マネージャー明かす、いとうあさこの20年「初めてグッときた」24時間駅伝での衝撃の一言

マネージャー明かす、いとうあさこの20年「初めてグッときた」24時間駅伝での衝撃の一言

 MC・ひな壇・ロケ・ネタも器用にこなし、今年も数々の番組を盛り上げてくれたいとうあさこ。8月に放送された『24時間テレビ』では駅伝のアンカーを務め、42.195kmを見事完走。笑いだけでなく、大きな感動をお茶の間に届けてくれた。26歳から芸人の活動を始め、40歳を迎える頃にようやくブレイクを迎えたあさこ。長い下積みを経て人気者になれた理由とは――。担当マネージャー嘉山拓磨氏に聞いた。



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■若手の時からトーク力あったものの、オーディションでは落ちまくっていた下積み時代



 あさこが所属するマセキ芸能社は、ウッチャンナンチャンを筆頭に、出川哲朗、バカリズムなどの人気芸人を数多く抱える。嘉山氏はあさこ、ニッチェ、ナイツのチーフマネージャーを務めながら、若手の発掘も担当している。三四郎や、今年のキングオブコントで決勝に残ったかが屋も、嘉山氏がオーディションから採用したという。



――かが屋さんはいま木村拓哉さん主演ドラマにも出られていて、勢いありますよね。



【嘉山拓磨】じわじわ人気出てきてますね。あとは若手でいうと、赤もみじが次くる気がしています。面白いんですよ。



――嘉山さんがおっしゃると説得力ありますね。ナイツさん、狩野英孝さんも若手時代から見てこられたとのことですが、売れる方は最初からわかるものなのですか?



【嘉山拓磨】ナイツは最初からめちゃくちゃ面白かったです。もう天才だと思いましたよ。でも狩野英孝はネタは本当に面白くなかったです(笑)。でもいつのまにか売れっ子になったので、若手の時にネタが完成してなくても、トークやキャラクターで何か面白い部分があると、将来絶対伸びていきます。それで言うと、いとうあさこは若手の時から凄くトーク力がありましたね。



――あさこさんと最初に出会ったのはいつですか?



【嘉山拓磨】僕が入社してすぐ、20年ほど前ですね。その時はまだコンビとして活動していました。解散してピンになった後に僕が担当することになったので、マネージャーとしては15年くらいになります。



――あさこさんは下積みが長かったイメージがあります。ブレイクのきっかけは?



【嘉山拓磨】2008年に『爆笑レッドカーペット』に「浅倉南」のネタで出演したのがきっかけだと思います。以前から同じようなネタはずっとやっていて、基本は「おばさんあるある」「もてないあるある」。ブレイク前は松屋でバイトしていたので、松屋の制服を着てネタを披露していたこともありました。でもオーディションでは落ちまくっていたんですよ(苦笑)。



――それが急に注目されるように?



【嘉山拓磨】『レッドカーペット』の野外イベントがお台場であって、その時に「浅倉南」のネタをやったら、ウケて。それを見た演出の方が「一度出てみる?」と声をかけてくれたんですよね。それで初めて出演した反響が大きくて、そこから色んな番組に呼ばれるようになりました。



――2010年の『R-1ぐらんぷり』では決勝にも進出されてましたね。



【嘉山拓磨】その時には既にテレビもたくさん出ていたので、僕としては「出ない」という選択肢もあったんです。でも、前年の『R-1』初戦でネタを飛ばしてしまって、そこで敗退してしまった。それがすごく悔しかったみたいで、出ることを決めました。そしたら初めて決勝まで進めて、その時に審査員をしていた伊東四朗さんが「いい!芸が明るい」と褒めて下さって。ずっと憧れの存在だったということもあって、それがすごく自信にも繋がったみたいですね。



■昔から“気遣いの人” 年下のマネージャーにも食事の取り分けすらやらせない



――ブレイク前、『進ぬ!電波少年』や『エンタの神様』に出演されていましたが、なかなか露出が増えず、悩まれていたのでは?



【嘉山拓磨】今活躍している同年代の女性芸人のなかでは、売れるのは一番遅かったと思います。オアシズさん、青木さやかさん、森三中さん、友近さん。みんな売れているのに、あさこだけが売れてない。焦りなどはあったかもしれませんが、そんな面は一切見せなかったですね。



――常に嘉山さんの前では明るくされていた?



【嘉山拓磨】明るくというか、すごく“気遣いの人”なんですよ。相手の気持ちを考えるし、2人で一緒に食事に行くにしても、取り分けとかも全部自分でやって、マネージャーで、かつ年下の僕にすら絶対やらせてくれない。常に周りの人の気持ちを優先する。そういう所が男をヒモにしてきたんじゃないですかね(笑)。



――すごい方ですね。長年のお付き合いの中で、印象に残っている場面はありますか?



【嘉山拓磨】普段は昨日見たテレビとか他愛もない話しかしないのであんまりないんですけど(笑)、今年の『24時間テレビ』では衝撃を受けました。駅伝で、僕も最後の5kmだけ一緒に走ったんですよ。そのための事前練習を僕がやりすぎて膝を痛めてしまって、本番はテーピングを巻いて走ったんですね。そのことをあさこも知っていて、ゴールした直後、彼女自身は42.195km走って全身アイシングをしてヘロヘロなのに、たかだか5kmしか走ってない僕を見て一言、「膝大丈夫?」って言ったんです。普通「水ください」とかいう言葉が出てきますよね。絶対しんどいはずなのにそんな時でも僕を気遣ってくれて、そういう人だってわかってましたけど、20年近くそばにいて初めてすごくグッときました(笑)。



■若手時代からどんな仕事にも一切手を抜かない 面白ければ何でもやる“プロ根性”



――24時間駅伝もそうですが、体力的にもハードな仕事もあるかと思います。あさこさんの“プロ意識”を感じるときはありますか?



【嘉山拓磨】舞台の大小関わらず、どんな仕事に対しても一切手を抜かない所ですね。ここではこれくらいでっていうのが全くないんです。何でもやるというわけじゃないですけど、“面白い”と思ったものはなんでも全力でやる。僕が出会った若手時代も今も、それは変わりません。特に感じるのは、年に1回の単独ライブ。彼女はコメディエンヌ、喜劇女優になりたくてこの世界に入ったので、お笑いライブというより“歌って踊るショー”なんですが、凄いんですよ。どんなに忙しくなっても、準備と練習は本気で向き合う。それも、ミスできない、すべれないっていう、1公演だけの1発勝負にこだわるんです。その姿には毎年プロ意識を感じますね。



――あらゆるタレントの方を見てきた中で、改めてあさこさんの魅力とは何だと思いますか?



【嘉山拓磨】「ちょうど良い」。この言葉が合うような気がします。MCも出来るし、ひな壇でも空気を読んで気の利いたコメントもできる。ネタもトークも全部「ちょうど良い」んです。もちろん色々考えているとは思いますけど、天性でしょうね。



――マネージャーとして、今後あさこさんに期待されることはありますか。



【嘉山拓磨】最近はもう、とにかく疲れさせないように気をつけています(笑)。もうすぐ50歳なのに、全部に全力投球なので心配ですよ。ダイエット企画もたまに依頼頂くんですけど、本人が食べることと飲むことが大好きなので、最近はお断りしていますね。何歳までできるか分かりませんが、好きな物を食べて、好きなだけお酒を飲んで、このまま、今のままで変わらず活躍してくれたらうれしいです。





 「気遣いの人」。嘉山氏がいとうあさこを語る時に何度も出てきたこの言葉は、テレビで見る彼女そのままのイメージと全く変わらなかった。何年経っても身近な人をきちんと気遣える人、それこそが“真の気遣い”なのだろう。来年50歳になる彼女はこれから先、どんな笑いを届けてくれるのだろうか。それを一番“気遣って”いるのは、身近にいるマネージャーかもしれない。





(取材・文 山本圭介)
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