市原隼人、三谷幸喜作品初参加に「わくわくしました」 アガサ作品への出演に葛藤も

市原隼人、三谷幸喜作品初参加に「わくわくしました」 アガサ作品への出演に葛藤も

 狂言師の野村萬斎が主演する3月6日放送のフジテレビ系スペシャルドラマ『死との約束』(後9:00)で、脚本を手がける三谷幸喜氏の作品に俳優の市原隼人が初参加。アガサ・クリスティーの名作を、主演の萬斎と三谷氏で送るシリーズ第3弾となるが、市原は「率直にうれしかったです。(三谷氏と)直接お会いしたことはなかったのですが、舞台や映画やドラマで演じる上で、いつも(存在を)感じている方だったので、わくわくしました。イギリスのミステリーの女王と言われるアガサ・クリスティーの作品の世界観に入れるということもうれしかったです」と声を弾ませている。



【場面写真】我が家・坪倉も出演



 今作はアガサが1938年に発表した長編小説『死との約束』を実写化。舞台を“巡礼の道”として世界遺産にも登録されている熊野古道に、そして時代設定を昭和30年に置き換えて執筆された。萬斎は名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける)を演じ、市原は事件の根幹に関わる本堂家の次男・本堂主水(ほんどう・もんど)を演じる。幼い頃から夫人に支配され、外の世界をまったく知らずに育ってきた自分の葛藤を、旅先で声をかけられた沙羅に見透かされ、心を開き始めるという役どころとなっている。



 市原が、三谷氏の脚本や自身の役どころについてコメントを寄せた。



――台本の感想

今回の三谷さんの脚本は、普段、人に見られたくない感情や繊細な影の部分を書かれているのですが、セリフが自然と体になじみ、気がつくと作品全体のテンポに乗せられ、読んでいくうちにどんどんスピードが上がっていく脚本から、すぐにその世界観に入り込むことができ感激しております。



――今回の役柄を演じるにあたって。

「そもそも日本人がアガサ・クリスティーの作品をやるというのはどうなのかな?」と初めは思ったんですけれども、日本に武士がいたように、イギリスにも騎士がいて。おのずと主君に仕える精神、家族に対する思いは似ているところがあると思うんです。そう置き換え、その主君が母親であり、血のつながりを大切にしながらも“母親に見せていかなくてはいけない姿”というものを自分の中で使い分けることに注意しました。

また、主水は母親の支配下にいる、外の世界を知らない人間で、どこかぎこちない部分があると思いますので、常に自然体ではない影のある男という人格を魅(み)せたいと思いました。母親が囲む陣地の中から出るべきか…己との葛藤やさまざまな環境での心の逡巡(しゅんじゅん)、繊細な感情からくる動きも意識しました。



――実際に演じられての感想

主水は、本当は殻を破って新たな自分の人生を切り開きたいけれども、その勇気が持てない。今、なかなか自分を出し切れない現代の人とも似ている気がしましたし、自分の心も投影しながら演じました。



――撮影現場はいかがでしたか?

僕はもう夢の中にいるみたいに楽しくて(笑)。萬斎さんとは『陰陽師II』(2003年)で、鈴木京香さんとはデビューして間もない頃にご一緒させていただき。また、改めてこうして時を経てご一緒させていただくと、照れくさいような、はがゆいような・・・実際、すごくうれしかったです。「役者の醍醐味とは、また違う役でこうしてお会いすることなんだな」と感じさせていただきました。

そして『蒲田行進曲』(1982年)は、僕が一番好きな映画といっても過言ではない映画なので、その松坂慶子さんの息子役を演じることができたことも、すごくうれしく舞いあがる思いでした。萬斎さんが創りあげる勝呂は、これはもう萬斎さんにしかできない、唯一無二の、お芝居というか“表現”で、同じ時間を過ごさせていただき、とても勉強になりました。

実際の撮影は、緊張感のあるシーンが続いたのですが、その半面、カットがかかるとみんなで「こう演出しようか?」とか「こういう人間性や関係性にしていこうか?」など包み隠さず、壁を作らずに一緒に制作していける現場で、すごく居心地がよかったです。熊野古道でのロケもとても気持ちがよくて。我々が住む日本にまだこんなに素晴らしい所が残っているんだなと。ご覧いただく視聴者の皆様にもいろいろな日本のわびさび、古い伝統を残していく場所があるということを感じていただきたいです。



――視聴者へメッセージ

年齢や性別を選ばず、純粋に楽しめるエンターテインメントです。是非皆様にもいろいろ推理や意見を交わしながら見ていただくことで、人と人との絆が、また深まることを願っております。
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