森久保祥太郎&鬼頭明里、“声マネ”は声優業の充実感 人々の人生に関わる代表作の喜び

森久保祥太郎&鬼頭明里、“声マネ”は声優業の充実感 人々の人生に関わる代表作の喜び

 20年ぶりの完全新作として、昨年1月~3月に第1期が放送されたテレビアニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅』。その第2期『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』が、20日よりAT-X、TOKYO MXなどで放送がスタートする。20年前と同じく主人公・オーフェン役は森久保祥太郎が担当し、新キャストとして第2期から登場するメッチェン役を鬼頭明里が務める。森久保は『NARUTO -ナルト-』奈良シカマル役、鬼頭は『鬼滅の刃』竈門禰豆子役など、同作と同じく数々の人気作に出演中の2人に今、仕事の向き合い方を聞いてみた。



【画像】新たな冒険開幕!アニメ『魔術士オーフェン』第1話の場面カット



 『魔術士オーフェン』は、シリーズ累計1400万部を突破している人気ライトノベルが原作。1994年に誕生したあと、2度のアニメ化(98年、2000年)をはじめ、CD、ゲーム、コミカライズなど、さまざまなメディアミックス展開がされてきた。今回、アニメ化されたのは4部構成からなる『はぐれ旅』で、非合法の金貸しを営む魔術士・オーフェンが、魔物の姿になってしまった天才魔術士・アザリーをつかまえて元に戻すため、仲間とともに旅をするファンタジー。



――鬼頭さんは、大作『魔術士オーフェン』に第2期から出演することになりましたが、途中からの参加ということもあって不安はありませんでしたか。



【鬼頭】 第2期からの参加となりましたので、プレッシャーがありました。別作品においても、途中参加だと「収録現場の雰囲気は、どんな感じなんだろう?」と少なからず不安があります。そして今回、森久保さんとしっかり共演することが初めてでしたので、「怖い人かな…」と実はすごく緊張していたんです(笑)。ですが、緊張している私に気づいて、気さくに話しかけていただけたので救われました。



【森久保】 えっ!? 怖い人だと思ってたの?(笑)



――森久保さんが初めてオーフェン役を務めた時の年齢(24歳)が、今の鬼頭さんと変わらない年齢(25歳 ※インタビュー時)でした。収録中は、当時の自分を見ているような感覚などはあったのでしょうか。



【森久保】 20年前、クリーオウ役の飯塚雅弓ちゃんは僕より若いのですが、キャリアは彼女の方が長く、見渡すと現場では僕が一番キャリアが下でした(笑)。必死、緊張感…主役をやるのも初めてに近かったので、気持ちに余裕がありませんでした。今回、鬼頭さんに当時の自分を重ねたというより、「遠慮なくやってもらいたい!」という気持ちだけでした。先輩として普通のことをしただけです。



【鬼頭】 …かっこいい(照れ)



■20年間コスプレ姿で応援続けるファン 名セリフをマネされる仕事の喜び――鬼頭さんが演じるメッチェンは、戦闘技術が高い女剣士という役どころです。クールで勇ましい印象を受けますが、このような役を演じるのは珍しいと思いました。



【鬼頭】 かわいい女の子を演じる機会が多かったこともあり、こんなにカッコいい女性を演じるのは初めてに近かったと思います。出演が決まった時は驚きました。剣を振って大きな声を出す、今まで演じたことがないタイプの役でしたので、「演じ切った!」という達成感もあり気持ちがよかったです。



 声優の仕事に興味を持ったのは、昔から自分の低い地声に抵抗感があって、地声から遠いい部分で「お芝居をしたい!」「できたら楽しいだろうな」という思いからでした。高い声を出して歌を歌ったり、表現することが好きでしたので、それを仕事にできる声優業に興味を持ちました。



 そして最近、低いテンション、暗い役を演じる機会が増えてきたのですが、ファンの方々から「いいね!」と言っていただけて、今は地声も好きになれました。デビュー当時は、地声が低い自分にとって「低い声で芝居をする」ことは、芝居をしている感じがしないと考えていました。今回のメッチェン役は「今だからこそ演じられた役」だと思います。大人っぽい女性を演じられるとは、思っていませんでしたので、自分にとって新しい発見でした。



――作品には数々の名セリフがあります。同時に各キャラクターが“魔術(呪文)”を唱えるシーンは、思わずマネしたくなるのが、作品の魅力のひとつだと思います。



【森久保】 名セリフを言うとキャラクターが確立・存在感が出るものなので、演者としては自然と力が入ります。今回、「我は放つ光の白刃」と言った時、オーフェンが自分に戻ってきた感覚があったので、セリフの持つ力は想像以上だと実感しました。また、名セリフをイベントで言えば、自分自身の存在をすぐに理解していただける“名刺”みたいな役割がありますので、声優としてはあるとうれしいです。



 また、未だに僕のファンクラブイベントで男性の方なのですが、20年前からオーフェンのコスプレをして応援し続けてくれる方がいます(笑)。オーフェンの放送が終わったあとでも、ずっとその姿で途切れることなく来てくれて驚いています。僕より彼の方がオーフェンに近いのではないかなと思います(笑)。本当にうれしい限りです。



【鬼頭】 森久保さんがおっしゃる通り、名セリフがあると相手に仕事を理解してもらいやすいですし、ファンの方にマネされるとうれしいです。最近だと、『鬼滅の刃』の禰豆子を演じたことで、「私の子どもが好きで、禰豆子のセリフを言っています。ちょっと、動画を見てください」とスタッフさんから言われたりします。



 作品の盛り上がりも実感できますし、特に子どもからマネをされると、ほほ笑ましく感じます。自分の声を聴いていただけないと、マネされることはないと思いますので、「あっ、ちゃんと作品を見て聴いているんだ!」と仕事においての充実感も感じます。



■転機となった人気作出演 人々の人生に関わるやりがいと責任――初めてオーフェン役を務めてから20年が経った今、キャラクターとどのように向き合ったのでしょうか。森久保さんの声優人生において大切な作品だと思います。



【森久保】 20年前は今と違って、ネットが発達していなかったので、作品の反響を知るのはSNSなどではなく雑誌やイベントでした。僕もアニメ誌の人気声優部門などで1位になったりと、とてもうれしかった記憶があります。なので、オーフェンは僕の声優人生において転機になった作品です。



 僕にとってシリーズ作品で主演を演じさせていただき始めたころの作品。この業界をよく理解していなかった僕ですが、「声優で食べて行こう」と決心した時期でしたので、緊張感だらけの日々でした。オーフェンを演じたことで声優としての第一歩を踏み出した気がしますし、作品が背中を押してくれた気がします。月日が流れた今、こうしてオーフェンを再び演じることになって改めて“出会い”のすばらしさを感じています。『オーフェン』との出会いがなければ今の僕は存在していないでしょうし、作品とともに歩んできた20年間だと思います。



――『魔術士オーフェン』のような長年愛され続ける作品に出演することは、多くの方々の人生に関わることだと思います。鬼頭さんは特に今、社会現象化した『鬼滅の刃』への出演などで注目を浴びていると思いますが、仕事に対しての向き合い方に変化はありましたか。



【鬼頭】 最近、小・中学生の子から「私も声優になりたいと思いました!」とたくさんのファンレターをいただいています。私を見て、声優の仕事に興味を持っていただけていることは、感慨深いものがあります。私も森久保さんたちのように先輩方の姿を見て、声優の仕事に惹かれたので、その立場に「少しなれたのかな?」と考えると、プレッシャーもありますが、とてもうれしいです。女剣士・メッチェン役は、私にとって新しい可能性を見た気がしますので、『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』への出演は、ひとつの転機なのかも知れません。



【森久保】 我々声優にとって作品が盛り上がることは、とてもうれしいことです。作品を通じて人の人生に関わり、何かのきっかけになることができているのなら、これ以上ない喜び。声優としてのやりがいだと感じています。
カテゴリ