サブスク解禁のaiko、移り変わる音楽産業にも「変化があったとしても音楽の根本は変わらない」

サブスク解禁のaiko、移り変わる音楽産業にも「変化があったとしても音楽の根本は変わらない」

 2月に最新シングル「青空」を発売したシンガー・ソングライターのaiko。同日には、デビューから21年間にリリースされた最新シングル含む全414曲のサブスクリプション(定額制)ストリーミング配信を解禁した。さらに今月、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延期となったライブハウスツアー『Love Like Rock vol.9』を、YouTubeチャンネル「aikoOfficial」を通じてライブ『Love Like Rock vol.9~別枠ちゃん~』として配信するなど、新たな試みを続けている。デビューから21年間、「恋愛の伝道師」として第一線を走り続けてきたaikoに、楽曲への想いや、変化する時代の中でアーティストとして活動することの意義を改めて聞いた。



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■「私の心の中なんて関係なく、晴れたり曇ったりしている空があるから、毎日を乗り越えられる」



――昨年は配信限定シングル「愛した日」がリリースされましたね。CDとしては久しぶりのシングルですが、新曲「青空」はどんな思いが込められた曲でしょうか?



【aiko】大切な人との恋が終わってしまった事を曲にしました。私はいつも朝方まで起きているので、必ず眠る前にカーテンを少しだけ開けて空を見るんです。色んな事が上手くいってない時に空が晴れていたりすると、なぜか悲しくなったりします。でも私の心の中なんて関係なく、晴れたり曇ったりしている空があるから、毎日を乗り越えられるのかな? とも思い、この曲を作りました。



――今回も“体を脱いでしまいたい”などの歌詞表現が独特なaikoさんですが、どんなタイミングで表現が降りてくるのでしょうか?



【aiko】自分でもわからないです(笑)。歌詞を書くときはだいたい現実で何かが起こった後、心が突き動かされて書く事が多いです。なのできっと、その時何か起こったか、頭の中でめっちゃ好きな人の事を想って突っ走っていたんだと思います。



――2月26日に、サブスクリプションサービスの解禁をされましたね。新しい試みですが、ファンからはどんな声が届いていますか?



【aiko】実は、ずっと応援してくださってるファンの方達からは「なんかさみしい」と言われました。きっと“インディーズバンドを応援していたら、メジャーデビューが決まった”みたいな感覚なのかな? って(笑)。そんな意見も、私の音楽をずっと聴いてくださっているからこそだと思うので、とてもありがたいです。もちろん「ありがとう!」と喜んでくださるファンのみなさんもいて、本当に感謝しています。



――サブスク解禁が「今日から」というサプライズでしたね。それはaikoさんの遊び心からですか?



【aiko】いえ、違います(笑)。ポニーキャニオンのスタッフのみなさんと時期やこれからどうするかを話してサブスク解禁を決めました。



■恋愛ソングは一番興味のあること「友達には素直に言えることも、恋愛では言えなかったり」



――aikoさんは、ボーナストラック、CDのトレイに隠されたメッセージなど、細部にまでたくさんの遊び心をしのばせたCDをリリースしていらっしゃいますよね。作品作りにとても強い“こだわり”を感じていますが、“CDへの想い“を聞かせいただけますでしょうか。



【aiko】私が学生の時は「CDデビュー」と言う言葉があるくらいCDって憧れだったんです。なので自分がCDを出せた時は本当に嬉しかったし今でもCDを出せることがとても嬉しいです。私のCDの歌詞カードって出来上がった時に匂いを嗅ぐと桜餅の匂いがするんです(笑)。紙質やプリントの仕方なのかわからないんですけど、そのにおいを感じるのも好きです。これからもCDでできる事を最後までとことんやりたいなって思っています。



――aikoさんのデビューから21年、配信サービスの加速化など、音楽産業もさまざまな展開を見せて変化してきました。aikoさん自身は、その変化についてどう感じていましたか?



【aiko】最初は少し抵抗があったかもしれません。でも、いつどこでも聴きたい音楽を聴けるというのはとてもいい事だなと思います。手軽になった分アーティストの価値が下がったとか音楽が軽いものになったと言う人もいるけれど私は違うと思います。悲しい事があったとき嬉しい事があった時、みなさんのそばにあるのが音楽であってほしいので変化があったとしても根本は変わらないんじゃないかと思います。



――音楽で心の隙間が埋まったりする気持ちは、きっとずっと変わらないですよね。aikoさんの歌詞やメロディは、さまざまな思いを抱えた多くの方が共感したり、涙したりしますが、aikoさんが歌い続ける“恋愛ソング”への思いを聞かせてください。



【aiko】恋愛ソングは私の中で一番興味がある事なんだと思います。大切な友達にありがとうと言うのは素直に言えるけど恋愛では言えなかったり。いくつになっても恋愛になると全く情けない自分に腹が立ったり。恋愛は楽しくて苦しいからワクワクするしめちゃくちゃ興味があるので、歌い続けているのかなと思います。



■楽曲提供は意外にも21年で2回「歌ってくれる方の人生を一瞬変えてしまうのが、怖いのかな(笑)」



――東京スカパラダイスオーケストラの新曲のゲストボーカルとして発表された“コラボ“も話題ですね。ほかのアーティストとの”コラボ“は、望まれているファンも多いと思うのですが、aikoさんは楽曲提供があまり多くない印象です。なにかこだわりあってのことなのでしょうか?



【aiko】はい。楽曲提供は1999年にチェキッ娘のアルバム曲とドラマのプライドのサントラを作った以来はないですね。なんでしょうか・・・なんか、怖いのかな?(笑) 誰かに曲を提供するってその曲で歌ってくれる方の人生が一瞬変わるわけじゃないですか。そう思うと怖くて書けない(笑)。あと、フィクションが書けないのでプロットとか苦手なんです。



――楽曲提供以外のコラボで思い出に残っていることはありますか?



【aiko】去年FM802の春のキャンペーンソングを作らせていただいたのですがこれは本当に楽しくてとても勉強になりました! 宝物です。上白石萌歌ちゃん、KANA-BOONの鮪くん、マカロニえんぴつのはっとりくん、チャットモンチーのえっちゃん、Official髭男dismの聡くん、KANさん、秦 基博くんと大好きな方達に歌っていただきました。自分の曲を他の方が歌ってくれるとこんな感じなんだなぁ~あぁ~いい曲だなぁ~って思いました(笑)



――先日配信もしたライブハウスツアー『LOVE LIKE ROCK』も、vol.9となりましたが、ビッグアーティストなのに小さな会場でやってくれるのは、ファンの声に応えてのことなのでしょうか?



【aiko】いえ、私が大きな箱が苦手で。その分今回は本数を増やしていただきました。二階の後ろの人とも目が合うって最高やなーって思います。距離が近いと安心するし、頑張らないとって目が合う度に思えます。あと2本でツアーは終わりだったのですが、コロナの予防対策で2公演延期になってしまいました。待ってくださってるみなさんがいると信じてチャンスに変えてもっと頑張ります。・・でも、本音は“畜生”です…。みなさん待っててね!!!



――aikoさんは本当にライブを大切にしている印象です。



【aiko】ライブは私自身を大切にすることが出来る場所なんだと思います。大げさに言うと「あ~まだ生きてていいんだなー」って。大好きな歌をうたえるあの場所は、目の前にファンの皆さん、後ろを振り向いたらバンドメンバーの皆さん、ステージ袖にはスタッフのみなさんがいてくれて、もうほんまにやるしかないって感じです(笑)。でも、それがめちゃくちゃ気持ちいいんです!



――ライブ中、すごい体験をしているんですね!



【aiko】時には、44年間他では感じたことの無い快感が身体中を走って頭がおかしくなりそうになります! 恋愛と同じで同じものがライブもひとつもないのでずっとずっと続けて行きたいです。
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