『わたナギ』で好演の高橋メアリージュン、「上手いよりも“伝わった”と言われたい」人情あふれる演技で魅了

『わたナギ』で好演の高橋メアリージュン、「上手いよりも“伝わった”と言われたい」人情あふれる演技で魅了

 TBS系ドラマ『私の家政夫ナギサさん』で、多部未華子演じる主人公・メイの友人&同僚である薫役で存在感を発揮した高橋メアリージュン。思ったことはズバズバ言うが、友だちを想う優しさと明るい性格が印象的なキャラクターで、数々の心温まるシーンを見せてくれた。悪役から母親役、個性的で奇抜な役どころまで、幅広くこなす名脇役ぶりで、映画やドラマに引っ張りだこの高橋だが、最近ではCM出演も続いて好感度は増す一方だ。女優業にまい進する彼女は今、この活躍をどう見ているのか? 本人が真摯な想いを明かしてくれた。



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■絶妙な存在感をかもした『わたナギ』での“名脇役”ぶり



――『私の家政夫ナギサさん』もいよいよ最終回を迎えます。ここまで薫役を演じてきていかがでしたか。



【高橋メアリージュン】人を励ましたり、ハキハキしたりしている感じが気持ちよくて、共感もできるし、すごく演じやすいキャラクターでした。



――薫が自分と似ている部分があると感じる?



【高橋メアリージュン】はい。わりと自分の本心に近いですね。でも、普段は薫のようにハッキリとはなかなか出せないんです。私はどちらかというとシャイで、なかなか気持ちを伝えられなかったり、好きですと言ったりできないタイプなので…。



――そうなんですね。第8話で、薫がメイに対して言ったセリフで「好きな人に気持ちを伝えるのって、大人になっても、すごく勇気がいることなんだよ」とありましたが、これは本音でもあったとか?



【高橋メアリージュン】そうなんですよ。このセリフは、友達やファンの方からも『心に響きました』というコメントをたくさんいただいたんですけど、じつは私自身にも響きました(笑)。私も過去に、しっかり言葉で伝えておけばよかったって後悔した経験があるので、昔の自分に対して言っている気持ちでしたね。



――演じたキャラクターは年下です。



【高橋メアリージュン】そうですね。私は今32歳なんですけど、メイと薫は28歳。年下の彼女たちの気持ちがすごくわかるので、薫のセリフには過去の自分にアドバイスしてあげているみたいな気持ちで演じることが多かったですね。



■『わたナギ』演技で感じた“実生活よりもリアル”な瞬間と女優の醍醐味



――薫を演じるうえで、一番意識されていたのはどんなことですか?



【高橋メアリージュン】薫がいると空気が華やかになる、明るくなる、そんな存在であるように心がけました。



――もう薫を観られなくなるなんて、寂しいです。



【高橋メアリージュン】それは私もですよ(笑)。私は演じる役柄に影響されちゃうところがあるので、薫役を演じている間は私生活もすごくサバサバして、毎日明るく過ごせていてとても楽でしたから。 薫役を演じてから、プライベートでお茶に誘われることも増えましたよ(笑)。



――ご自身にとっても素敵なキャラクターだったんですね。女優をやっていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?



【高橋メアリージュン】演技をしいている最中に、実生活よりリアルな空気の流れを味わえる瞬間があるんです。たとえば、『わたナギ』の第6話で、メイに「薫の優しいところ、芯の強いところ、ちょっとおせっかいなところ、全部見てくれる人絶対いると思うよ」というセリフがあって、「おせっかいなところ」って言われた瞬間に、薫として生きている自分の心にその言葉が浸みこんで、何の計算もなく感情が湧いてきてゾクッと鳥肌が立つような感覚でした。作品ごとに必ず訪れる瞬間ではないんですけど…、それを体感した時は女優をやっていてよかったなって思いますね。



■「女優の道はないな」と思っていた10代…自身の辛い経験が女優としての武器に



――ここ数年、年間4~5本もの作品に出演されています。この人気をどうとらえていますか?



【高橋メアリージュン】すごくありがたいですね。私は母がフィリピン、父が日本人のハーフ顔なので、女優としては使いづらいタイプと思われやすいんです。だけど、そういうことを気にせずに起用してくださる方や、偏見を持たれていない方がすごく多いという現実がまず、嬉しいです。



――芸能界に入られてすぐ、あるメディア関係者から「女優顔じゃない」と言われたそうですね。



【高橋メアリージュン】はい。その頃から、モデルをやりながら、女優の道はないなとずっと思ってきました。



――それが今や映画にドラマに引っ張りだこ状態。しかも、演じる役柄が実に幅広いです。



【高橋メアリージュン】ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノみたいに、幅広く演じられる役者に憧れているんです。だから、いろんな役をいただけるのはすごく嬉しいです。ハーフ顔は、個性的な役柄が来やすいし、印象にも残りやすいので今はラッキーだなと。



――幅広い役は難しさもあると思います。演技で苦悩したことは?



【高橋メアリージュン】私は、どこか1点でもそのキャラクターのことを理解できれば、そこから膨らませて演じるようにしています。だけど、『闇金ウシジマくん』で演じた女闇金の犀原茜は、最初はまったく共通点が見いだせずに理解できませんでした。こんなエキセントリックな人を見たことがなかったですし…。ただ、監督に『犀原茜は涙の味がするご飯を食べていたと思うんだよね』って言われて、そこでピーンとつながりました。



――家業倒産による借金の返済や、難病の潰瘍性大腸炎、子宮頸がんを克服するなど、辛い経験も多々されています。そんな人生経験が、演技に役立っていると感じることはありますか?



【高橋メアリージュン】経験は生きていると思いますね。私は演技がうまいか下手かよりも、『伝わりました』とか『感動しました』と言ってもらえるほうが嬉しいんです。そういうお芝居がしたいので、今後もプライベートではいろいろな経験を積んで、女優の仕事でアウトプットしたいと思っています。



■自分に蓋をしないで…未来の可能性は無限大



――モデルから女優に転身されて8年。30歳を超えて、変化はありましたか?



【高橋メアリージュン】とても生きやすくなったと感じていますね。女優を始めた頃は、私をいいと思って起用してくださった方のために、何とか頑張ろうと思ってまい進してきました。でも今振り返ると、お仕事をいただいているうちにファンの方や味方が増えて、その方たちのおかげで自信につながっている気がします。



――CM出演も増えて、好印象の声が多いと思いますが、ネットでエゴサーチをすることは?



【高橋メアリージュン】しないようにしていますね。実は私、アンジェリーナ・ジョリーが大好きなんですけど、彼女はきっと、エゴサーチなんかしないだろうなって思うので(笑)



――それはしそうにないですね(笑)。彼女のどんなところが好きなんですか?



【高橋メアリージュン】ルックスのほかにも、慈善活動をしたり養子を迎えたり、偏見なくすべての人に対して大きな愛を持っているところです。



――ご自身もそんな女性を目指したいと?



【高橋メアリージュン】はい。女優もやりつつ、地球や子どもたちのための力になれるような活動をしていきたいですね。幼少期、家族で訪れた母の母国のフィリピンで、家もなく、食べることすらままならない子どもたちを目の当たりにして、胸を痛めた経験があるんです。幸せの価値観は人それぞれですが、みんなの目に希望の光が宿るような世の中になればいいなと思っています。



――女優として、世界進出はいかがですか?



【高橋メアリージュン】それも視野に入れて、英語の勉強中です。もともとは、女優になれると思っていなかったのに実現できました。だから今後も、自分に蓋をせずに、可能性は無限大と思って進んでいきたいんです。



――最後に、メイのように悩みを抱える視聴者に向けて、アドバイスをお願いします。



【高橋メアリージュン】100人中、たとえ100人ができないと言っても、できるかもよ? と言う自分の心の声を信じて、いろんなことに後悔なく進んでほしいですね。私は著書のタイトルにもした『Difficult? Yes. Impossible? NO(難しい? はい、不可能? いいえ)』という言葉が大好きなんです。1度きりの人生、誰にも正解なんてわからないんですから、人に嫌われることよりも、自分に嫌われない自分でいることを大切にしてほしいです。

(文/河上いつ子)
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