福士蒼汰、『仮面ライダー』から10年で気づいた課題「まだまだだな」

福士蒼汰、『仮面ライダー』から10年で気づいた課題「まだまだだな」

 俳優の福士蒼汰(27)が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『DIVER-特殊潜入班-』(毎週火曜 後9:00)が、9月22日よりスタートする。今作では、元犯罪者ながら極秘で結成された『潜入捜査チーム』の一員として悪の組織に潜入。内側から悪を一掃するダークヒーローとして「自分がやってきたアクションの集大成」をみせる。一方で主演作『仮面ライダーフォーゼ』(2011年9月放送)から約10年を経て、演技とともにアクションに向き合ってきた福士だが「まだまだ」とも語るその心境とは。



【場面カット】劇中でみせる“ダーク”な表情にも注目



 今作で福士が演じるのは、かつては警察も手を焼くほど巧妙な手口を考え出す犯罪者だったが、その異常なIQ・判断力・身体能力が認められ、極秘で結成された『潜入捜査チーム』の通称“D班”のメンバーとなった黒沢兵悟(くろさわ・ひょうご)。時に暴力的に冷酷に、悪を駆逐していく。第一話からアクションシーンもふんだんに盛り込まれた。



 例えば「アクションも、潜入先ごとに違ったアクションが求められる。第1話では、うだつのあがらない青年が借金を抱え、その借金で追われて逃げ回ります。強い兵悟としてではなく、弱い青年としてのアクションを見せなければならいので、うっかり勝ってしまったというアクションをする意識しました。第2話でいうと野村(周平)くんと衝突するシーンがあって、野村くんは元自衛官の役なのできちんとした格闘術、僕は習っていないので喧嘩殺法といったように、キャラクターごと、毎話、潜入先でのアクションにも色がみえるようにこだわっています」。



 仮面ライダー以降も福士は『曇天に笑う』『BLEACH 死神代行篇』(2018年公開)、『ザ・ファブル』(2019年公開)など数々の作品で果敢にアクションに挑んできた。そんななか、今作で魅せるアクションは「今までとは全く違う。仮面ライダー時代にやっていた“けんか喧嘩殺法”に近い」と話す。



 「今までの作品では超人的アクションが多かったですし、自分がやってきたジークンドーやカリとも違いました。今回はアクション部さんはこういう風にやっていたな、とか、こういう方が強く見えるんだとか、感覚的に得たもので臨んでいます」と目で観て学んだものを身体で表していると語った。



 その出来について聞くと「(仮面ライダー時代とは)全然違います」と笑う。「あの時はアクションも初めてで、とにかく必死でしたが…今回のアクションを仮面ライダー時代と見比べたら違いが明らかでとてもおもしろいと思います(笑)」とその言葉からは積み重ねた経験による自信も感じられる。だがその一方で「『できないこと』もわかってきて、まだまだだな、と思います。もっとうまくできればと思うことも多々あります。そこを理解して次の機会があればもっとできたらいいなと思います」と“課題”も実感しながら、今後を見据えた。



■「ダークな役の方が演じていて楽しい」“常識”にとらわれない芝居に感じた醍醐味



 今作は、漫画雑誌『グランドジャンプ』(集英社刊)で連載していた大沢俊太郎による人気漫画『DIVER-組対潜入班-』を実写化。今回演じる役は“ダークヒーロー”とキャラ付けされているが、自身は「ダークな役のほうが演じていて楽しい。ダークな役の方がアイディアを思いついたり、自由度が高いので楽しんで演じています」と満喫しているそう。



 「『正義』って一般的にいえばある一定の円の中に収まっているからそうでいられるけど、そこから一歩でも離れると『なんだあいつは』となる。『正義』や『普通』のエリアはすごく狭いと僕は感じます。悪い人になるのは簡単で、正義でいるほうが難しいと思います」と語る。「人々が笑うときに笑わないとか真剣なときに笑うとか、パニックなところで冷静とか…そういう意味では“悪”のほうが自由度は高い。“こうあるべき”、だから“こうあるべき”以外をやる」と、常識にとらわれない役柄に醍醐味を感じているそう。



 そして、今回はとにかく現実とはかけ離れた設定だからこその“リアル”を追求したという。「兵悟の醸し出す雰囲気をちゃんとみせないといけないので、そのあたりは意識しました。第1話、2話は悩みながら…どの作品も最初は悩みますが、プロデューサーと話し合いながらリアルに落とし込むことは考えました」とドラマならではのキャラクターづくりを心がけた。



 これまでにも数々の漫画実写作品に挑んできた福士だが、「今回の作品では漫画特有の表現を忠実に再現するというよりは、日常に落とし込んだお芝居にしたいと、監督と話し合いました。台本上ではヒールな表情やせりふはあったのですが、できる限り、日常に落とし込むのを大事にして演じています。兵悟は“ダークヒーロー”ではありますが、本人にはその意識にはなく、善か悪かは観ている人が決めるものだと思っています。人それぞれで感じていただければ嬉しいです」とメッセージ性を重視したストーリーとなっている。



 「兵悟というキャラクターを好きでも嫌いでもいいと僕は思います。嫌いという選択肢もあった上で、ストーリーをどうみてもらえるかが大事かなと思います。『このキャラクターの行動は間違っている』と思われたとしても、それはちゃんと観ながら考えてくれたということなので、僕は嬉しいです。好き嫌いに関わらず、ストーリーに対してどう思うかを問いかけたいです」と力を込める。



 そのため、特に“愛される”主人公を目指しているわけではないと話す福士。だが「作品の軸をぶらさないことは大事にしています。主人公が軸をつくっているという責任を感じています。共演者やスタッフの方々とコミュニケーションをとりながら、みなさんがやりやすい現場になりように、積極的に行動していきたいと思っています。この作品が伝えたいこと、この作品を作っている意図、を落とし込んで体現していきたいです」と主演としての責任はしっかりと感じている。



 「エンターテインメントとしても面白く、第1話ではいきなりカーチェイスから始まってまるで映画のようにダイナミックな作品になっています。見ていて気持ち良いと思いますし、善・悪の顔を持つ兵悟を観て、自分たちの行動をどうなんだろうと思う、きっかけになる作品になってくれたらうれしいですね」。
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