川口春奈、過去の試練を乗り越え躍進 生来の“気高さ”でSNS強者にも

川口春奈、過去の試練を乗り越え躍進 生来の“気高さ”でSNS強者にも

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で沢尻エリカの代役として起用されながらも、“適役”として称賛されている川口春奈。4月には『Going!Sports&News』(日本テレビ系)、8月には『モニタリング』(TBS系)にレギュラー加入。また『川口春奈オフィシャル はーちゃんねる』は登録者100万人超えとYouTuberとしても成功するなど、今年の彼女の躍進ぶりは凄まじい。過去に様々な試練を乗り越えてきた彼女が芸歴13年を迎え、飛躍できた理由とは。



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■初主演ドラマにバッシングも…10代の川口に降りかかった「試練」



 川口春奈は1995年、長崎県五島市生まれ。2007年、ファッション雑誌『ニコラ』でモデルとしてデビューし、2009年に三井のリハウス第13代リハウスガールを努め話題に。同年、小栗旬、水嶋ヒロ出演のフジテレビ月9ドラマ『東京DOGS』で女優デビューを果たした。



 そんな彼女が現在の地位を掴んだ過程は、決して平坦な道のりだけでは無かった。2013年の秋、川口はドラマ『夫のカノジョ』(TBS系)でゴールデン帯初主演を飾る。ところが視聴率低迷が続き、ユーザーからのバッシングも少なからず起こった。



 一部ユーザーからは、“低視聴率女優”と揶揄されることもあった。そんな中、2014年に放送された『アナザースカイ』(日本テレビ系)で、こうしたユーザーの声に「気にしない、気にしないとは言っていましたけど、めちゃめちゃ気にしていたし、みんながフォローしてくれるのが逆に悲しかった」と渦中の心境を語っている。また、そこから思考を切り替え「これからもっといろんな場面に遭遇すると思うけど、負けたくないし、弱っている姿も見せたくない」とし、女優としての試練だったと受け止めていた。



■『麒麟が来る』、『モニタリング』…代役を成功に導く“火消し人”としての活躍



 「2013年当時はちょうど、ネットニュースやSNS、YouTubeなどインターネットカルチャーが一般層にまで、爆発的な広がりを見せ始めた時代」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。「新聞やテレビに対するカウンター的な立ち位置だったこともあり、こと華やかなテレビに対する否定的な見方がもてはやされ始めた時期でした。そんな中で川口さんはネットユーザーから“生贄”のように扱われていたところがある」



 今でこそ、「視聴率がすべてではない。低視聴率でも観れば面白い作品もある」という声が聞かれるが、当時その擁護の声はまだまだ小さかった。転機となったのは2016年。ドラマ6本、映画2本に出演。その後、ヒロイン役を務めた『愛してたって、秘密はある。』(2017年/日本テレビ系)、『イノセンス 冤罪弁護士』(2019年/同系)では、視聴率尻上がり/最終回が最高視聴率を獲得する作品にも出演。彼女へのバッシングは徐々になりを潜めていった。



 そして2020年。大河ドラマ『麒麟が来る』で沢尻エリカの代役に抜擢。時代劇初出演にもかかわらず、SNSでは「乗馬シーンが素敵」「戦国時代で少女が幼くして大人にならなければならかった演技が胸に響いた」「帰蝶役は逆にもう川口春奈以外考えられない」など絶賛の声が。さらに『モニタリング』では、木下優樹菜の抜けた穴に入るようにレギュラーに仲間入り。「こちらも高評価の声が多く、結果的に不祥事を起こしたタレントの“火消し役”の役割を見事に果たされていました。比べられながら“代役”を見事に成功に導いたのは、過去のバッシングを克服できた証」(衣輪氏)



 そんな川口は大河に出演が決まった際、インスタグラムで「職業柄、日々いろんな声が聞こえてきますが、全く私には刺さりません。私にしかできないこと、私にしかないストロングポイント。大切な人の言葉に耳を傾け、自分を信じてやるのみです」とコメント。かつて視聴率を「めちゃめちゃ気にしていた」彼女が壁1つ乗り越え、批判を顧みず大役をも務める気骨を手にした意志の強さが伺えた。



 「もともと中学生時代、故郷の五島列島から10時間かけて東京へ撮影に通うなどしていた頑張り屋さん。過去にお話を伺った際には、どんな大変な時でも『なにくそ!』と燃えるタイプだと明かしており、こうした気骨は、バッシングや炎上の多いネット社会でも生き抜くことが出来るようになった彼女の“ストロングポイント”と言えるかもしれません」(同氏)



■「実家のコタツでまったり…」人気女優がリアルな“プライベート”を晒す姿にユーザーも感嘆



 また昨今、様々なタレントや芸人がYouTubeチャンネルを開設するのがトレンドになっているが、川口も例に漏れずYouTubeをスタート。『川口春奈オフィシャル はーちゃんねる』は約4ヵ月にして登録者100万人を突破する成功者となった。実家のこたつでまったり過ごす様子や、豪快に魚をさばく姿など、彼女の素の部分が垣間見られ、その飾らないスタンスが世間に評価されている。



 「川口さんはクールに見えて、実は情熱的なタイプ。情に厚く、0か100か、という性格で、ハッキリしていて嘘がつけない性格です。そんな彼女だからこそ、気持ちよく素の姿が受け入れられるのでしょうし、嘘がつけないからこそ、どんなことを言われようと自分らしくいられるのかもしれない。過去のインタビューを見ても「自分にしか出来ない色、出せない色が必ずあるはず」と話されており(『クランクイン!』/2016年)、YouTubeの成功も、その彼女の“色”がユーザーに受け入れられたのだと思います」(衣輪氏)



 ドラマの人気や出来不出来は、決して主演1人の責任ではない。ほかにも様々な理由があったはずだ。それでも主演という肩書が彼女に責任を背負わせてしまった。しかし、彼女はそれを“試練”として受け止め、自分を信じる姿勢を貫き通した。遠回りした感はあるが、過去の試練が現在の彼女の“気骨”につながり、大きな飛躍をもたらしたことは間違いない。先日、アルマーニの広告モデルに、黒木メイサ以来11年ぶりに日本人女優として起用されたことも、川口の“強さ”や“気高さ”が評価された結果なのではないだろうか。



 良くも悪くも、SNSがタレントにとって大きな影響力を持つ現代。SNSの様々なコメントを受け止めながらも、自分を信じ、自分らしさを貫くことのできる、川口春奈の“気骨”こそ、SNS時代に生きるこれからのタレントに必要なものかもしれない。それは芸能界に限らず、そんな現代を生きる我々も、身につけておくべきものと言えそうだ。



(文/西島亨)
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