坂本九さんの名曲、突然アニメで流れ話題 災害時のリアルなシーンで「見上げてごらん夜の星を」

坂本九さんの名曲、突然アニメで流れ話題 災害時のリアルなシーンで「見上げてごらん夜の星を」

 テレビアニメ『波よ聞いてくれ』の最終話(12話)が20日(19日深夜)に放送された。ラジオ局を舞台にしたアニメで、北海道に大地震が発生し人々が混乱しているシーンでは、歌手・坂本九さんの名曲「見上げてごらん夜の星を」が挿入歌として突然流れると、ネット上では「このタイミングで、この曲は反則でしょ。泣ける」「坂本九を挿入歌に使うなんて豪華だぜ」「坂本九を流すアニメなんて、そうそうない」「コロナで混乱する中、この曲は心に刺さるな」などと驚きと感動の声があがっている。



【画像】大地震発生で混乱するミナレ…最終話の場面カット



 漫画誌『アフタヌーン』(講談社)で連載中の同名漫画が原作の同作は、札幌市のスープカレー屋で働く主人公・鼓田ミナレが、ひょんなことからギョーカイ人の中年男性にダマされ、ワケも分からずラジオDJデビューするというストーリー。



 最終回は、ミナレがDJを務める生番組中に大地震が発生。混乱するが、スタッフ一丸となってリスナーに地震の災害情報や地震に対して悩むリスナーからのメールを読み上げる様子が描かれた。



 そして、自身の番組終了とともにDJを別キャラクター・茅代まどかにバトンタッチすると、そこで彼女は「こんな時に不謹慎かも知れませんが、札幌が真っ暗になった時の私の感想は、『星がきれい』でした。そして今も星を見上げている人たちがたくさんいると思います。そのうち何人かは、この歌を口ずさんだんじゃないかな? では、聞いてください」と言うと、坂本九さんの歌声で名曲「見上げてごらん夜の星を」が流れた。



 その後、人々が真っ暗の街中で坂本さんの歌声を聞いて夜空を見上げるシーンが描かれ、同曲が約2分間流れた。この演出にネット上では「坂本九氏の音源そのまま流すのか…」「アニメの挿入歌で坂本九を聴くとは思わなかった!」「流れた時、『おー、マジか』となった」「いきなり流れてグッときました」「泣けるぞ…」「鳥肌もん」「坂本九が挿入歌になるアニメなんてこれ以降もうないでしょ」「坂本さん、アニソンシンガーデビューしちゃった」「来年のアニサマで歌われる可能性あるぞ!」などと驚きと感動の声があがった。



 また、災害時においてラジオが持つ役割は大きいことから、そのリアリティーを描いた最終回に「結構感動しちゃったなあ。ラジオの力を改めて考えさせられた作品でした」「軽快なノリの作風だったからまさか最後に地震の話を持ってくるとは思わなかったな。ハッとさせられた。非常事態だからこそいつものパーソナリティいつもの声で安心を届ける。そうだよな、災害時にこそラジオは必要だよなぁ。いやーラジオってイイなと」「ソープが銭湯を開く話とか、星がきれいだって話とかリアルを急に拾うからびっくりした」などと作品を高評価する声も出た。



 実際のラジオのように感じられるリアリティーあふれる演出について、ORICON NEWSは以前、アニメーション制作・サンライズの大塚大プロデューサーにインタビューを実施しており「セリフ量が多いということもありますが、劇伴を使用する頻度を抑え目にして、キャストさんの芝居をきかせる演出を重視していたと思います」と声優の“声”を目立つようにしたとし「また、アフレコに際してのフィルムの状態を、できるだけ良い状態にするよう心がけていました」と少しでも作品を理解、役を掴んでもらい“リアルな声”で収録ができる環境を作ったという。



 第1話では、麻藤がミナレに言うセリフで「ラジオには『3秒ルール』ってのがある。無音が3秒続くと放送事故、8秒も続けば俺のクビが飛ぶ。止めるからにゃアンタが間を持たせるんだぜ?」がある。とにかくミナレが喋り倒す作品なため、アニメにおいても“無音が3秒”続かないように演出しているのかと聞くと「アニメでも意図した演出ではない限り、無音の状態は作らないようにしています。セリフや劇伴が入らないシーンでも、人の話し声や車の往来の音、虫の声などの「環境音」を入れていますので、注意深く聞いていただければと思います」と話してくれた。



 また、同作では、『007』シリーズでジェームズ・ボンド役(ダニエル・クレイグ)の藤真秀、アル・パチーノ、ヒュー・ジャックマンなどの山路和弘、イライジャ・ウッド、レオナルド・ディカプリオの浪川大輔など、吹替えで実績がある人物が顔をそろえる。



 キャスティングの意図について大塚プロデューサーは「『波よ聞いてくれ』という作品が、アニメよりも実写寄りの作品と考えていましたので、劇伴の使い方、効果音のつけ方、キャスティング諸々が実写寄りの演出が合うだろうと考えていました」と説明。



 「そこから監督がお仕事をご一緒させていただいて、さらに吹替えを多くやられている音響監督の高橋剛さんにお声がけをさせていただきました。キャスティングについては、高橋さんを中心に行いましたので、自然と実写吹替え中心のキャストさんになりました」と経緯を明かした。『ランボー/最後の戦場』(2013年)『バイオハザード』(04年)などで演出を担当した高橋音響監督が、今まで一緒に仕事をした中で信頼できる人を起用したのだと明かしてくれた。



 ラジオ局で働く人たちの人間ドラマを描いたストーリーは、生身の人間を演じる機会が多い吹替え声優たちによって魅力が増したと言える。非日常ではなく現実的な題材を扱うアニメおいて、吹替え声優の起用が思わぬ面白さを生み出すと感じた。
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