ブックショートプロジェクト『ARUHIアワード』大賞作をショートフィルム化 出演の要潤&奥菜恵にとって“我が家”とは!?

ブックショートプロジェクト『ARUHIアワード』大賞作をショートフィルム化 出演の要潤&奥菜恵にとって“我が家”とは!?

 米国アカデミー賞公認であり、アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称SSFF & ASIA)2020』のオープニングセレモニーにて発表されたブックショートプロジェクト「ARUHIアワード」大賞作をショートフィルム化した『おたんじょうびおめでとう』。本作に出演している俳優の要潤と奥菜恵が、作品の魅力やショートフィルムの可能性などについて語った。



【動画】ショートフィルム『おたんじょうびおめでとう』本編映像



 SSFF & ASIAが運営する「ブックショート」と、国内最大手の住宅ローン専門機関アルヒ株式会社がコラボレーションし「大切なある日」「新しい生活」「マイホーム」をテーマにした小説を募集した「ARUHIアワード」。その大賞作に選ばれた作品を映像化したのがショートフィルム『おたんじょうびおめでとう』。



 いつもの休日の朝。朝起きてコーヒーを飲む父親の建(要)は、何気なく次女が描いていた絵をみると、そこには「おたんじょうびおめでとう」という文字が……。しかし、その日に誕生日を迎える家族はこの家にはいない。一体誰の誕生日なのか? この小さな謎をきっかけに、平和な休日がバタバタと動きだす……という話だ。



 要は「まず台本を読んで素晴らしかった」と述べると「コロナによる自粛期間中、僕自身家族について考えることが多かったのですが、そんななか家族の話が舞い込んできました。作品を通して日常の幸せや、家族の大切さみたいなものを伝えられたら……という気持ちで参加させていただきました」とオファーを受けた理由を説明する。



 奥菜も台本に惹かれたというと「私も自粛期間中、家族でいる時間も増え、当たり前に過ごしてきた日常にある当たり前の幸せのありがたみを痛感していたので、そのタイミングで家族の物語のお話しをいただけたことに、なにか意味があると思ったんです」と作品との運命的な出会いに感謝する。



 10分強という短い物語。そのなかには家族の機微がとても繊細にちりばめられている。要は「普段なら見逃してしまいそうな、とても些細な感情を表現している。短い尺じゃないと表現できないようなものも多かった」とショートフィルムの優位性を述べると、奥菜も「10分だからこそ凝縮できる、人の感情の細部が表されていると思う」と要の意見に同調する。



 本作で奥菜は台本を読みつつも、現場では一切のセリフを頭から消して臨んだという。「撮影期間が短いなか、家族としてそこにいるためには、リラックスした状態で臨まなければいけないと感じたんです。子供たちとの会話も、その場で生まれる空気感やリアクションを大切にしたいと思いました」と演技プランを語ると、要は「すごいですよね」と感嘆する。



 続けて要は「僕は骨組みを理解してからじゃないと役に入っていけないタイプなんです。台本を読んで、自分のセリフも頭に入れてから、現場で崩していくタイプ。奥菜さんのアプローチ方法はすごい。実際、子供とのやり取りもすごく生々しく、本当の家族のような雰囲気で演じられました」と称賛する。



 新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の社会生活も大きく変化した。家族の在り方も変わってきたように感じられる。要は「僕らの仕事は、時代に沿ったメッセージを発信していかなければならない。今回、こういう状況のなかで、みなさんは家族についていろいろなことを感じていると思います。そのなかの一つに『おたんじょうびおめでとう』のようなメッセージを伝える作品があることは、大きな意味があることだと思います」と作品の意義を述べる。



 奥菜は「実生活で子供が2人いるのですが、ここまで朝から晩までずっと一緒にいたのは、本当に久しぶりでした。大変な部分もありましたが、私にとってこうした時間を過ごせたことがすごく幸せで、母親としても一人の人間としても、役者としても、これからの人生を生きていくうえで、すごく良い時間だったなと思っているんです」と自粛期間をプラスに捉えているという。



 さらに「これまでいろいろなことにとらわれ過ぎていたと感じました。もっと肩の力を抜いて、人生を楽しみながら生きていきたい」と奥菜にとっては、新たな気づきが多い時間だったようだ。



 物語のラスト、要演じる“お父さん”は家に頬ずりするシーンがある。2人にとって“我が家”とはどんな存在なのだろうか――。



 要は「僕らの仕事は外で表現というアウトプットを行うことで、空っぽになる。家に帰り家族との時間は、インプットであり、エネルギーを与えてくれる。その意味で“我が家”というのはとても大切な場所」と語ると、奥菜も「自分にとって一番大事な場所であり、リラックスできる場所。そしていろいろなことを気づかせてくれる場所です」とその大切さを切実に述べていた。



オープニングセレモニーに参加した、アルヒ株式会社 代表取締役会長 兼 社長 CEO 兼 COO の浜田宏氏は、「素晴らしい監督、俳優の方々に恵まれまして、そしてスタッフの皆様のおかげで、大変素晴らしい作品が出来まして、これを皆様にご覧になっていただくことを本当に心から楽しみにしております」。



「ショートフィルムって、実は短いけれども、それだけコンデンスされた、凝縮されたメッセージを伝えるのにすごくいい形だなあということで、我々の会社“アルヒ”というのは、『ある日、家を買いたい』というのは、『ある日、新しい人生を始めたい』そういう意味だと理解しているので、『新しい人生を始めるある日』それを映画にしたらどうか、という事で盛り上がり、そこから始まった」と制作経緯を語っていた。



(取材・文・撮影:磯部正和)

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