白塗りメイクの闘病ギャグ漫画家 大腸摘出を経て叶えたい夢とは

白塗りメイクの闘病ギャグ漫画家 大腸摘出を経て叶えたい夢とは

 沖縄生まれ沖縄育ちの漫画家、島袋全優氏。彼女は、自身が抱える難病「潰瘍性大腸炎」を、『腸よ鼻よ』でギャグ漫画として描き、マンガアプリ「GANMA!」で連載している。入院のたびに休載をしつつも、niconicoとダ・ヴィンチ創設の「次にくるマンガ大賞2019」で『WEBマンガ部門』で3位を受賞。9月には単行本出版にまで至った。Twitterでは5万8000人を越えるフォロワーが、漫画、闘病生活も含め、島袋氏に日々エールを送っている。そこで、島袋氏には闘病しながらギャグ漫画を描き続ける理由を、二人三脚で爆走する編集担当には今後の展望を聞いた。



【漫画】夢見るティーンエイジャーだった島袋さんを襲った悲劇…闘病ギャグエッセイ漫画『腸よ鼻よ』1話



■閣下メイクで授賞式に参加「硬派な不良の気持ちが少しわかりました」



――『腸よ鼻よ』のWEBマンガ部門3位受賞、おめでとうございます! SNSでの反響も大きかったようですが、まず受賞の感想をお聞かせください。



【島袋全優】たくさん応援していただいてホントありがたいです。作品が有名になってくれるのは我が子が褒められているような気持ちがしますが、すごい照れるというか恥ずかしいというか、褒められるとぶっきらぼうな態度をとってしまう硬派な不良の気持ちが少しわかりました。



――作品とメイクのインパクトもあって授賞式が盛り上がりましたね。



【島袋全優】家族も知人も喜んでくれて、皆さんのお祝いのメッセージも嬉しい限りです。



――インパクト大な白塗りメイクをされていますが、なぜでしょうか?



【島袋全優】顔出しは気が進まないし、ハロウィンの時に個人的にデーモン小暮閣下のメイクをしていたのであの顔がいいと。



――閣下のファンだからメイクを真似て?



【島袋全優】ファンなのですが、私も10万歳生きたいという願掛けも込めて。他の白塗りメイクにも挑戦したいのですが、最近おしろいの減りが異様に早いです。増税前に買っておけばよかった…。



■つらさもキツさも笑いに変える並々ならぬ執念



――タレントの中川翔子さんがTwitterでおすすめをしていたり、各方面で話題を集めている『腸よ鼻よ』ですが、難病の実体験をギャグ漫画に描こうと思った理由を聞かせてください。



【島袋全優】もともとギャグ漫画化でデビューしたのもありますが、闘病をそのまま伝えても読んだ方は気を使っちゃうじゃないですか。つらいの描きたくないなと…。



――難病と闘病生活が、笑っていいのか躊躇してしまうくらいです…。病気発覚から、最新話では大腸全摘出までが描かれていますが、島袋さんにとって『腸よ鼻よ』はどんな存在なんでしょうか?



【島袋全優】こんなに話題にしていただいた作品は初めてだったので、本当に描けて良かったです。でも、やっぱり自分のことを赤裸々に描いている部分もあるので、たくさんの人に読まれると恥ずかしいのもあります。闘病がキツいピークの時も、絶対漫画のネタにしてやるって思ってたので並々ならぬ執念も込められてます。



――劇中の担当医や家族、友人などキャラ設定がユニークですね。ご本人たちからは、何か言われますか?



【島袋全優】実は、連絡が取れなかったり許可を得てない方は見た目を似せないようにしています。家族はめっちゃ似せてます。お医者さんたちはキャラデザからやっていますが、看護師のマタヨシさんとは普通に仲良しで「美女にしてくれ」と許可を取る時にリクエストされました。



■「こんくらい強く…強くなりてえなあ」担当者も魅了する強い生き方――今回は、『腸よ鼻よ』の編集担当さんにもお話を伺います。担当さんから見て、島袋さんの魅力はどんなところですか?



【担当】やはり1人の人間として、人柄が尊敬できる。その辺りが作風にも出ていると思います。私が人生初の手術に逃げ帰ってしまったことがあったので、あれ以来、いっそう島袋先生ってすごいなあと感じております。



――『腸よ鼻よ』に対してはどうでしょうか。



【担当】病気を笑いに変えるというだけではなく、絶対笑かしたるという確固たる信念と強さがある漫画です。ネームや原稿を読んでいると「こんくらい強く…強くなりてえなあ!」とよく思わされます。ある意味バトル漫画みたいですね…。



――たしかに、主人公が難病に明るく立ち向かう姿を見ると、頑張る力をもらっている気がします。面と向かっては言えないことなど、島袋さんへメッセージがあればお願いします。



【担当】「次くる」の登壇式に先生が作ってきた「原稿料あげて」のウチワにより、四方八方からプレッシャーを感じていましたが、原稿料無事にアップできました!



――おお、それは嬉しい報告ですね! 担当さんとして今後の展望は?



【担当】大塚芳忠さん(NARUTO・自来也やフルハウス・ダニーを演じていた人気声優)を起用して深夜25時15分アニメで放送されるような、大人気作品になるために引き続きお手伝いさせていただければ幸いです。ご自愛ください。



■「飯食っただけで祝われる」入退院で休載してもファンから愛される



――では、島袋さんに改めてお伺いします。そもそも、漫画家になろうと思ったきっかけは?



【島袋全優】幼稚園の頃から絵を描くのが好きだったので、漫画を描きたいと思っていました。小学生の卒業文集にも将来の夢は漫画家になりたいと書いた気がします。



――それからずっと漫画の道を目指していたのですか?



【島袋全優】中学生の時は迷ったりもしてみましたが、専門学校の体験授業みたいなので漫画家の先生に趣味で描いた漫画を褒められて。調子に乗ってそのままその学校に進学を決めた感じです。この時ばかりは、調子に乗りやすい性格で良かったです。



――病と闘いながらも、漫画家になる夢を叶えた島袋先生の原動力はなんでしょうか?



【島袋全優】金!! と言いたいところですが(それも入ってますけど)、連載を始めてからこの潰瘍性大腸炎を患っている方や、違う難病の方からも「読んで元気をもらった」「入院中に読んでます」「友達や知人に病気の説明をする時に役立っています」という、メッセージをもらうんです。



――嬉しい声ですね! Twitterにもそういったコメントを見かけます。



【島袋全優】ギャグ漫画で闘病について描いているので、なんなら怒られないかなと思っていたんです。自分の漫画が同じく病気で大変な思いをしている方の役に立っている事を知って衝撃を受けました。それを聞くと励みになりますし、がんばって描こうと思います。



――入退院を繰り返しつつ連載されていますが、現在の体調はいかがですか?



【島袋全優】最近は体調を大きく崩すことなく過ごせております。人工肛門なので、脱水症状に気をつけながら生活していますが体重も増えましたし、友達とも遊びに行けるくらい回復しています。



――「GANMA!」やTwitterを見ると、ファンの方が連載を楽しみにしながらも、先生へ心配コメントを多く見かけます。



【島袋全優】最近、鰻を食べたツイートをしたら皆さんに「ご飯が食べられるようになって良かった」と言って頂けて、すごい恐縮だけど嬉しかったです。飯食っただけでこんなに祝われるのは私とお食い初めの赤ちゃん位だと思います。



――現在も「腸よ鼻よ」は絶賛連載中ですが、今後の目標はありますか?



【島袋全優】今後も笑える話を描いていきたいです。まだまだ下手くそなので、勉強して漫画上手くなりたいです。



――向上心が高いですね。最後に、叶えたい夢もお聞かせください。



【島袋全優】叶えたい夢は、いつか……描いたギャグ漫画が売れて深夜25時15分アニメで放送されて、声優に大塚芳忠さんを起用してもらえたら我が生涯に一片の悔いなしです!
カテゴリ