『24 JAPAN』往年のファンも驚きの忠実さ オリジナルはどんな作品?

『24 JAPAN』往年のファンも驚きの忠実さ オリジナルはどんな作品?

 10月からテレビ朝日系で放送中の連続ドラマ『24 JAPAN』(毎週金曜 後11:15~深0:15※一部地域を除く)は、ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が凶悪なテロ事件と戦う姿を描いた世界的大ヒットシリーズ『24』(邦題:『24-TWENTY FOUR-』)のシーズン1をベースにリメイクした作品。オリジナル版をかなり忠実に再現していて、往年のファンも納得するような事件がリアルタイムで進行中だ。



【動画】当時のことを知るレンタル店関係者へのインタビュー



 リメイクされたことで、オリジナル版『24』も再注目されている。全米で2001年に放送開始され、日本に初上陸したのは03年。10年までにシーズン8(24話×8+単発『リデンプション』)、15年に続編の『リブ・アナザー・デイ』(12話)が製作され、驚異的な人気を誇った海外ドラマの金字塔だ。観たことがない人でも名前を聞いたことがあるのでは?



 「見始めたら続きが見たくて仕方がない」「寝不足になる人続出」と、話題になって人気が上昇。レンタル店では「いつ行っても貸出中でなかなか借りられない」状態となり、新シーズンのリリース日には客が殺到して長蛇の列ができる騒ぎに。そんな当時のことを知る大手レンタルショップチェーン・TSUTAYA(株式会社蔦屋書店)海外テレビドラマ担当の後藤信之さんに、改めて、オリジナル版『24』がどんな作品だったのか聞いた。



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■SNSのない時代に口コミだけで大ブレイク



 『24』が日本で発売される前に、メーカーから作品名も何も書いていない状態のサンプルビデオが1本届いたんです。シーズン1の1話と2話が収録されていたんですけど、業界内で「なんだこれは!」「すごく面白そう!」と口コミが広がったんです。TSUTAYAとしても『ツイン・ピークス』のような盛り上がりを期待して、おすすめ作品としてコーナーを設けてしっかり売り場展開していくことになりました。



 日本のテレビで放送されていない海外ドラマがいきなり大ヒットすることはなく、シーズン1はそれほどでもなかったんです。シーズン1は2回に分けてリリースされたんですが、前半を観たお客さんは確実にはハマって、早く続きが観たいと、言ってくる。手応えはありました。シーズン2がレンタルされて、そのタイミングでフジテレビの深夜枠で放送されたんですが、そこがキーでした。放送を見た人たちの間で、話題になって、後追いでレンタルで借りて見る人が急増したんです。



 またたく間に人気になって、レンタル店に行ってもいつも貸出中でなかなか借りられない、観始めたら止められなくて一気に見ちゃって、寝不足になる。それから、新シーズンのリリース日には店の前に行列ができるのが当たり前になっていきました。TSUTAYAでは医療スタッフを完備して、劇場でシーズン1からシーズン4まで連続72時間鑑賞する耐久イベントを開催したことがありました。お笑い芸人の岸学さん(どきどきキャンプ)が吹替版ジャック・バウアーのモノマネをしてブームの一翼を担ったり。あとは、着メロが流行りましたね。CTUの電話の着信音を着メロにしている人が、たくさんいて、あっちでもこっちでも鳴っているような状態でした。SNSがない時代に口コミだけですべての世代に広がっていったのはかなりすごいこと。海外ドラマの中でも金字塔、特異なドラマだったと思います。『24』が初めての海外ドラマという人も少なくないのではないでしょうか。



■未来を予言!? 『24』は唯一無二のキラーコンテンツ



 なぜ、『24』がそこまでブームになったかというと、考えられるのは日本のドラマにも、ほかの海外ドラマにもない要素が多いというのがあると思います。実際の時間と、ドラマ内の時間がリアルタイムに進んでいく設定、展開の速さ、いまや常套手段ではあるけれど、次が観たくなるようなクリフハンガー演出など。長期的に続いている海外テレビドラマは、『X-ファイル』をはじめ、1話完結ものが多く、24話で1つの物語を描いている『24』は、おそらく本国でもここまでヒットするとは想定していなかったと思います。日本やフランスで爆発的な人気を呼んで、それが理由かどうかわからないですが、シリーズを重ねていくことになる。そうなると、脇役だったキャラクターもフィーチャーされるようになり、そのキャラクターの人気が出たりして、また次のシーズンが製作される。ジャック・バウアーの人気は代わりませんが、トニー・アルメイダやクロエ・オブライエンなど、脇役がフィーチャーされていきました。そうすると作品の奥行き、深さが出てきて面白さが増して、新たな共感が生まれる。私はトニーが一番好きでした(笑)。



 『24』が特異な点は、時代を先取りしたテーマを扱っていたこと。シーズン1は、米国で2001年10月から放送されたんですが、9.11同時多発テロの直後ですよね。でも、ドラマの企画自体はその数年前から動いていた。しかもシーズン1は、アフリカ系アメリカ人初の大統領候補がメインキャラクターとして登場して、その後大統領になりますが、皆さんご存知のとおり、2005年1月にオバマ大統領が誕生しました。『24』のシーズン7、8に米国初の女性大統領が登場しますが、ヒラリー・クリントンさんが女性初の大統領まであと一歩のところでした。2015年の『リブ・アナザー・デイ』では無人機による爆撃が描かれるなど、時代を先取りしたストーリーも人気の一つだったのかな、と思います。ただ、これだけ人気の要因がつらつらと挙げられる作品はほかになかなかないと思います。



 『24』以前と以後という言い方をするならば、ジャンルとしては確立されていなかった海外ドラマが、『24』以降、『LOST』(04年~10年)、『プリズン・ブレイク』(2006年~09年、17年)や『HEROES』(06年~10年、15年)といった作品もブレイクして、ジャンルとして確立。その火付け役が『24』でした。それでいうと海外テレビドラマにおいて『24』は唯一無二のキラーコンテンツ、シーズン8で完結するまでブームが続き、5年ぶりに製作された『リブ・アナザー・デイ』のリリース時も開店前にお客様の行列ができた、本当に特別な作品だと思います。



(談)

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