元モー娘。尾形春水語るアイドルのダイエット、体重半減した自分には「周囲の言葉は刺さらなかった」

元モー娘。尾形春水語るアイドルのダイエット、体重半減した自分には「周囲の言葉は刺さらなかった」

 元モーニング娘。の12期メンバーだった尾形春水さん。卒業後、YouTubeチャンネル「Haruna Ogata」に投稿した、アイドル時代の過激なダイエット経験を語る動画が話題に。一時は35キロまで痩せてしまい、リバウンドして60キロとなった経験を自身の失敗談として明かしていた。激しいダイエットに至った経緯や、プロ意識があるからこそ生まれるアイドルとしての葛藤を語ってもらった。



【ビフォーアフター写真】尾形春水、35キロから60キロに倍増…モー娘。時代の激痩せ・激太りの真実



■「私を太らせるためやん!」過激ダイエットで疑心暗鬼になったアイドル時代



――尾形さんがモーニング娘。のメンバーとして活動されていた時に、過激なダイエットで35キロまで激やせしたこと、逆に激しくリバウンドしたことなどについて、YouTubeで話したことが話題になりました。アイドル時代に抱いていたコンプレックスとは、どんなものだったのでしょうか。



【尾形春水(以下 尾形)】私は高校1年生のときにモーニング娘。に加入したんですが、それまでは自分の体型について考えたことがなくて。アイドルになって、他人に見られるようになって初めて「太ってる」とか「ガタイが良い」とか言われて、コンプレックスを抱き始めたんですよ。握手会とかで直接言われたこともありますし、私はTwitterとかめちゃくちゃ見ちゃうタイプやったから、「新メンバーの子、ガタイ大きい」と書かれているのを見てしまって。ただ、痩せようと思った理由は、そこじゃないんです。



――というと?



【尾形】もともと「ダンスと歌ができない!」っていうコンプレックスが大きかったんです。ハロプロ(ハロー!プロジェクト)は歌とダンスを武器にしているので、ファンの人は、歌とダンスができる子を推す傾向があるので。歌とダンスが完璧やったら、それだけでファンがつくんですよ。でも、歌もダンスもへたくそやし、「もう、どこで戦えばいいんや?」と個性を探すのに必死で。歌とダンスはもちろん頑張るけど、そこでは全然戦えないから、ビジュアルを磨こうと思ったんです。それに、同期の子がダイエットに成功した時期に、シングルのセンターに選ばれたこともきっかけの一つです。私はめちゃ単純やったんで、「痩せればセンターになれるんや」と思ってしまって。



――尾形さんが実践したダイエットは「炭水化物は毒」「食べる量は紙コップ1個分」などという極端なものでしたが、ご自身で改めて振り返ってみて、どう思いますか。



【尾形】すごく危険やったなあと思います。体重も半減して。それだけ必死にアイドルをやっていたんだとも思うけど…。メンバーやスタッフさんなど、いろんな人が心配して助けようとしてくれて、ご飯に誘ってくれたのに、「私を太らせるためやん!」と思っちゃって、全部断っていました。私はグループの中でとにかく何かの1位になりたくて、細さで1位になろうと思っていたのに、他の人に1位をとられたら困るじゃないですか。メンバーは結局、ライバルやから、メンバーの言葉は全く刺さらなくて。



■ファンや家族を心配させないために…手作りご飯や甘いモノを”食べたアピール”していた



――お母さんが来たときは、手作りのご飯や甘いモノも食べていたと動画で語っていらっしゃいました。それは、心配させないようにという思いからだった?



【尾形】お母さんに対してだけじゃなく、ファンの方たちにむけても、ブログで「食べてます」アピールをしていたんですよ。「食べてるけど、痩せちゃう」みたいな、かよわい女の子になりたかったのかな(笑)。差し入れでいただいた物を、写真だけ撮ってブログにのせて、「美味しそうでした」なんて不思議なコメントつけて、「ほんまに食べてんのかなあ」とファンの人を困惑させたこともありました(苦笑)。生理が止まって、お母さんに「食べてるのにこんなに痩せるんやったら、なんかの病気ちゃうか」と血液検査に連れていかれたこともありましたが、結果は全然問題なくて。



――もっとも痩せていたときで、35キロだったと。あれだけ激しいパフォーマンスができていたのは驚きですよね。



【尾形】コンサートでステージに立つときは逆に、リバウンドして太ったときのほうがしんどかった気がします。軽いときのほうが動きやすいし、何より「痩せて可愛くなった自分を見てほしい」というメンタルで動けちゃうんですよね。本当はどっちもしんどいし、本当に危ないです。



――親御さんはどうおっしゃっていますか。



【尾形】親は私が高校1年生で上京したときに、「自分のもとからいなくなっちゃった」と言っていたんですよ。だから、卒業した日に「おかえり。私たちのもとに戻ってきてくれたね」と言われたのが印象的で。へたに口出しすることもできんし、アイドルのこともわからへんし、親は心配だと感じてはいても、何も言えなかったんじゃないかと思います。



――ファンに言われて一番うれしかった言葉、一番嫌だった言葉はそれぞれ何ですか。



【尾形】パフォーマンスを褒められることがあまりなかったから、嬉しかったのは、パフォーマンスを見てくれての言葉ですね。逆に嫌だったのは、「健康的になったね」とか。私にはそれが「太ったね」という言葉に聞こえて、「自分が一番わかってるから!」と思いました。また、少しリバウンドしてから「今くらいの体型がちょうど良いよ」とも言われたけど、自分では細い状態に満足していたから、そう言われると「違うのになあ」と思っていました。



――動画では「太っているときも痩せているときも、極端なときには人の言葉が信じられなかった」とおっしゃっていましたが、なぜそういった思考回路になったのだと思いますか。



【尾形】極端なときは、のめり込み過ぎている状態だから、今さら人に何か言われても変えられない状態になっていたんだと思います。ちょうど新メンバーが入った時期で、“推し変”(自分が推すメンバーを変えること)した人が結構多かった時期とも重なるんですよね。



――“推し変”ってどこでわかるんですか。



【尾形】握手会で自分の列に並んでいた人が別の子の列に行ったとかもありますし、コンサートだとTシャツやキンブレ(キングブレード。ペンライト)の色でもわかりますし。それと、私の場合はめちゃめちゃエゴサしてたから、Twitterのプロフィール欄に推し歴で「はーちん(尾形の愛称)→〇〇」みたいに書いてあるのを見ると、新メンバーが入ったタイミングで、私自身が太って自信を持ってステージに立てていなかった時期と重なっていて、「あ、あの時期や」とわかっちゃうんですよね(苦笑)。違う子のところにいっちゃったんだって…。



■「ファンの人には、もっとアイドルの“良いところ”を見つけてほしい」



――アイドルの世界、本当に厳しい世界だと思います……。今は「ボディポジティブ」という言葉があるように、「ありのままが良い」という考え方もありますが、その一方でアイドル業は容姿と直結する部分も多いですよね。求められる理想像とのギャップに苦しむ部分もありましたか。



【尾形】全体的に「アイドルは細くてちっちゃくて可愛いもの」みたいなイメージがあるから、それを破らないようにとは思っていました。私もそうだったように、ガリガリになって、体を大事に出来ていない子は結構いると思うんですよ。YouTubeでダイエットについて語った動画をアップしたとき、現役のアイドルの子からDMが来たんです。私と同じく食べないダイエットをして頑張っていた子で、グループの存在価値を見出せなくて悩んでいたときに、私の動画を見て泣いてくれたそうで。私の失敗談がきちんと届いているようで嬉しかったと思う半面、どんなアイドルも「痩せる=可愛い」「痩せる=正解」とされているんやなと改めて感じて、悲しくなりました。ファンの人には、もっとアイドルの“良いところ”を見つけてほしいなと思います。握手会でも、「ここが良くなったね」「ここが可愛い・好きだよ」と、良いところを見つけて言ってくれたら良いのにな、と。



――本当にそうですね。ところで、今は大学生だそうですが、どんな生活を送っていますか。



【尾形】コロナ禍で授業はオンラインですが、YouTubeを自分で好きなときに撮って、自分で好きなときに全部編集して、SNSもやって、ゆる~く毎日楽しんでいます。将来やりたいことがいっぱいあって、いま悩み中なんですよ。



――もともとやりたかったことの一つに、SNSやYouTubeがあったんですよね。



【尾形】そうなんです。実はアイドルのオーディションを受ける前に、グループYouTuberの募集をネットの掲示板で見つけて、アイドルになるかYouTuberになるか悩んだ時期もあったんですよ。だから、アイドルを経て、結局YouTuberをやっている今はすごく楽しいです。人から指示されたことしかできない人になっていたことに、大学に入ってから気がついたので、これからは芸能事務所には所属せず、自分のやりたいことを見つけて、自分で期限を決めて、全部自分でやろうと思ったんです。



――今後やってみたいことを教えてください。

【尾形】まず学生生活を充実させること。SNSで自分の好きなことを発信していくこと。需要があるうちはYouTubeもずっとやりたいけど、将来的には、人を動かすことをやってみたいんです。今もやっぱりアイドルは好きやから、アイドルに関わる仕事もやってみたいですね。

(取材・文/田幸和歌子)
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