モテキ』や映画『バクマン。』、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などの演出、監督を務めてきた大根仁氏で、『モテキ』で主演を務めた森山とは昵懇の仲。



 それゆえの気恥ずかしさか、「未來のことはあまりほめたくない」と言いつつ、大根氏は「未來にはいつも放置プレイというか、細かい演出をするのが恥ずかしいので、よほどのことがなければ何も言わないのですが、どういう編集になるかの説明はしました。いやまあ最高の、いやそれこそ絶品でしたね」と、太鼓判を押す。



 さらに、「『富久』の前に圓生の『居残り佐平次』を撮ったのですが、七之助君が本当に素晴らしかったんですよね。エキストラのお客さんたちがガチでひき込まれている様子を見て、未來も火が点いたんじゃないかな(笑)」と、撮影時の様子を明かし、「未來のことはあまりほめたくないのですが、たまには言います。“森山未來の芝居は絶品”」。



 「富久」といえば、第13回、日本人が初めて出場したストックホルムオリンピックで、マラソンの金栗四三が、日射病で倒れ、途中棄権という結果に終わったレースを振り返り、失意の底から立ち上がり、再び走り出すまでを描いた第1部前半の節目の回でも、披露された。それは、孝蔵にとっての初高座。酔った状態で「富久」を演じ、こちらも完走できずに終わる。



 森山は「第13回の『富久』はやぶれかぶれで良かったですけれど、今回はそういう訳にはいかない。あそこが始まりだから。あそこからの成長というか到達点を、うまく見せられたら」と、撮影に臨んでいた。



 第39回の見どころについて、大根氏は「やはり、志ん生・圓生・勝、すなわち森山未來・中村七之助・仲野太賀の初共演とは思えぬ、俳優としてすべての相性がマッチした演技…いや、僕は途中から演技とは思えませんでした。僕は元々、男同士のいわゆる“バディもの”が大好きなのですが、男女の関係性とは違う、役者同士の間に独特の色気が漂うんですよね。圓生の『居残り佐平次』から志ん生の『富久』、そして勝がとったある行動という流れは、元々の宮藤官九郎さんの脚本も見事だったのですが、役者・演出・スタッフの『脚本を超える!!』という思いが一つになったシーンだと思います」と、話していた。



 脚本を超えるという点では、『いだてん』の撮影でおなじみのオープンセットに、終戦前後の満州・大連の街を再現し、エキストラを大量投入したロケにも、キャスト・スタッフの本気があふれていた。VFXの技術を使ってどのような映像に仕上げてくるのか、楽しみだ。
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