乃木坂46×小室哲哉“意外性”で自身最大の配信ヒット ストリーミングは「桁違い」

乃木坂46×小室哲哉“意外性”で自身最大の配信ヒット ストリーミングは「桁違い」

 乃木坂46の新曲で、2018年1月に芸能界引退を表明した小室哲哉氏の2年ぶり復帰作としても話題の配信限定シングル「Route 246」(ルート・ツー・フォーティシックス、7月24日発売)が、ダウンロード/ストリーミングともに過去作を大幅に上回り、自身最大の配信ヒットを記録している。その要因をソニー・ミュージックの関係者に聞いた。



【動画】ミニ丈衣装、ザ・TKサウンドでも話題「Route 246」ティザー映像



 乃木坂46は『オリコン上半期ランキング 2020』(集計期間:2019年12月9日~2020年6月7日)で音楽ソフト(シングル、アルバム、音楽DVD/Blu-ray、デジタルシングル(単曲)、デジタルアルバム、ストリーミング)の総売上額42.8億円を記録し、「アーティスト別セールス部門」史上初の3年連続1位に輝いた。しかし、その大部分はシングルCD、ライブ映像作品の売上によるもので、配信はほぼ未開拓な分野。裏を返せば、大きな伸びしろを残していた。



 7月24日に配信限定リリースされた「Route 246」は、秋元康(作詞)×小室哲哉(作編曲)の10年ぶりとなる共作。秋元氏が同い年の旧友の復帰に向けて「曲を書いてよ」と背中を押し続け、「悩みに悩んで」その想いに応えた小室氏が、乃木坂46への楽曲提供で約2年ぶりに音楽活動を再開することが7月16日に発表されると、ネットはその話題でもちきりとなった。



 「乃木坂46×TKサウンド」の意外な組み合わせにも期待感が高まるなか、7月22日深夜、ニッポン放送『乃木坂46のオールナイトニッポン』で音源が解禁された。イントロから「ザ・TK」なシンセが鳴り響き、globe「Feel Like dance」やTRF「Survival dAnce~no no cry more」を想起させるメロディーにSNSは「めっちゃTKサウンド」と再び沸き、ツイッターでは「#乃木坂46ANN」「#Route246」がトレンド入り。意外性や新鮮さのある乃木坂46との初タッグは喜びをもって迎え入れられた。



 乃木坂46のシングルはこれまで、YouTubeで表題曲ミュージックビデオをフルサイズ解禁→デジタル先行配信→1週間後にCDリリースの流れが通例だったが、今作はそのルーティンを変えた。時系列で整理すると、7月22日深夜(23日未明)の音源解禁に続き、23日正午にMVの序盤のみを切り取った1分13秒のティザーを公開。24日午前0時に音源のダウンロード/ストリーミング配信を開始し、同日夜にテレビ朝日系『ミュージックステーション』3時間半スペシャルで初パフォーマンス。これまで楽曲プロモーションの起点となっていたMVのフルサイズは8月1日現在も公開されていない。



 ネットを沸かせたもう1つの要因は、衣装やビジュアルの大胆なイメージチェンジ。デビュー曲「ぐるぐるカーテン」(2012年2月発売)から一貫し、清楚なひざ丈/ロングスカートが代名詞だった乃木坂46が、『Mステ』3時間半スペシャルでこれまでにないショートパンツや“おなか見せ”衣装の全貌を初披露した。センターの齋藤飛鳥をはじめ、紫ピンクのカラーエクステをメッシュ風に入れたヘアアレンジも目を引き、同世代の女性ファンを中心に「新鮮」「真似したい」と反響を呼んだ。



 ソニー・ミュージックの関係者が「秋元康さんと小室哲哉さんの共作を情報解禁したときも、『乃木坂46のオールナイトニッポン』で音源を解禁したときも、『ミュージックステーション』で初パフォーマンスしたときも予想以上の大きな反響があり、“これはすごいことになるな”という手応えがありました」と実感していたように、「乃木坂46×TKサウンド」の話題性は配信実績に反映された。



 7月29日発表のオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング(集計期間:7/20~7/26)によると、ダウンロード数は配信開始から3日間の集計で3万3391DL。西野七瀬や生駒里奈らOGが参加した前作「世界中の隣人よ」の3日間実績比1.9倍(オリコン調べ)のスタートダッシュ。



 ストリーミングの再生数は各ストアで桁が1つ増え、Apple Music、Spotify、LINE MUSICの速報値合計では「1週間で300万回を超え、前作比5.5倍」(いずれもソニー・ミュージック調べ)に跳ね上がった。



 前出の関係者は「前作の『世界中の隣人よ』も配信限定だったので、過去作よりは配信の数値が良かったのですが、今作は特にストリーミングが“桁違い”の状況。小室さんの楽曲ファンも含め、これまで乃木坂46がリーチできなかった多数のリスナーに聴いていただいているのではないかと推察しています」と語る。



 その言葉を裏付けるように、デジタルを担当するソニー・ミュージックマーケティング担当者は、1番伸び率が高く、最もプレイリスト文化が強いSpotifyの数値に着目した上で「ストリーミングサービス全般に対して言えますが、ダウンロードと比べて自分がふだん触れ合わない曲に出会う使い方をされているユーザーが多いのが特徴的です」といい、「今作では乃木坂46の新曲がリリースされたら必ず初日に聴くという既存のコアファンに加え、サービス側が作成するプレイリストや、ユーザーごとに異なるオススメ機能によって聴いたユーザー、さらにはこれまでの楽曲とはジャンルが異なるため、ダンスEDMが好きなリスナーにも届いたように感じます」と分析する。



 これまでにはリーチできなかった層にもたどり着いた「Route 246」。まもなく結成10年目に突入する乃木坂46の新たな道を切り開いていきそうだ。

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