古川琴音、朝ドラ『エール』主人公夫妻の娘役 15歳から花嫁まで変幻自在に存在感を発揮

古川琴音、朝ドラ『エール』主人公夫妻の娘役 15歳から花嫁まで変幻自在に存在感を発揮

 2020年前期連続テレビ小説『エール』(NHK)で主人公夫妻の一人娘・古山華を演じている女優の古川琴音(24)。同ドラマに初登場した時は“15歳の女学生”、そして今月24日放送の最終週・第117回では“運命の人”と出会った幸せな花嫁になり、限られた出演シーンの中で成長する華を演じきった。一方で、TBS系ドラマ『この恋あたためますか』ではコンビニで働く“中国人”役、姉思いの妹を演じたJTのCMの印象も強く、その変幻自在ぶりが注目を浴びている。



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――2018年に映画『春』で映画デビューして以来、映画『十二人の死にたい子どもたち』(19年)のミツエ役や、ドラマ『凪のお暇』(2019年、TBS)のモル役、映画『蒲田前奏曲 蒲田哀歌』(20年)では空襲で亡くなった幽霊・節子役などで、存在感を発揮されてきましたが、『エール』で“朝ドラ”初出演が決まった時の感想は?



【古川】いつかは“朝ドラ”に出たいと思っていました。初出演で主人公の娘という大きな役をいただけるとは思っていなかったので、初めは実感がわかなかったのですが、『エール』の放送が始まって、お母さんが華を身ごもったことをお父さんに伝えて喜ぶシーンを見て、「この2人の娘なんだ」と実感が湧いてきました。



 視聴者の皆さんが親戚のような親近感を抱いてくださる役だと思うと、正直、プレッシャーもありましたが、外出自粛期間に台本を何回も何回も繰り返し読んで過ごしていくうちに、単純に物語を楽しんでもらえたらうれしいな、と思えるようになって、現場に挑む覚悟ができていきました。



――今回の役作りで心がけたことは?



【古川】私が最初に台本を読んで感じた素直さ、純真さが、2代目の田中乃愛さん、3代目の根本真陽さんが演じる華ちゃんから伝わってきたので、そのまま大切にしようと思いました。その上で、大人になっていく過程でいろんなことに悩んで、考えて、気持ちと裏腹な行動をとることもある、華の成長を出していきたいと考えていました。



 母親役の二階堂ふみさんと私の実年齢が近いこともあって、本当の親子に見えるかどうか、というのも不安でした。しかも母親と娘の関係を通して、華の成長が見えるようにお話を作っていただいていたので、しっかり演じたいと思いました。そこで参考にしたのが、『ギルモア・ガールズ』(Netflix)というアメリカのドラマ。パワフルに自由に生きているシングルマザーの母親と、冷静で真面目な思春期の娘の人物描写は参考になりました。



――『ギルモア・ガールズ』はどこから…?



【古川】たまたまなんですけど(笑)。役のイメージがはっきり見えてこない時や自分とは違うな、と思った役を演じる時に、参考になりそうな作品をネットで検索することがあります(笑)。今回は、「母 娘 ドラマ」といったキーワードで検索しました。



 役作りの仕方はまだまだ模索中で、言葉にするのが難しいのですが、周りからどんなボールがきても、役としてリアクションできるように、根幹となるものをしっかりと持っていないといけない、ということを学ぶなかで、台本に書かれていないようなこともいろいろ調べるようになりました。



 例えば、華の場合、子どもの頃に戦争を経験しますが、古山家は裕福で、戦争で亡くなった人もいない、本当に恵まれていましたが、周りはどうだったのか、どんな景色を見ていたのか、といったことも調べました。作品の中では描かれないことも、想像を膨らませていろんな情報をかき集めてイメージをつくっていく感じです。



――そもそも女優の道に進んだきっかけは?



【古川】子どもの頃、バレエとピアノをならっていたのですが、発表会がすごく好きだったんです。中学生になって、何か違う形でステージに立ちたいな、と思って始めたのが演劇。高校でも演劇部に所属していました。ただ、この頃はステージに立てればいい、みたいな感じでお芝居になっていなかったと思います(笑)。大学でも演劇を続けていたのですが、卒業後、仕事としてお芝居を続けていくか考えていた時期に、満島ひかりさん主演の映画『海辺の生と死』(2017年)を映画館で観て、自分ではない人物をこんなに深く表現するってどういう感覚なんだろう、とこれまで以上にお芝居に興味が湧きました。満島さんとお芝居してみたいな、と思い、いまの事務所のオーディションに応募しました。



――『エール』で経験を積んで、成長した自分を感じますか?



【古川】はい。最初は、窪田正孝さんとふみさんの演技についていくのが精一杯でしたが、おふたりのあふれるパワーにいい意味で振り回されて、いままでにない感情表現やお芝居を引き出してもらえたように感じています。



 お父さんにアキラとの結婚を許してもらうシーン(第116回)が、まさにそうでした。1回分15分ワンシチュエーションの長回しだったのですが、結婚を反対しているお父さん役の窪田さんが、強気になったり、分が悪くなると言い訳したり、「何なんだこのお父さんは!」と思っていたら、急に心の底から娘の幸せを願っていることが伝わってくる、ジェットコースターのようなお芝居をされて、私もいろんな感情を出せたと思います。



 ふみさんは役への愛情の深さと責任感の強さが人一倍ある方で、普段からスタッフさんとのコミュニケーションを綿密にして、気づいたこと、思ったことをしっかり伝える。そこで時間がかかっても、結果的に本番の士気や集中力が高まってすごくいいシーンになるので、そういう経験ができたことも自分の力にしたいです。



 コミカルな演技も、はじめの頃は映像で見るとわかりづらいな、と反省することが多かったのですが、細かい表情やニュアンスの出し方、テンポ感など、この現場でたくさんのことを学ばせていただきました。初登場の頃を見返すと、ここもうちょっとできたな、今ならもっとリラックスしてできるな、と自分にダメ出しできるのは、自分でも少し殻を破ることができたからではないかと、手応えを感じています。
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