向井理、妻役・石原さとみは「ちゃんとその人を生きている」 役者としての姿勢に感銘

向井理、妻役・石原さとみは「ちゃんとその人を生きている」 役者としての姿勢に感銘

 俳優の向井理が、テレビ東京の2021年1月4日に放送予定の新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』(後8:00~9:54)に出演。今作で自身の余命がわずかであることを知りながらも、明るく前向きに進もうとする物語の主人公・田渕ゆり子(石原さとみ)を優しく支える夫・繁行を演じた。初共演で夫婦役となった石原について向井は「ちゃんとその人を生きている」と役者としての姿勢に敬意を表した。



【写真】余命を告げられた妻役の石原さとみ



 『姉ちゃんの恋人』『ちゅらさん』『ひよっこ』で知られる岡田惠和氏のオリジナル脚本となる今作。岡田氏、石原、石橋冠監督がタッグを組み、日常会話を主軸としながら丁寧に“命の大切さ”をつむいでいく。長野・安曇野で繁行と暮らしていたゆり子が自分の余命を知ったことで、東京で暮らす元大学講師の翻訳家の父・笹井亮介(寺尾聰)のもとへと突然、帰省することから始まる物語だ。



 岡田氏の脚本は2度目の参加となる向井は何気ない会話のなかで、揺れ動く心情が丁寧に浮かび上がる岡田作品ならではの世界観を大切にしながら臨んだ。「日常会話の妙というか、良い意味でドラマっぽくない。すごくリアリティがある、そして、その人の表情がでてくるような脚本。台本通りにせりふを発するだけで、キャラクターが成り立つ。まっさらな状態でやったほうが絶対にうまくいくので、変に自分の色をつけないように努力しました」。



 「明日、自分の身にも起きるかも知れないことのなかで一生懸命に生きてる人が描かれている。その人たちの表情を引き出すような台本です。その時、登場人物が何を考えているのかを、考えることは役者として大事ですが、せりふを素直に言って、相手のせりふを聞けば、自然と感情が出てくる。岡田さんならではの書き方だなと思います」。



 穏やかな物語のなかで繁行という登場人物は「とにかく、その人のしたいことを、叶えられるなら、なんでも叶えたいという想いときれい事だけじゃなく『余命わずかな妻ともっと一緒にいる時間を作りたい』という葛藤」の複雑な心情を抱くキャラクターでもある。



 「妻の気持ちを尊重したい気持ちと、本当は自分の気持ちを尊重したい気持ちが半々、むしろ後者の方がウエイトは高かったと思うんですけど、自分の気持ちを尊重しても、それは自己満足にしかならないと思うし、悔いのないようにするには、当人の意思を尊重することが大事。本当はもっと二人で旅行に行く、とかやりたいことがいっぱいあったと思うんですけど、彼女の人生の主人公は彼女なので、彼女の意志を尊重する。



 一歩ひくというか、最初は『止む無く』という気持ちではあった。それがだんだん変わってくるんですけど、一緒にいないからこそ、感じる存在だったりする。ドラマのなかで起こるいろんな状況の変化によって気持ちがグラグラしてる人だとは思いますが、それはある種、人間らしいなと思います」と向井自身は興味深く見守っている。



■“当たり前”の尊さが感じられる作品に「ついつい忘れてしまいがち」



 そんな繁行が向き合うのが自らの余命を知らされた、妻・ゆり子。そんな彼女を演じた石原について「以前お話したことはありましたが、しっかりお芝居するのは初めてです。これまでは割と強い女性のキャラクターが多かったという印象だったので、台本を読んで今回はあまり見たことのない石原さんになるのかなと楽しみでした。やはり、すごくお芝居に対して真面目でセリフ量も多い中、何事もないように自然と演じられていて、ちゃんとその人を生きていると思いました」と感銘を受けた様子だ。



 また、義父を演じた寺尾とも公私ともに親交が。「初めてお会いしたときから、若輩者を見守ってくれるような存在だった。今回は義理ですけど、お父さんのような存在でプライベートでは接していたので、逆に役としては、恥ずかしさもあった。“親子共演”ではないですけど。最近まで一緒に時代劇を演っていましたがその時の役柄と全然違うのが不思議です。寺尾さんと一緒にお芝居できるのは光栄です」と信頼する。また、「(休憩時間には)寺尾さんずっとしゃべっているので…ぼくは聞き役ですけど、なにも覚えていません(笑)」と冗談めかしながら気心の知れた関係性を覗かせていた。



 当たり前の日常が、突然、当たり前ではなくなる。昨今の状況ともリンクするような物語のテーマには「命の尊さって普通に生きていると意識することもない、明日、なに食べようとか、そういう身近なことばかりを考えてしまう。今回、余命いくばくもない妻を支える夫役を演じましたが、実際に、そういう状況にならないと、命のありがたさは、すり抜けてしまっているのではないか。僕も日々、まわりの人に感謝をしてるつもりでも、ついつい忘れてしまいがちです。



 例えば、僕は極度の花粉症でその季節は地獄の日々なんですけど、その時にならないと、普通の状態に感謝しない。後から『なんでもっと花粉症じゃない自分に感謝しないんだ』と思うみたいな(笑)。病気とかって、なって初めて、当たり前の日常に感謝したり、足元に見落としがちな大切なことを改めて気づかせてもらえるものだなと思いました」と噛み締めた。



 放送はお正月。最後に「新春ドラマにふさわしい、家族みんなで見てもらえる作品。“余命”というワードもネガティブというわけではなく、、そういう状況だからこそポジティブなものをみつける市井の人を描いている。わかりやすい展開はないかもしれないですが、登場人物も少なく、見やすく、温かい気持ちになれる作品になっています」とアピールコメントで締めくくった。
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