【麒麟がくる】滝藤賢一、義昭のピュアさも紙一重「お坊さんのままがよかったのかな」

【麒麟がくる】滝藤賢一、義昭のピュアさも紙一重「お坊さんのままがよかったのかな」

 NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。6日放送の第35回「義昭、まよいの中で」では、明智光秀(長谷川博己)の直訴により、将軍・足利義昭(滝藤賢一)は幕府の執務を取り仕切る摂津晴門(片岡鶴太郎)を罷免。しかし、義昭の“まよい”は晴れず、織田信長(染谷将太)との対立は深刻になっていく。第36回「訣(けつ)別」の予告では、義昭がついに「信長の命運は尽きた。信玄とともに戦う」と口にする場面も。



【写真】第36回より。御所へ参じる機会を得た明智光秀(長谷川博己)



 もともと将軍家の家督相続者以外の子として仏門に入っていたが、兄・義輝(向井理)亡き後、一時は義輝を討った三好勢に命を狙われ、信長とともに上洛するまで数年を費やし、室町幕府第15代将軍となったはいいが、3年ほどで信長討伐令を出すことになるとは。周りに翻ろうされまくっている義昭演じる滝藤は、次のように語っている。



 「義昭は室町幕府の“将軍”ですが、貧しい人たちのために生きていたお坊さん・覚慶(かくけい)から描かれているので、その思いを大切にしながら芝居してきました。義昭の最初の思いは、“戦をなくしたい”だったと思うんです。でもそこは戦国時代です。この時代を生きるには、義昭は優しすぎたのかな、きっとお坊さんのままがよかったのかなと思ってしまいます」



 覚慶の頃のような柔和な笑顔を一切見せなくなった義昭。「将軍になってからは、父から受け継いだ《麒麟が来る世の中》を目指そうとしますが、れっきとした武士だった父、そして兄・義輝とは違うので、自分ができることは何なのかとすごく悩んだと思うんです。結局、進むべき方向性が定まらず、いろいろな人たちを権力で押さえ込むようなことになってしまいました。そういった背景から、義昭は弱い人なんだとも考えられますね」。



 第35回では、「信長とわしは性が合わん。会った時からそう思ってきた」と打ち明けた義昭。それを聞いた光秀は少し意外そうなりアクションをしていたが、「積もり積もったものもあったと思いますが、決定打は、信長が延暦寺へ侵攻した場面だと思います。お坊さん、女子どもも関係なく討ち取っていった、その非情な行動に、信長に新しい世を作るのは無理だ、戦だらけの世の中になってしまうと感じたのではないでしょうか」と思いを巡らせた。



 第36回では、戦嫌いだった義昭が、剣術の指南を受ける場面も。



 「戦をなくしたいというのが義昭の最初の思いでしたが、信長を倒すことに猪突猛進になり、信長を討たないと麒麟は来ないと思っていたと思います。戦国時代ですから、大名同士仲良くして、話し合いで収めてほしいと言っても、誰も言うことを聞かない。そういう中で、義昭の考えは理想でしかなかった。初めは訴え続けていたけど、いざ幕府に入ってみたら全くダメだった。義昭はいろんな人間に挟まれていじめられつづけますし、とても苦しかったんだろうなと思います」。



 以前、信長役の染谷将太が、「僕はずっと『信長はピュアな人間として演じています』と言い続けてきたのですが、滝藤さん演じる義昭を見て、はるかに恐ろしいピュアさを感じました」とコメントしていたが、義昭のようなピュアな人間が壊れていく…。その時、光秀は何を思うのか。『麒麟がくる』



■第36回 あらすじ

 三条西実澄(石橋蓮司)の助力で、光秀(長谷川博己)は帝(坂東玉三郎)と言葉を交わす。一方、義昭(滝藤賢一)ら幕府は、信長(染谷将太)を前面に押し出し、大和の松永(吉田鋼太郎)を鎮圧しようとしていた。藤吉郎(佐々木蔵之介)は、いま本当に戦うべきは松永ではなく、朝倉と浅井であると信長の曖昧な立場を批判。大和に気を取られて美濃が手薄になったところで、義昭は朝倉たちに美濃を攻めさせるつもりだ、と声を荒げる。
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