水川あさみ×山田真歩が語る「友達」とは? 『ナイルパーチの女子会』インタビュー

水川あさみ×山田真歩が語る「友達」とは? 『ナイルパーチの女子会』インタビュー

 BSテレ東で30日から放送スタートとなる土曜ドラマ9『ナイルパーチの女子会』(毎週土曜 後9:00)は、SNS全盛の時代を背景に女性同士の友情を鮮烈に描いた柚木麻子氏の同名小説のドラマ化作品。主人公・志村栄利子役を演じる水川あさみと、栄利子が愛読しているSNS日記の作者・丸尾翔子役を演じる山田真歩が、「友達」について語り合った。



【写真】『ナイルパーチの女子会』第1話の場面写真



 栄利子は、美人で高学歴、実家は世田谷の一軒家。大手総合商社で、男性と肩を並べ世界で活躍し、両親から手厚い愛情を受けて育った。しかし、高校時代に唯一の親友との間にトラブルを起こした栄利子にとって、女友達は遠い存在であり、「魂の同士」レベルの高潔で美しい関係を夢見ている。ある日、栄利子は、絶妙な脱力感と独特のセンスで生活を綴る「おひょうのダメ奥さん日記」というSNS日記を見つけ、感心し心酔すらしていく。そして、「おひょう」が同じ街に住んでいることに気が付き、いつか会えるのではと期待をふくらませていたところ、「おひょう」こと翔子に偶然出会う。



 数度言葉を交わしただけで、心が通じ合う最高の感覚。栄利子は運命的な出会いに高揚する。これでやっと女友達ができる、と。しかし、二人はお互いをわかっているつもりでも、本当の姿を知らないままでもあった。数日翔子からの返信がないだけでも不安になる栄利子。やがて、彼女の行動は次第に常軌を逸し始め、歯車の狂った二人は思わぬ方向へ進んでいく。



■「友達」という言葉自体がストレスになる



【水川】私は女友達が多いと思われがちだけど、そんなに多くないんじゃないかな?



【山田】普通は何人くらい? 何年も会っていなくて、年賀状だけでつながっている人は友達? 友達ってなんなのか難しいですよね。



【水川】1度会っただけで「友達」と言う人もいるし。



【山田】最近は、SNSで「友達申請」と言って、「友達」というラベルをペタっと貼る感じがあるれど、グラデーションがありますよね。でも、この人は「友達」なんだろうか、と一人ひとりについて考えていたらすごくストレスになりそう。日によっても変わりそうだし、「友達」という言葉自体がストレスになる(笑)。



【水川】わかる~!



【山田】私は、学生時代、「友達が少ない」と自分で思ったことはないのですが、傍から見たらどうだったんだろう。一人でお昼を食べることも普通にあったし、でも「ご飯を一緒に食べる友達がいない、どうしよう」とは思ったことはなかったんですね。もちろん、みんなと食べる時もあったし。どっちでもよかった。学生時代、私は携帯電話を持っていなかったので、「メールで待ち合わせ場所送るね」なんてこともできなかったけど、あまり気にしていなかったかな。みんなと一緒にいなきゃダメだとも、一人でいたいとも思わなかった。でも、いざとなったら悩み事を相談できる人はいたかな。



【水川】相談できる人がいるのはいいよね。私は、高校の時に上京して芸能コースのある学校に通っていたんですが、同じオーディションを受けて、受かった子も落ちた子もいる、みたいな学生生活だったので、けっこうライバル心が渦巻いていた。私が撮影で学校を休んで、1週間ぶりに登校したら、周りがあいさつしてくれなかったことがあったらしいのね。



【山田】らしいって、何?



【水川】私自身は無視されていたことに気づいてなくて、後からそのことを「ごめんね」と言われて、初めて知ったというのがありました(笑)。



【山田】それくらい鈍感なのがいいよね(笑)。



【水川】たしかに! もっと敏感にいろんなことを捉えていたら、すごくしんどい高校生活を過ごしていのかもしれないです。



■自分目線の問いかけも大事なんだ、ということを教えてくれる物語



【水川】このドラマの栄利子は高校時代に唯一の親友との間に起きたトラブルを引きずっているわけですが、仕事がバリバリできるキャリアウーマンだけど、友達がいないってことで悩んでいたなか、翔子に出会う。理想の友達を求めすぎて拒絶され、なぜ?を自問し続けて狂気に取り憑かれていくサマは、わたし的にはなかなか共感しづらかったですね。



【山田】女友達がいない設定は翔子も同じなんですよね。だけど対照的。翔子は旦那さんのお給料でのほほんと生きている。そんな彼女にもそれなりに悩みがあって、SNS日記を書くことが唯一の楽しみ。栄利子が硬質なダイアモンドだとしたら、翔子は水みたいな液体といえるかも。



【水川】女性も男性も共感しやすいのは翔子。ちょっと自分を良く見せたいと思って、無意識に小さなウソをついてしまうところとか、他者への甘えとか、誰もが人間関係を築いていく中でやってしまいがちなことをする翔子を見て、心動かされる部分が多いなと、私は思いました。



【山田】私は翔子にも栄利子にも少しずつ思い当たる部分がありました。栄利子は、思いつめちゃって全然違う方向へ行ってしまうけど、良く言えば一途で情熱的。のめり込むというか、集中して視野が狭くなってしまう感じはわからなくもなくて、後半は胸が痛かったです。



【水川】栄利子はかなり純粋なんですよね。他者への愛情がすごく深いから100%全力投球する。だけど、その前に「自分がどうしたいのか?」という自分目線の問いかけも大事なんだ、ということを教えてくれる物語だと思います。



【山田】自分のことって、他人との関わりあいの中で見えてきたりもしますよね。栄利子のように行くところまで行って、痛い思いをしないとわからないこともあるのかな。失敗して、これはよくなかったな、と反省して、2度と繰り返さないようにしよう、という積み重ねが大人になっていくってことだとしたら、栄利子も高校時代のトラブルを引きずらずに、若い頃から「自分がどうしたいのか?」ということに向き合っていたらよかったのかもしれないですね。ただ失敗するたびに、他人を巻き込むことにもなるから、人間関係は難しい。



【水川】そうだね、お互い様なんだけどね。このドラマは、内容的には明るい話ではないかもしれないし、特に女性の方は他人事と笑えなくて、全身が反応してヘトヘトに疲れるかもしれません。登場人物それぞれが心の奥底にあるものを噴出させる場面があって、共感できるところもたくさんあると思うので、自分の価値観と向き合うきっかけになればうれしいです。



【山田】恋愛チックだったり、ホラーの要素も入っていたり、ハラハラドキドキ手に汗握る感じもあって、いろいろギュッと、凝縮されているドラマだと思います。住む世界が違いすぎる2人が出会ってしまって、意気投合するところもあったけれど、だんだん違いが見えてくる。2人がどう変わっていくのか、見届けてほしいです。
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