コロナ禍で予期せぬ好転 『半沢直樹』からの「はしご出演」で判明した今田美桜の“天命”

コロナ禍で予期せぬ好転 『半沢直樹』からの「はしご出演」で判明した今田美桜の“天命”

 民放の日曜ドラマとして現在、『半沢直樹』(TBS系 後9:00~)と『親バカ青春白書』(日本テレビ系 後10:30~)が放映中だが、その両作に“はしご出演”しているのが女優・今田美桜。SNSでは「半沢直樹にも出てるしそっちにも出てるんだ!」「さっきまで闘ってた子だよね?今度は大学生?」と話題に。さらに『親バカ』では、新垣結衣、今田ら“サイド”キャストの名がTwitterで相次いでトレンド入りした。予期せぬ「はしご出演」となったことで、まったく異なる役柄をしっかりと演じ分けることが出来る、技量の高さを如実に証明した今田。コロナ禍という“災い”や“困難”を好転に結び付けることが出来たようだ。



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■コロナ禍で余儀なくされた「撮影延期」 この“災い”が今田美桜には幸いに



 今田美桜の“はしご出演”は、当初から予定されていたことではない。元々『半沢直樹』は4月クールのドラマであり、このコロナ禍の影響で撮影・放送が延期された結果。『親バカ』は7月クールのドラマだが、前クールのドラマ『美食探偵 明智五郎』の放送が一時休止になったため、5月28日に日本テレビ広報部が開始時期の変更を明らかに。6月12日に、放送が8月からになることが発表され、同月28日、8月2日の放送スタート日が決定した。



 つまりコロナ禍がなければ、それぞれ春ドラマ、夏ドラマとなるはずのもので、偶然の産物だった。そしてこの偶然が今田に追い風をもたらしている。SNSでは「二時間も今田美桜ちゃんが見られるなんて眼福」「2ドラマ連続出演なんてすごすぎ」「今田美桜ちゃんを2回見られる日曜日は最高」などの声が。



 「2018年頃から若い女性、F1層を中心に人気を集めていましたが、2019年からは、ある程度広くブレイク済みのタレントや俳優を主に取り上げるテレビ誌も注目する存在に。現場取材では主役やヒロインの撮影の様子をメモするのが通常ですが、脇役である“今田美桜ちゃんからも目を離さないでほしい”という指令が現場記者に飛んでいました」と語るのは、テレビ誌でもライティングを行っているメディア研究家の衣輪晋一氏。



 そもそも一部や業界で注目されていた人物が、このコロナ禍で災い転じて福となし、一気に一般レベルでも話題になり始めたという流れだ。



■コロナ禍で余儀なくされた「撮影延期」テレビ業界の掟「放映クール」も崩れる



 ところでTV局にとっては、編成(放映スケジュール)は重大事項だ。社員が幾度もの会議を重ね、熟慮されたものであり、戦略的にもスケジュール的にも、少しでもズレてしまえば、たちまち“有事”となってしまう。



 もちろんどんな業界でも急な変更は禁忌だ。しかしTV業界(ドラマ)の編成変更では、スポンサー、演者、スタッフなど、その影響はより多岐にわたり、調整にはかなりの困難を伴う。簡単な言葉を用いれば、「とんでもなくバタバタしてしまう」。



「出演者に多忙な俳優・女優が多いのはよく知られていることなので分かりやすいですが、スタッフを見ても、プロデューサー、脚本家、AD、カメラマン、音声、大道具、など相当の人数が一斉に動いています。これら全員のスケジュールを調整するのはかなり難しい。



 街頭ロケが多い場合は、スケジュールが変わってしまえば、時期によってはロケ場所の変更を余儀なくされることも。そうなるとロケハンからやり直しの場合もあり、許可取りの交渉はもちろん、移動手段の確保、弁当や移動料金の確認、カット割りやカメラ・演出の台割のやり直しなどやらねばならぬ事項が多く、驚くほどの手間が。テレビ局は現在、これらすべてをこなし、視聴者に作品を送り届けているわけです」(衣輪氏)



 また昨今、コロナ禍によるスポンサー料の激減で、制作費が削られてしまっているという状況もある。その上、一斉に新ドラマがスタートする「放映クール」という概念も崩れた。まさに「バタバタ」だ。華やかに見えるテレビ業界・芸能界だが、その実はまさに根気と工夫と体力勝負。「ただし、画面にはその苦労を一切にじませないというのが、テレビマンの矜持と言えるでしょう」(同氏)



■女優としての“幅”を提示した先にある「座長としての大役」…更なる開花に期待



 こうして「バタバタ」しているテレビ業界。コロナによる偶然ではあるが、スタッフや出演者の努力にも支えられ、同じ日に、間髪入れず全く異なる二つの役をみせる機会が与えられている。今田にとっては自らの演技力を披露する好機だ。



 現在は2クール分だった放映スケジュールが重なったことで、その彼女の演技力が一般視聴者の目にも留まる機会になっている。ただし、まだ若いこともあり、演技の振り幅を存分に見せられているというわけではない。主演・ヒロイン作もごくごくわずかであり、発展途上であることは否めない。サイドキャストとして出演した『3年A組』『花のち晴れ』『セミオトコ』では気の強い、あるいはいじめっ子役で、“悪女”感の強い演技が続いている。「今の彼女はどんな役柄にも挑戦できるし制限もないが、今後はそれがネックにもなるはず。自分の“色”をつけ、主演を勝ち取った先に彼女がこれまでのポテンシャルをどう失わずにいられるか」と同氏。



 「運も実力のうち」と言うが、多数のCM出演に加えてこの日曜の露出。業界「バタバタ」の中での“運”も、数年後の主演たりうる彼女の力量を示しているかもしれない。



(文/西島亨)
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