斎藤工×菜々緒×福田雄一監督、自主規制音をめぐる攻防

斎藤工×菜々緒×福田雄一監督、自主規制音をめぐる攻防

■映画『ヲタクに恋は難しい』撮影秘話をぶっちゃける(2)



 イラスト投稿サイト「pixiv」で2014年から連載されたWEB漫画に端を発し、「このマンガがすごい!2016」オンナ編で第1位獲得、18年4月~6月にはアニメ化された、『ヲタクに恋は難しい』(原作:ふじた)。〈隠れ腐女子×ゲームヲタク〉という不器用な男女の、微笑ましいピュアラブストーリーを「勇者ヨシヒコ」シリーズ、「銀魂』シリーズ、そして『今日から俺は!!』などのヒットメーカー・福田雄一監督がメガホンをとり、主演に高畑充希(桃瀬成海 役)・山崎賢人(二藤宏嵩 役)を迎えて実写映画化。7日より全国公開中だ。



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 ORICON NEWSでは作品の魅力に迫るべく、脚本も手掛けた福田監督と、成海&宏嵩の会社の先輩で、ある界隈で有名なコスプレイヤー・小柳花子役の菜々緒、同じく会社の先輩で、顔が激コワだが意外と面倒見がよく、花子の彼氏でもある樺倉太郎役の斎藤工の3人にインタビューを実施した。



――『銀魂』(2017年・18年)で、福田組を経験している菜々緒さんは、「福田さんの現場でのオーダーがめちゃくちゃで、でもそれが福田組ならではの空気感だなと思って楽しみました」とコメントされていましたが、どんなオーダーが来ても大丈夫なんですか?



【菜々緒】私、NGないですから。

【福田監督】NGないの?

【菜々緒】ないですよ。あるように見えますか? でも、この映画で斎藤さん演じる太郎とケンカするシーンでは、ピー音(自主規制音)を入れてくださいねって、お願いしましたけど。

【福田監督】ピー音、入れなくても大丈夫でしょう?

【菜々緒】大丈夫じゃないですよ!

【斎藤】大丈夫、大丈夫。映画だから。

【菜々緒】大丈夫だったとしてもピー音入れてくださいね。

【福田監督】まんま、使おうと思った。

【菜々緒】やめてください!

【斎藤】何をしても大丈夫。菜々緒さんなら。無双状態。

【菜々緒】やっぱりNGあります、NG! NG!

【福田監督】菜々緒は何やっても大丈夫ですよ。

【菜々緒】聞いてくださいよ! 『銀魂』で「使わないよ」「絶対カットするよ」ってはっきりいったNGシーンを本編で思いっきり使う監督なんですよ! 今回、問題の罵倒シーンは、「差し込み」といって、当日にもらったんですね。

【福田監督】あんなに下品なせりふは書いてないよ。

【菜々緒】書いてあること以上のことをやらないと福田監督はOK出してくれないだろうな、と思って。何度もやりたくないシーンでもあったので、一回で終わらせようと。斎藤さんなら芝居だってことで、何を言っても許してくれるだろうな、と思って、けっこうヒドいことをバンバン言ったんですよ。

【斎藤】思っていることをぶちまけていた(笑)。

【菜々緒】斎藤さんのことを言ったわけではないですから! アメリカのドキュメンタリーみたいに、ピー音だらけになったら面白くなるかな、と思ってあえて、ピー音が入るようなワードを言ったんです。だからピー音を入れてくださいね、って現場で念押しして帰りましたよ。

【福田監督】おれ、ピー音入れるって言った?

【菜々緒】え? でも、完成したのを観て入っていたから、監督を信頼してよかった、と思っていた。

【福田監督】あれね、音効さんが勝手に入れたの。僕は別に問題ないんじゃない?って言ったんだけど。

【菜々緒】ダメダメダメダメ、さすがにこれはダメだ。

【福田監督】僕も考え直して、ピー、ピー言ってるほうが確かに面白い、と思った。何を言っているのか、観客に想像してもらったほうがいいかなって。自由にアテレコして楽しんでください(笑)。



■福田監督「ただただ、ただただ、物珍しい映画」



――一方、斎藤さんは福田組“初”参戦となりました。成海の前で豹変して彼女の愚痴をこぼすシーンで、愚痴をこぼすだけでなく、口に入れたおつまみもこぼしていくという荒技を披露しましたね。



【斎藤】「食べる」と「しゃべる」を同時にやるとああなる。

【福田監督】工くんが狙ってやったのか、わからないけれど…

【斎藤】全然、狙ってなかったです。

【菜々緒】(成海役の)充希ちゃん、完全に笑いこらえていましたよ。

【福田監督】1テイク目を本編で使ったの。でもあれが自然じゃない? 普段、恐い上司が泥酔して豹変して、ピーナッツをボロボロこぼしながら彼女の愚痴をいい始めたらさ、あんな顔になるでしょう。

【斎藤】福田組ははじめてだったので、命がけでいくしかないんですよね。

【菜々緒】そうそう、そうなですよ。私たちけっこう頑張っているんですよ。

【斎藤】恐ろしいんですよ、みんな。

【菜々緒】生半可な笑いじゃOKでないだろうな、でも何度もやり直しさせられるのはやだな、って思うから。

【斎藤】鮮度落ちるしね。1発目の強度を上げるしかない。

【菜々緒】命がけで頑張っているんですよ。でなければ女性の口からあんなアドリブ出ません。これ言ったらタレント生命終わるくらいの覚悟でしたよ。

【斎藤】僕は、福田組の輪の中に入れてもらえたことが本当に幸せだったんですけど、そこで自分に何ができるか試されて、結果、ものを食べて、それをしゃべりながら出すってことしかできなかった…。

【菜々緒】十分でしょう(笑)

【福田監督】あれは新しい発見でしたね。



――斎藤さんは出演情報の解禁時に「福田さんの作品はまずビジョンが明確にあって、それと同時にそこにいる役者やシチュエーションといったものと、そこで初めて生まれる化学反応を切り取る天才だという事を感じました」とコメントを出していました。



【斎藤】福田さんの作品はもはや新しいジャンルだと思うんです。

【福田監督】ありがとうございます。新しいジャンルを作ってやろうみたいな意識は全然ないですけど、僕はコメディーしかできないし、逆にコメディーになってさえいれば僕は何でもいいんですよ。ラブコメディーでもいいし、アクションコメディーでもいいし、時代劇コメディーでもいい、「○○コメディー」と付くものであれば。僕が「余命何年の~」とかやったら「オイ、コラ!」ってなるでしょう。よく言われるんです。いろいろ手を出しますねって。例えば、僕が朝の情報番組の構成作家をやっていて、映画も撮っていたら幅広いかもしれないけど、ドラマでも映画でもコメディーしかやってない。だから幅広くはないんですよね。



――最後に、本作のPRをお願いします。



【菜々緒】歌あり、ダンスあり、笑いあり、ラブありの新感覚なエンターテインメントだと思います。劇中で私もコスプレに挑戦していますし、2時間があっという間に感じる、盛りだくさんな映画になっていると思うので、楽しんで観ていただけたらいいな、と思います。

【斎藤】年末にフランスに行ったんですけど、現地のコスプレイヤーさんを目の当たりにしてきました。改めてこの映画を観た時、海外の方が抱いている日本のイメージがギュッと濃縮されているな、と思いました。いまメイド・イン・ジャパンの一番強いところを福田監督が五感で楽しめる映画にしてくださった。劇場でぜひ体感してほしいですね。

【福田監督】そんな高みに登った映画ではないのですが(笑)。ただただ、ただただ、物珍しい映画。そういうキャッチフレーズでお願いします。
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