舞台『銀ちゃんが逝く』公演中止&つかこうへい追悼イベント開催決定

舞台『銀ちゃんが逝く』公演中止&つかこうへい追悼イベント開催決定

 東京・新宿の紀伊國屋ホールで予定されていた舞台『銀ちゃんが逝く』(7月4日~27日、全24ステージ)の公演中止が決定した。同舞台は、2020年7月10日に没後10年を迎える劇作家・つかこうへい作品を上演する「つかこうへい演劇祭」の第3弾にして「蒲田行進曲」の完結編。一方で、つかさんの没後10年追悼イベントを開催することが決定した。「蒲田行進曲」が発表された1980年から40年の時を超え、同じ紀伊國屋ホールで新たな挑戦がはじまる。



【写真】2010年に亡くなったつかこうへいさん



 「つかこうへい演劇祭」は、今年1月の新国立劇場『飛龍伝2020』をオープニングに、7月の公演でエンディングを迎える予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、出演者、スタッフ、観客の安全を第一に考慮した上で、演劇祭の制作の継続が困難であると判断。公演の中止を決定した。



 舞台『銀ちゃんが逝く』は、“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎役で主演するのが、1月のフジテレビ新春ドラマ『教場』で鮮烈な印象を残した舞台俳優、味方良介。ヒロイン・小夏役には、昨年、日本青年館での『フラガール』の主演で高い評価を受け、今春乃木坂46を卒業、女優として今回の公演が卒業後第1弾となる井上小百合。そして、銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優ヤスには、2.5次元俳優屈指の人気を誇る植田圭輔が決定していた。「今回は無念の公演中止となったが、来年以降いつか実現をしたい」としている。



 演劇公演ではない形でも、演劇の火を灯し続けることはできるのではないか。つかこうへいの没後10年の節目に「演劇がウイルスに負けて良いのか!?」といった関係者の思いから、つかさんの命日にあたる7月10日から3日間、【朗読という名の演劇】イベントの開催が決定。「リモートによる稽古で、向き合わず、俳優のエネルギーを伝えあう演劇」に挑戦する。



 感染予防対策として以下のことを実施し、「新しい様式」の公演を実験的に披露する、としている。



・密閉された稽古場を使用せず、リモートで互いの演技を伝え合うという手法で

稽古し、出演者同士の感染を防ぐ。

・劇場では、演者と観客との距離はもちろん、観客同士の間隔を空けて、観客数を

半分以下に動員規制する。

・上演時間を1時間以内に設定するために、1本の作品を2部構成に分け、客席を1時間ごとに入れ換えることで換気を徹底し、観客の安全を確保する。

・各所の消毒やマスク着用、次亜塩素酸水の噴霧などの通常の対策は、徹底する。



■『銀ちゃんが逝く』出演者のコメント



【味方良介】こういった形での発表になり複雑な心境です。誰もが望まない今のこの状況の中で、何が正しくて何がそうではないのかということは僕にはわかりませんが、今の僕に出来ることはこの選択が全員にとって正しいと思うことです。「人は幸せになるために生まれてきたのです」。これほど強く、つらい、そして優しいつかさんの言葉が今の僕の背中を押してくれます。いつかまた皆さんと熱く激しく優しい世界でお会いできる日を楽しみにしています。



【井上小百合】日本の芸術文化や、エンタメ、人々の心の豊かさまで奪われていくことが、悔しくて仕方ないです。しかしながら、自分にとっては新たな学びの機会を頂いているような気もしています。精一杯取り組む所存です。よろしくお願いいたします。



【植田圭輔】今回、僕はつか作品に初めて挑戦させて頂く予定でした。関係者の方々が、なんとか演劇を再開させようと努力されていることに心から感謝致します。そして演劇を楽しみにされている皆さまのために、たとえ上演の形が変わろうと、いま自分ができるすべてをかけてこの作品に臨みたいと思います。
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