『半沢直樹』、年間ドラマ満足度ランキング首位、ラブコメから人間ドラマまで…TBSがTOP3を独占

『半沢直樹』、年間ドラマ満足度ランキング首位、ラブコメから人間ドラマまで…TBSがTOP3を独占

 2020年に放送された作品を対象に、視聴者の満足度を調査した「オリコンドラマバリュー」の『年間満足度ランキング2020』では、『半沢直樹』が堂々の1位を獲得。さらに、2位に『MIU404』、3位に『テセウスの船』と続き、TBS系ドラマ3作がTOP3を独占した。ランキングをもとに、コロナ禍においても数々のヒット作、名作が生まれ、沈みがちな世の中を明るく盛り上げた今年のドラマシーンを振り返る。



【ランキング表】半沢、MIU、わたなぎ、恋つづ…順位は? ヒット作が目白押しのTOP10



■意地をみせたTBS、“地上波しばり”戦略でヒットを拡大



 1位は、初回から特別編の生放送を含む最終回まで、全話100Pt満点という前代未聞の快挙を成し遂げた『半沢直樹』(7月初回放送開始)が堂々のランクイン。同作は今年、まさに国民的ヒットと呼べるムーブメントを巻き起こした。



『半沢直樹』は、時代劇的な勧善懲悪の爽快感あふれるストーリーを軸に、堺雅人や香川照之ら、役者陣の“顔芸”、ぶっとんだ名セリフの数々など、物語の脚本、構成、演出における数々の仕掛けが大当たり。前作の人気もあって、もともと期待が寄せられていたものの、コロナ禍での自粛生活で高まったエンタテインメント・ニーズに見事に応えるとともに、TwitterなどSNSを大いににぎわせた一大ムーブメントとなっていった。



 その話題性の高さは、今年のドラマシーンだけでなく、社会全体を盛り上げたといっても過言ではないだろう。視聴率は全話平均で20%を超えたほか、最終回は令和初の30%の大台となる32.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。



 ヒットを生み出した背景には、TBSが地上波放送にこだわりぬいた意地も感じられた。初回から第9話まで、無料および有料の配信サービスのほか、民放公式の見逃し配信も含めて、一切ネット配信はなし。「お茶の間でテレビを楽しませたい」そんな気概すら感じさせるアプローチで、日曜夜のリアルタイム視聴へと誘導していた。



『半沢直樹』で改めて、放送を待つワクワクやドキドキ感を味わった視聴者は多いだろう。地上波ドラマのおもしろさ、ネットドラマとは異なる共同性を有するテレビドラマの価値を、広く再認識させた意義は大きいはずだ。



■コロナ禍で高まったラブコメ需要 人恋しさを埋める温かみのある作品がヒット



 コロナ禍で窮屈な毎日を過ごした視聴者にとって、2020年は温かみを感じさせるラブコメ作品に注目が集まった1年でもあった。



 コロナ禍で人に会うことができないことによる孤独感や、社会からの孤立感に苛まれた視聴者も多かったことだろう。そうした人恋しい感情を誰もが抱くなか、『私の家政夫ナギサさん』(4位、TBS系)、『恋はつづくよどこまでも』(7位/TBS系)、『いいね!光源氏くん』(9位/NHK総合)といった恋愛ドラマは、心温まるキャラクターと恋愛模様に、ほっと一息つくことができた人も多いだろう。



 多部未華子主演の『私の家政夫ナギサさん』は、20代の仕事一筋のキャリアウーマンが、気配りと温かみのある優しいおじさん家政夫に心を惹かれていくラブストーリー。年齢差と社会的立場を超え、2人の距離が縮まっていく第7話から満足度を一気に伸ばし、多くの女性視聴者から高い評価を得た。放送終了後もロスの声が続き、SNSでは続編を求める声も多く見受けられたほどだ。



 上白石萌音主演の『恋はつづくよどこまでも』は、上白石演じるポンコツ新米看護師と、佐藤健演じる超ドS医師が織りなす甘い物語。放送を重ねるごとに女性視聴者からの「キュンキュンした」と悶絶の声が多く寄せられ、満足度はうなぎ登りに。第9話では100Pt満点を記録し、恋愛ドラマの代表作のひとつと呼ぶに相応しい人気を誇った。



 千葉雄大主演の『いいね!光源氏くん』は、平安貴族・光源氏が現代にタイムスリップするというSF物語だった。伊藤沙莉演じる1人暮らしOLの部屋に転がり込み、共同生活を送る。奇想天外な出会いから、時代的な男女の価値観や恋愛意識の違いを乗り越えて、次第に恋心を芽生えさせていく2人の淡い恋が幅広い世代の女性視聴者を惹きつけた。



 現在のラブコメ話題作といえば、24日に最終回を迎えた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)にも触れておきたい。男性同士のカップルへの社会の視線を意識しながら、思いやりや切なさが詰まったピュアな恋心が描かれ、視聴者の心をわしづかみにした物語。初回放送の満足度が伸び悩み、今回の調査集計期間ではTOP10外となってしまったが、放送ごとに満足度を伸ばしていき、10月期のランキングで「5週連続の満足度首位」記録を打ち立てた人気作だ。



 ラブコメ作品は、コロナ禍のさまざまな不安に襲われる生活のなかで、人々の寂しさや虚無感を埋めてくれる、“心の薬”のような役割を担ったはずだ。社会全体が不安定だった今年、誰もが何かしらの問題に直面し、心に傷や負荷を抱えるなか、人々が日常の生活を忘れることができるドラマをはじめとしたエンタテインメントが必要不可欠なものであることが改めて示された1年だったと言えるだろう。



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●「年間満足度ランキング2020」

2020年1月6日~12月7日に放送された作品を対象。放送話の平均満足度をランキング化した。



●「ドラマ満足度ランキング」とは

「オリコン ドラマバリュー」をもとに集計。オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1~20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。
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