山田洋次、渥美清さんに捧げた『男はつらいよ』最新作 回想シーンのみ出演も「寅さんが主役」

山田洋次、渥美清さんに捧げた『男はつらいよ』最新作 回想シーンのみ出演も「寅さんが主役」

 映画監督の山田洋次氏が19日、都内で行われた映画『男はつらいよ お帰り寅さん』プレミア試写会に出席。22年ぶりとなる新作では、シリーズ全49作を4Kデジタル修復した映像と、新たに撮影される映像が使用されているが、山田監督は1996年に亡くなった寅さん役の渥美清さんを思いながら「たくさんの回想シーンがあるんですけど、出来上がってみれば、やっぱり寅さんが主役なんですね。僕たちスタッフの渥美さんにもう1回会いたいという気持ちがそのまま映画に反映されている」と言葉に力を込めた。



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 過去の渥美さんの映像をつないでいくという今作の手法は、親交のある横尾忠則氏からの提案を受けて生まれたもの。山田監督は「今回の作品で、最初にキャストタイトルに出てくるのは渥美清なんです。現存してない俳優が、最初に出てくるのは今までの映画ではちょっとなかったなと思いますが、主役は寅さんなんだと。大天才だった渥美さんに捧ぐという形にしました。そういう思いがみなさんに伝わればいいな」としみじみ。「どんな風に寅さんを生きているように表現するか、とても難しい問題でしたが、同時に楽しいことでもありました。作業をすることでたっぷり渥美さんに会えた」と笑顔を見せた。



 『男はつらいよ』ならではの魅力については「この映画は、歴史というか、人生のある部分をドキュメンタリーのように見せる役割も持っている。みなさん、この映画の中で歳をとっていくんですが、寅さんだけがひとり歳を取らない。抽象的な感じに幻のように存在しているのが不思議で、渥美さんはそれが表現できた。精神的な世界を表現ができる人だった」と力説。「渥美さんが亡くなってからいろんな作品を撮りましたけど、いつでもどこかで渥美さんが見てくれて、褒めてくれたらいいなと思っていました。今度の作品こそ、渥美清さんがよくできていたよと、劇場のどこかで笑って言ってくれていたらいいなと願っています」と天を仰いでいた。



 今作は、車寅次郎の甥・諏訪満男(吉岡秀隆)の妻の七回忌の法要からスタートする。満男はサラリーマン時代に書いた小説が認められ、小説家に転身しており、サイン会を開催。その列には初恋の人で、結婚の約束もしていた及川泉(後藤久美子)の姿が。泉に再会した満男は「会わせたい人がいる」とJAZZ喫茶に連れて行く。そこには、寅次郎の恋人のリリー(浅丘ルリ子)がいた。懐かしい人たちとの再会、思い出す寅さんのこと。それが満男と泉に温かい何かをもたらしていく。



 そのほか、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、桜田ひより、夏木マリも出席。同作は27日より公開される。
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