博多華丸が熱演 『真夏の少年』三平三平は令和の“金八”か“鬼塚”か

博多華丸が熱演 『真夏の少年』三平三平は令和の“金八”か“鬼塚”か

 テレビ朝日系で放送中の金曜ナイトドラマ『真夏の少年~19452020』(毎週金曜 後11:15~深0:15※一部地域で放送時間が異なる)。ジャニーズJr.内、美 少年のメンバー6人が“そろって連続ドラマに初主演”する学園ものというだけで、単なるアイドルドラマとたかをくくっていたら大間違い。見どころのひとつは、博多華丸が演じる三平三平(みひら・さんぺい)の名言の数々だ。



【写真】第3話は、毒母・奈津子(水野美紀)と三平が激突!?



 三平は、明治生まれの軍人。終戦間際の大宮島(現在のグアム島)で部隊からはぐれてしまい、何かの拍子に現代にタイムスリップしてしまう。落雷とともに富室町(とみむろちょう)にやってきて、高校生たちと出会い、驚いたのも束の間。令和2年の日本にすぐになじんでいく。一方で、自由で平和であるはずの時代に不自由で生きづらそうにしている高校生たちの姿を目の当たりにして、次のような言葉を発したのだ。



 第1話ではクラスメートが飛び降り自殺を図るというショッキングな出来事が起こり、その原因が主人公の一人、瀬名悟(佐藤龍我)のカツアゲによるものだと決めつけられ、無期停学の処分が下されてしまう。悟といつもつるんでいるヤンキー仲間の風間竜二(岩崎大昇)と春日篤(浮所飛貴)は真犯人探しをしようと秘密基地に集まったところで、三平と出会う。



 そんな3人に三平は「自由は与えられるものじゃなく、自分で得るもんだ」「周りに自由があふれているのに、あなた方はちっとも自由に見えません。自分の不自由さを誰かのせいにして、自分のことを誰かに任せて、友達を自殺に追い込んだといわれて何も言い返さない。ナイフを向けられても何にもできない。ただのクズだ」と罵倒。



 さらに、「身体のどっからか怒りが湧いてきたやろ、それが生きる活力! これを暴力に変えると戦争になる。戦争は、人殺しに使った史上最も愚かな行為だ。怒りちゅーのはな、正しく使ってなんぼや。よー覚えておけ」と説教をした。



 第2話では、三平が戦時中、隠れて同人誌に漫画を描き続けていたことが判明。「自由は誰かに与えられるものじゃない。自由は自分の心の余裕の中にある。人や国から与えられた自由を不自由と感じるのはその人の心に余裕がないから。それを漫画が教えてくれた」と語り、それまで三平に無関心だった漫画オタクの山田和彦(金指一世)が一気に打ち解けていく。



 また、「あざとい」と評判のクラスメート・牟呂由真(今泉佑唯)が、英語教師の近藤誠三(片桐仁)と2人だけで会っていたところを放送部に隠し撮りされ、「不倫密会」として動画が拡散してしまったことで、英国留学のチャンスを逃してしまう騒動が起きた際には、「自分のために一途になれる人は素晴らしいです。でも他人はそれを妬んであざといと言います。悪意を込めて。そうやって自分達で不自由な世の中を作っています。非難するならそれなりに責任を持ってください」「今は見えない敵と戦わなきゃならん。便利とはいえ大変な時代だ。目に見える敵の方がわかりやすい」「あざといってのは他人が妬んで負け惜しみに使う言葉やろ。あざとくて何が悪い」と、名言を連発した。



 昭和には『3年B組金八先生』の金八先生、平成には『GTO』の鬼塚英吉のような名教師が、「人」について、「本当に大切なもの」についてビシッと教えてくれたけれど、『真夏の少年』でその役目を果たすのが、教師ではなく、もはや現代の人でもない、タイムスリップしてきたファンタジーの三平というのが、令和の時代らしい、と言えなくもない。



 このドラマが企画された当時は、新型コロナウイルスのパンデミックで世界が一変するとは予想もしていなかったという。奇しくも“当たり前のことが当たり前じゃなくなる”経験をしている今、放送されているめぐり合わせによって、三平の言葉がより深く胸に刺さるのかもしれない。戦後75年の夏。戦争の悲惨さ、平和の大切さを伝える側面も含めて、このドラマを重層的な作品にしているキーマン、三平三平に第3話以降も注目だ。
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