ベネチア国際映画祭『ノマドランド』が金獅子賞 日本では来年1月公開

ベネチア国際映画祭『ノマドランド』が金獅子賞 日本では来年1月公開

 日本の黒沢清監督作『スパイの妻』(出演:蒼井優、高橋一生)の出品で、注目を集めた世界三大映画祭の一つ「第77回ベネチア国際映画祭」(イタリア)のコンペティション部門で、最高賞の金獅子賞はクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド(原題:Nomadland)』が受賞した。新型コロナウイルスの影響で現地入りがかなわず、アメリカにいるジャオ監督と主演のフランシス・マクドーマンドから喜びのコメントが到着した。『スパイの妻』の黒澤監督は、銀獅子賞(監督賞)を受賞した。



【写真】残念ながら金獅子賞を逃した『スパイの妻』



 同映画の主人公は、リーマンショック後、企業の倒産とともに、長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。その日その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく。大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに、そこで描かれる実在のノマドたちとともに見つめる今を生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービー。



 現地時間11日に、「第77回ベネチア国際映画祭」「第45回トロント国際映画祭」、LAにて開催される「テルライド映画祭」主催のドライブ・イン・シアターなどで同時ワールドプレミアが行われ、上映が終了するや否や、世界のジャーナリストから本作の絶賛評が続出。前評判通りの圧巻の受賞となった。



 主演のフランシス・マクドーマンドは、2度のオスカーに輝く名優。本作の撮影では、マクドーマンド自らが実在のノマドたちの中に身を投じ、ドキュメンタリーとフィクションの境界を超えた、新しい表現ジャンルを開拓。主演だけでなく製作としても携わり、今世界が最も必要としている物語を、新作映画として世に送り出した。



 メガホンを取ったクロエ・ジャオ監督は、アメリカ西部に生きるロデオライダーたちの姿を力強くも痛切に描いた『The Rider(原題)』(17年、日本未公開)でインディペンデント・スピリット賞の作品賞・監督賞ほか4部門にノミネートされ、マーベル・スタジオが贈るアベンジャーズに続く最強ヒーローチームを描いた超大作『エターナルズ(原題)』(2021年劇場公開)の監督にも抜てきされた。



 『The Rider』でもタッグを組み、『ゴッズ・オウン・カントリー』(17年)では大自然の荘厳な映像美をスクリーンに焼き付けた撮影監督ジョシュア・ジェームズ・リチャーズと共に、アメリカ西部の厳しくも壮大な自然や、路上の崇高な美しさのなか、一日一日を懸命に生き延びながらも、誇りを持って自由を生きるノマドの生き様を映し出した。



■フランシス・マクドーマンド&クロエ・ジャオ監督のコメント



【マクドーマンド】見るからに、私たちはベネチアにいません! 私たちはパサデナのローズ・ボール(LA郊外のドライブインプレミアを行った場所)にいます。本当にありがとう。私たちチームみんなから、金獅子賞にお礼を言いたいです。素晴らしい。そして、知って欲しいのは、クロエ(・ジャオ)、サーチライト(・ピクチャーズ)、全製作チーム、一緒に旅をした25人の仲間、私たちを生活に加えてくれた、バンで移動し続ける、ノマドたち…彼らの全ての息がこの映画を形作っていること、そうよね、クロエ?



【ジャオ監督】はい。個人的なことでは、私のパートナーである、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ、私たちの撮影監督にも感謝したいです。彼なしではこの映画はできなかった。



【マクドーマンド】ある意味、この奇妙な世界で、あなた方の映画祭に私たちを参加させていただいたことに感謝します。私たちは本当に加えていただいたことをうれしく思います。また路上で会いましょう!



【ジャオ監督】路上で会おう!



 なお、同映画は12月4日全米公開、日本では2021年1月に公開予定。
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