錦戸亮、配信ライブで意識した“臨場感” 無観客逆手に演出工夫「皆さんに楽しんでもらえれば」【独占インタビュー】

錦戸亮、配信ライブで意識した“臨場感” 無観客逆手に演出工夫「皆さんに楽しんでもらえれば」【独占インタビュー】

 歌手で俳優の錦戸亮が、10月7、8日と2日間にわたり、東京・日本武道館にて無観客のオンラインライブを配信した。初日はファンクラブ限定、2日目は一般向けと、セットリストを変えての演奏で視聴者を楽しませた。武道館という、自身初めての場所での配信に挑んだ錦戸に独占インタビューを敢行し、ライブに込めた思いや舞台裏エピソード、公演を終えての感想について聞いた。



【写真】客席からもパフォーマンスを披露した錦戸亮(全9枚)



――武道館で無観客ライブを開催するに至った経緯を教えて下さい。



 本来はアリーナツアーを予定していたんですが、状況的に難しいということになり、東京公演として予定していた武道館でだけ、無観客でライブをやろうということになったんです。武道館は今まで僕が立ったことのない会場でしたし、これまでやったことのないようなライブができたらいいなと思いました。



――一般向けのライブの前に、ファンクラブ会員限定で弾き語りをやろうと思ったのは?



 2日間同じことをするのではなく、違うものを用意したほうが楽しんでもらえるかなと。そしていつも応援してくれている人たちには、みなさんがまだ見たことがないものを見せられたらいいなぁと思って、すべて弾き語りというものに挑戦してみました。



――完全にソロでの弾き語りというのは、ご自身のアイデアですか?



 最初、ピアノは入れようかという案もあったんです。でも、やっぱり、誰かにサポートしてもらうよりも完全にひとりでやろうと。ギリギリまで迷ったんですけどね。ひとりでやることに対して、ずっとビビっていたから。本当に1時間ちょっとの時間をひとりで成立させられるのか。正直なところ、完成度的にはバンドメンバーがいてくれたほうが100%高くなる。でも応援してくれている人たちには、完成度の高いもの以上に真心を届けたいと思った。それでやっと、ビビる心を克服できたんです。



――入り口で歌ったり、会場内を移動したりといった構成が、とても新鮮でした。



 ドローンを使って撮影したり、客席を歩いていってスタンドで歌ったりっていうも、お客さんがおらんからできることでした。でも弾き語りのほうは、僕、ビビってまだ観ていないんです。



――意外ですね。



 あと半年くらい経ったら、観てみようかな…。友人で2日間観てくれていた人の中に、“俺は1日目のほうが好きやった”と言ってくれた人もいて、あ…そ、そう!?って、少し恥ずかしかったです。



――セットリストについて、それぞれ、どのように考えて構成しましたか?



 誰でも観られるバンドでの演奏のほうは、できるだけキャッチーにしようと思い、見せることを重視したセットリストにしました。夏にやったファンミーティングに来られなかった人に向けて、という意図もありましたね。それでファンミーティングでやった「と・も・子・・・」という曲を入れたんです。初日に関しては、ひとりでの弾き語り、ファンクラブ限定というところで、ちょっと甘えがあったと思います。



――気を許すというか、リラックスして演奏できたという。



 そう、そんな感じです。あの弾き語りを経て2日目のバンドセッションをやったら、ギターの音がツアーのときより全然よくなっていたとスタッフに言われました。ビビリながらも弾き語りをやった意味はありましたね。



 でも、もっと練習せな、とも思いました。ひとりやったら、ルーパー(記録したギタープレイをリアルタイムでループさせて重ねていくエフェクター)を使って重ねたりもできる。ルーパーもね、僕、持っているんですよ。でも全然使ってなくて、急にこんなの持って行ったら、さらにハードルが上がってしまう!と思って、裸一貫でやることにしたんです。



――でも一度弾き語りをやってみたら、使いたくなったという。



 そう。だからもっとたくさん練習しようって思いました。



――ずらりと並んでいたギターは、すべてご自身の物ですか?



 「ヤキモチ」という曲で使っていたマーチンの小さいギター以外は、全部僕のです。



――変えるタイミングというのは?



 曲によって音を変えたいっていうのもあるけど、あとは場つなぎです(笑)。



――武道館正面玄関で歌っていたのも斬新でした。



 通常のライブでは絶対できないことをやりたかったので。本当にストリートライブみたいな感じでした。虫もリンリン鳴いていたし、武道館の前でジョギングしている人もいて。「ノマド」の最後のフレーズを歌った瞬間、目の前をジョガーがサーっと走っていって、ちょっと笑いそうになりました。



――「ムラサキ」も、ファンクラブ限定向けだからの選曲なのかなと。



 あれはもともと、(赤西)仁とのハワイ公演をやる予定だった日に、YouTubeに自分でアレンジした「ムラサキ」を歌ってアップしたことが発端なんです。実際にライブで歌ったことはないから、せっかくだから、この機会にやっておこうかなと。



――無観客でやってみての感想は。



 去年がライブハウスでのツアーでお客さんとの距離が近かったせいか、今回、まったくお客さんがいないというのは差が激しすぎました。近いのはカメラマンさんだけっていう(笑)。お客さんがおらんからこそ、至近距離で撮影してもらえたんですけどね。ライブ配信ということで、映像部分にはこだわることができたけど、やっぱり、ライブは人がおってナンボやと思いました。



 リハーサルは事前にきっちりやって、完全なる生配信にはできないまでも、ライブならではの臨場感、緊迫感というのも全部詰めて届けたかった。なので撮影中も通常のライブ同様、止めずにずーっと演奏しつつ、普段では表現する事が難しい演出も取り入れて、観てくださる皆さんに楽しんでもらえればと思い、スタッフと作りあげました。



 ただ、配信1日目に配信会社のシステムがパンクしてしまい、大幅に開始時間が遅れてしまいました。どんな理由があったにせよ、時間通りに配信ができず、多くの方にご迷惑をかけてしまったこと、本当に申し訳なく思っています。



――アクシデント以外に、やってみたからこそプラスに働いたことはありましたか?



 ライブを生配信しようとすると、どうしても、物理的に難しい部分が生じてしまうんです。例えば、ドローンを飛ばすと音が乗っかるから音と映像を別撮りにするとか。でも初日にやってみたら、同時でも意外と大丈夫そうだというのがわかり、2日目は(ドローンを)飛ばしながら演奏していました。



 挑戦してみたからこそ、わかる部分はありましたね。通常のコンサートでは不可能な、ライブ配信ならではのカメラワークや照明の演出が可能になり、クリエイティブな観点からも、皆さんに楽しんで頂けていたらうれしいです。



――カメラと言えば、2日目、「キッチン」のときだけ、カメラ目線になっていましたが。



 もっとカメラ目線してくれって言われていたんですが、あそこしかやっていなかったみたいで…。あのときは、カメラがすごく近くまで寄ってきたのでチラッと見てみたんですが、それ以外だと、どのカメラを見たらいいのかわからなかった。まぁ、他にカメラ目線で歌えるようなタイミングはなかったと思うので、あれくらいでよかったんじゃないでしょうか。



――最後に2ndアルバムの告知がありました。進行状況は?



 これからがんばろうかなと!(笑) いいものにするので楽しみにしていてください。新しい曲をたくさん作りますので、次はライブでお会いしましょう!
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