芸人YouTuber最大の強みは? 模倣できない「ネタ動画」で“プロとアマ”の差が明白に

芸人YouTuber最大の強みは? 模倣できない「ネタ動画」で“プロとアマ”の差が明白に

 オリエンタルラジオの中田敦彦やキングコングの梶原雄太、江頭2:50、ヒロシなど、かねてより活動の場をYouTubeへ移行し成功している芸人は多いが、昨今さらに増加傾向にある。雨上がり決死隊の宮迫博之やTKOの木下隆行のように活動自粛中にYouTubeをスタートさせる芸人のほか、コロナ禍を経てテレビで活躍中の芸人たちもこぞってYouTube参入が続いている。芸人YouTuberが大混戦となるなか、そのカテゴリ分けからこの先の生き残りが見えてくる。



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◆若手ベテラン問わず増え続ける芸人によるYouTube参入とその系統



 早くから活動の場のひとつとしてYouTubeを使っていた芸人たちは多いが、現在はその内容ごとにカテゴリ分けができる。トークやチャレンジ企画など、さまざまなオリジナル企画で勝負する「企画・教育系」では、オリエンタルラジオの中田敦彦やキングコングの梶原雄太(カジサック)、江頭2:50、よゐこ、FUJIWARA、アンジャッシュ児嶋、はなわ、サバンナ高橋、かまいたち、霜降り明星、フォーリンラブのバービーなどが登録者数も多く、人気を得ている。



 そのほかにも、「ゲーム実況系」の狩野英孝、野田クリスタル、「趣味・特技系」のヒロシ、野性爆弾のくっきー、カンニング竹山、「ラジオ特化」で独自の道を行く東野幸治、「生配信」で圧倒的な支持を得ている渡辺直美など。さらに、宮迫博之やTKOの木下のように不祥事などから活動自粛中にYouTubeをスタートさせ、復帰の足場を固める芸人たちの姿も見受けられる。



 現在では、第7世代芸人をはじめとする若手の売れっ子たちが続々と参入し注目される一方、ヒロミやとんねるずの石橋貴明などベテラン芸人のチャンネルも幅広い世代から人気を集めており、成功している。まさに群雄割拠といった状態だ。



◆芸人のYouTube参戦で“プロとアマ”の差が明白に トークスキルの高さに再評価の声



 芸人がそれぞれアイデアと個性で勝負する「企画系」は、もともとは地上波テレビが発祥の場。そこでの経験を経てノウハウを得ていることから、その企画立案から演出までを含めて芸人のホームグラウンド。“やってみた系”動画などは専業YouTuberの企画としても人気が高かったが、“本業”である芸人の動画を閲覧し、改めてそのスキルの高さに驚かされるユーザーも多い。YouTubeでも異彩を放っている江頭2:50がいい例だろう。中田敦彦のように、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)の延長線上にありつつも、地上波では放送できない教養企画(宗教など)にも鋭く切り込んでいるところにオリジナルコンテンツとしての価値を生み出している。



 よゐこの濱口優も「延々とおもしろいことができる場所はないのか? それだったらYouTubeでやったらええんちゃうの? ルール無用にしたくて。地上波だといろいろな制約や大幅なカットもあるけど、僕らの気の済むまでやらせてくれよっていう番組を作りたかった。自由さはとても感じます」(2019年12月3日/ORICON NEWSより)と自由な表現の発信の場を求め、『よゐこのオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)の放送終了を機に「よゐこチャンネル」を始めている。



◆制限される“尺”やスポンサーへの配慮…芸人たちの理想のネタはYouTubeでこそ補完される?



 そもそもテレビがやっていた企画の焼き直しや二番煎じ的なコンテンツが多く、「模倣だらけ」であるYouTube。一方で、玉石混交の動画コンテンツが埋もれるYouTubeとは、芸で身を立てるプロの芸人にとって、優位な立場にいる場所であることも確かだし、自身のスキルを再評価される場となっている。そのカギとなるのは、芸人の本分であり、模倣だらけのYouTubeで唯一真似できないプロが極めた匠の技“ネタ(コントや漫才)”動画だ。



 「ネタ系」では、サンドウィッチマンや東京03、中川家、陣内智則、ジャルジャル、バカリズム、NON STYLE、ロバートの秋山竜次など、言わずと知れた“手練れ”たちが鎮座しており、その強度は、高い再生回数を誇るサンドや東京03のチャンネルが示している。



 地上波テレビのように内容や時間の制限もないため、長尺のコントや漫才も披露できるYouTubeは、芸人のポテンシャルを最大限に発揮できる場であり、表現の場として理想的なプラットフォームと言えるだろう。



 芸人の本分である“ネタ”が強ければ、ユーザーを魅了し、ファンはついてくる。地上波テレビでもそれはひとつの重要な要素ではあるが、本人たちにはどうにもできない、さまざまな要因によって浮沈が左右されることが多い。腕一本でのし上がれる下剋上の場であり、実力本位の“勝負の場”としては、現状でYouTubeの方がより可視化しやすい。自分たちが理想とする“尺”、スポンサーへの配慮や過剰な自主規制により変更を強いられるアプローチ…。実力派の芸人たちがこぞってYouTubeに移行するのも必然であり、今後、名作として語り継がれるネタも、YouTubeを発祥の地として生まれるだろう。
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