井之脇海、ブレイク必至の注目俳優 「一段階高く、羽ばたける年に」

井之脇海、ブレイク必至の注目俳優 「一段階高く、羽ばたける年に」

 令和最初の年末年始、テレビドラマへの出現率が何気に高かった俳優の一人が、井之脇海(24)だ。一度見たら忘れられない容貌で、同年代の俳優たちとは一線を画する独特の存在感を放っている。実は、1月以降も出演作品が続き、今年、俳優として大きく飛躍しそうな匂いがプンプンする。それを成し遂げようと一つひとつの現場に真摯(しんし)に臨んでいるのは、ほかでもない井之脇自身だ。



【写真】『トウキョウソナタ』場面写真



 昨年は4月期の日曜劇場『集団左遷!!』(TBS)に出演し、12月に終了した大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK)では、1964年東京オリンピックの最終聖火ランナー・坂井義則役を好演。



 年末30日には『いだてん』総集編・第二部(後編)に登場し、31日には有村架純主演の連続テレビ小説の続編『ひよっこ2』(2)(NHK)にも顔を出した。年明け2日に放送されたスペシャルドラマ『義母と娘のブルース 2020年謹賀新年スペシャル』(TBS)では、上白石萌歌演じる娘みゆきの幼なじみヒロキを再演。4日・5日と2夜連続の『教場』(フジテレビ)では、警察学校の生徒役でインパクトを残した。



 今年は、現時点で発表されているだけで、NHK総合・よるドラ『伝説のお母さん』(2月1日スタート)や、WOWOW『ドラマW 父と息子の地下アイドル』(2月23日放送)に出演する。



 さかのぼれば、連続テレビ小説『ごちそうさん』(13年、NHK)で杏演じるヒロイン・め以子の弟・卯野照生役や、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17年、NHK)の小野亥之助(万福)役、KIRIN「午後の紅茶」のCM(16年~19年)が思い浮かぶ人もいるだろう。実直で、巻き込まれる側の役を演じることが多い(似合う)イメージもある。



 「ナイーブな役の方が、台本を読んだ時に気持ちがわかるな、と思えることが多いですね。学生生活の中でもあんまりはっちゃけたりするタイプではなかったので。そういう直感も大事だと思っています」



 スクリーンデビューは07年公開の映画『夕凪の街 桜の国』(佐々部清監督)で、当時は小学生だった。映画2作目の『トウキョウソナタ』(08年、黒沢清監督)が、第61回カンヌ国際映画祭、「ある視点」部門審査員賞を受賞し、主人公一家の次男を演じた井之脇も国内の映画賞で新人賞を受賞するなど、注目を浴びた。それからブレずに俳優の道を歩んでこられた理由とは?



■『トウキョウソナタ』の子から着実にステップアップ



 「『トウキョウソナタ』で、黒沢監督と出会ったことは大きな転機になりました。お芝居ができなくて初めて悔しいと思った反面、評価もされた作品。撮影は12月だったんですけど、急きょ進路変更して、芸能コースのある中学に行くことにしました。大学も日本大学藝術学部映画学科演技コースでしたし…。もしかしたらほかの道もあったかもしれないけど、これしか見つけられなかったし、出会えてよかった。お芝居が好きだし、何回やっても満足できないし、絶対にこなせないし、こなしちゃいけない、そういうところにすごく惹かれています」



 大学を卒業するまでは、学業を優先して仕事をセーブしてきた。



 「僕自身、学業もちゃんとやりたかった。集団で何かをすること、そこへの関わり方を学べた中高6年間はかけがえないもの。さらに、大学4年間は、お金払ってその時間を先生方や仲間たちと共有して、『学業頑張りました』と胸を張れることが一つできただけでも行ってよかったな、と思ってます。学業を優先してきた間、その時にしかできない役を逃してきたという思いもあったので、どこかエゴとして一つでも多くの作品に関わりたいという欲はすごくありますね。そのためにも呼ばれる役者にならないといけないですし、クオリティーも上げていかないといけないですし、たくさんチャレンジしていきたいです」



 彼の人生に大きな影響を与えた『トウキョウソナタ』は、「唯一、客観視できる作品」という。



 「変声期前ですし、子どもですし、別人として見ることができる。高校くらいまで、『トウキョウソナ』の子、というイメージがついて回ることに複雑な思いもありましたけど、いまは過去の栄光として、いい思い出として大切にしたいと思う。自信持っていい作品だと言えます」。



 その『トウキョウソナタ』から12年。新たに“東京”を冠する映画『サイレント・トーキョー』にも出演する。公開は今年12月の予定だ。



 「最近でいうと、『ひよっこ』『おんな城主 直虎』の後、『義母と娘のブルース』に出演できたのは大きかったですね。街で声をかけていただけるようになって。ところが放送が終わると途端に減って(笑)。映画、ドラマ問わず、コンスタントに出演して、メディアに露出するって大事だな、と思いました。これから放送が始まる作品やこれから出会う役次第で、12月公開の『サイレント・トーキョー』を観てくれる人が増えるもしれない。2019年はありがたいことに充実した一年になりました。それもいままでの積み重ねがあってのことだと思うので、昨年の頑張りをバネに今年はもう一段階高く、羽ばたける年にできたらいいな、と思います」
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