12年ぶりに再集結した『時効警察』、GP語る変わらない中の「進化」

12年ぶりに再集結した『時効警察』、GP語る変わらない中の「進化」

 主演のオダギリジョーや麻生久美子らが展開するシュールな世界観で人気を呼んだ『時効警察』が12年ぶりに復活。『時効警察はじめました』(テレビ朝日系/毎週金曜 後11:15~深0:15 ※一部地域を除く)としてスタートした。深夜ドラマながら第1シリーズ『時効警察』(06年1月期)は、最高視聴率12.1%を記録。第2シリーズ『帰ってきた時効警察』(07年4月期)も全話で2ケタ視聴率を獲得し、最高13.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)をマークするなど、記憶にも記録にも残る人気シリーズ。新作も好調な滑り出しを切りTwitterトレンドで1位を獲得するなど、大きな話題を呼んでいる。12年ぶりによる“変化”を、ゼネラルプロデューサーの横地郁英氏に聞いた。



【シーン写真】“親子役”磯村勇斗とふせえりが変顔対決?(18日放送の第2話より)



◆12年という年月は、再び集まるまでにちょうどいい時間だった



「終了後、視聴者から復活を望む声が多数寄せられたこともあり、何度か新シリーズの制作をトライしましたが、三木聡監督も主演のオダギリジョーさんも大切に、強い思い入れを持って取り組んでくださっていたからこそ、なかなか実現には至りませんでした。そんななか、今年、テレビ朝日が60周年を迎えるにあたり、社内から『この機会に時効警察を復活させてみては』という声が挙がったこともあり、再び三木監督やオダギリさん、ヒロインの麻生久美子さんにご相談したところ『今ならまた面白いものができるのでは』と、揃って快諾いただき制作が決定しました。もしかしたら、この12年という年月が、再び集まるまでにちょうどいい時間だったのかもしれません」



 本作は、オダギリ演じる風変わりな警察官・霧山修一朗が、麻生演じる交通課の三日月しずかの協力を得て、時効となった事件を「趣味」で捜査していくコメディミステリー。シュールな掛け合いや、随所に散りばめられた小ネタ、細部まで作り込まれた小道具やファッションなど、制作陣の徹底したこだわりがカルト的な人気を集めた。それは第3シリーズでも健在。10月11日の第1話放送後は、SNSに「何も変わっていない」「相変わらずで何より」など、根強い『時効警察』ファンからの感激コメントが多数挙がった。



「制作が決まった後、一昨年の暮れくらいに三木さん、オダギリさんと会い、内容を『ガラッと変えるのか』、『少しだけ変えるのか』、『全く変えないのか』を話し合いました。いろいろな案が出ましたが、どうしたら視聴者の皆さんに喜んでいただける面白い作品になるのかを話し合っていった結果、元に戻ったという感じでしょうか(笑)。三日月(麻生)がバツ1になっていたり、サネイエ(江口のりこ)が結婚して妊娠していたり、また、霧山が犯人に手渡す『誰にも言いませんよカード』がパワーアップしていたり。それぞれに変化はあるものの、キャラクターは変わっていない。でも、人ってそういうものですよね。セットはゼロから作り直しましたが、衣装は前のものが残っていて、皆さんにはそれを着ていただいています」



◆オダギリ&麻生のコメディセンスも進化、回によってはアドリブも



 良い意味で“変わらない”本作だが、オダギリ、麻生の“コメディセンス”は、12年の時を経てよりパワーアップしていると横地氏は語る。



「オダギリさん、麻生さんお二人のことを三木さんは『進化している(=より面白くなっている)』と評しています。『このセリフをこういう言い方するんだ』『このト書きがこんなに面白くなるんだ』と驚かされることが多々あります。現場では以前からアイデアをいただくことがありましたが、12年の時を経て精度が上がっているというか。回によっては多数アドリブが採用されていることもあります。視聴者の皆さんには、2人がセリフのない時の動きもぜひ観て欲しいですね。面白いけれどやりすぎない、でも意図に沿ったことをすごく細かく演じ、面白いコメディを作り上げてくれています」



 逆に前シリーズとあえて変えたこともある。それが吉岡里帆、磯村勇斗の投入だ。



「新人刑事役として女性を入れたいと考えたとき、吉岡さんしかいないと思いました。昨年に映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』で吉岡さんと組んだ三木さんから、素晴らしかったとお墨付きもありましたしね。磯村くんは、『今日から俺は!!』(日テレ系)や朝ドラの『ひよっこ』(NHK総合)を観ていて、いろんな色の役柄ができる俳優だと思い注目しており今回、声をかけさせていただきました。お2人からは良いスパイスをいただいています。ちなみに、吉岡さん演じる彩雲が『頑張ります!』と言いながら取る決めポーズは、吉岡さんが無意識に取ったものを採用させていただきました」



◆Twitterトレンドは連続で1位を獲得、SNS時代「いろんな形で楽しんで」



 12年の時を経て、世の中の変化と共に変えたこともある。



「12年前はSNSというものがほぼなく、“バズる”という言葉自体存在しませんでした。ですが、BBSをチェックするのが間に合わないくらい爆発的にコメントが届いて、ネットでも話題になったので“バズる”という言葉を聞くようになってからは、『時効警察』を今やっていたらきっとバズったんだろうな…と思い、うずうずしているところはありました(笑)。実際、放送を開始すると『ツイッターで突っ込みを入れながら観るのが最高だよね』との声をたくさんいただき、Twitterトレンドも連続で1位を獲得。今回はネットや配信を戦略的に活用していますので、ぜひいろんな形で作品を楽しんでいただきたいですね」



 俳優陣からの評価も高く、『どんな役でも出演したい』という声が複数寄せられたという本作。新時代に復活した『時効警察』がどのようなバズを起こしていくのか。今後の展開に期待したい。



文/河上いつ子



●横地郁英(よこち いくひで)

1992年にテレビ朝日に入局。情報局を経てドラマ制作部の所属となり、00年からプロデューサー。『OLヴィジュアル系』『嫉妬の香り』(01年)、『スカイハイ』(03年、04年)、『女帝』(07年)、『サラリーマン金太郎』(08年、10年)、『熱海の捜査官』(10年)、『都市伝説の女』(12、13年)、『アイムホーム 』(15年)、『奪い愛、冬』(17年)、『未解決の女』(18年)、『刑事ゼロ』(19年)など、数々の人気ドラマを送り出している。『時効警察』は、06年の第1シリーズからプロデュースを手がける。
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