“おじさん”がメイク初心者のアイコンに? アンジャ・児嶋メイク動画が女性にも「勉強になる」理由

“おじさん”がメイク初心者のアイコンに? アンジャ・児嶋メイク動画が女性にも「勉強になる」理由

 アンジャッシュ・児嶋一哉の「メイク動画」が好評だ。児嶋が自身のYouTubeチャンネル「児嶋だよ!」でメイクに挑戦し、その完成度の高さに、視聴者から「かわいい」「推す」と大きな反響が寄せられた。なかでも注目すべきは、若い世代の“女性”を中心に児嶋のメイクが「勉強になる」との声が多く、「男性」のメイク動画を「女性」が参考にするという現象が起こっていること。数あるメイク動画の中から、若い女性たちが“おじさん”児嶋のメイクを“教材”にする理由とは?



【写真】「可愛いかよ」のツッコミ炸裂! 完成度高すぎ、児嶋の「地雷系メイク」



■「地雷系メイク」挑戦で294万回再生の注目、「チャイボーグ風」「BTS風」のシリーズ化も



 児嶋のYouTubeチャンネル「児嶋だよ!」は、昨年7月にスタート。相方の不祥事についても触れた「あの件について話します」や、「歌ってみた」、麻雀実況などさまざまなコンテンツを生み出し、2020年に開設したYouTube新チャンネルを対象とする登録者数ランキング(BitStar調べ)では11位にランクインするなど、いきなり注目のチャンネルとなった。



 なかでも人気なのが、児嶋が「新しいことを学ぶ」というコンセプトで企画されたメイク動画だ。「地雷系メイク」に挑戦する「最強デカ目になれる地雷系メイクしたらガチ盛れたんだけど…」は294万回再生を記録(2月22日現在)。その反響を受け、「チャイボーグ」「TWICE風」「ジャスミン」「BTS風」とメイク企画がシリーズ化されている。



■女性と同じリアクションに「なんかすごく嬉しかった」 人気の理由は誠実な姿



 児嶋のメイク動画が支持される大きな理由は、完成度の高いメイクもさることながら、児嶋のリアクションにあるようだ。メイク中の児嶋は、いっさい茶化したりふざけたりすることはなく、真剣にメイクに取り組んでいる。メイクする人なら誰もが経験するように、初めて使用するクリームの量に戸惑いを見せたり、コスメのパッケージの可愛さにときめいたり、きれいになる過程でうれしそうにはしゃぐ。そんな児嶋のリアクションに多くの視聴者が、「わかる」「なんかすごく嬉しかった」「女の子や普段化粧している人たちへのリスペクトを感じられます」「児嶋の、変にプライドを持たず柔軟に周りの意見や流行りを取り入れて素直にすくすく成長していくスタイル好き」等々、共感するコメントを寄せているのだ。



 また、メイク動画の先生役は、元プロのヘアメイクにして「現日本一美しいニューハーフ」と称するvan。メイク初心者の児嶋の疑問にプロが答えていく流れは、女性にとっても勉強になるだろうし、高級ブランドのコスメではなくプチプラを使っているあたりも、“等身大”のメイクとして参考にされやすいポイントだろう。メイクの使用感一つとっても、「やっぱり肌がおじさんだ」としょげる児嶋の「脂っけがなくなってきた気がする!」という感想に強い説得力があるのも確かだ。



 しかし、多くのメイク動画がある中で、なぜ、あえて“おじさん”児嶋の動画が数百万回も再生されるのだろうか。その背景には、「男性による男性のためのメイク」に対する意識の変化、いわゆる「メイクのジェンダーレス化」が浸透していることもありそうだ。



 芸能人でいえば、りゅうちぇるやMattがメイクで美を追求する男性として以前から知られ、一般男性に目を向ければ、メンズコスメ売り場や男性美容部員(BA)も見かけるようになった。実際、この5年間でメンズコスメ市場は109%に拡大しているといわれ、徐々に男性のメイクが普及していることがわかる。今やメイクは女性だけのものではなく、男性も楽しめるジェンダーレスなものなのである。児島のメイク動画の人気も、そんな世相を象徴する一つなのかもしれない。



 実際、視聴者は“児嶋=男性”のメイクを「異質なもの」とは受け止めていない。女性たちも性別に関係なく、児嶋が自分と同じようにメイクを楽しんでいる姿に注目し、自分のメイク行為と「同等のもの」とみなしているからこそ、“普通”に参考になると感じているのだろう。その下地には、やはり男性メイクの普及からもうかがえるジェンダーレス化の浸透があるからだろう。



■メイクに自信がない層に新たな需要を築いた“おじさん”メイク動画



 一方、メイクについて「男性」「女性」の垣根が低くなるにつれ、これまでメイクや美意識からは距離があったとされる“おじさん”が、ここにきてわかりやすいメイク初心者のアイコンとなったようだ。そしてそのことが、児嶋のメイク動画が多くの美容系コンテンツの中で埋もれない理由でもある。



 多くの女性にとってメイクは日常的なものであるが、現実にやり方を教えてもらう機会はあまりない。YouTubeによって気軽に勉強できるようになったが、メイクのプロによる本格的な動画は、元々の美意識の高さや、コスメの扱いの慣れなどにギャップを感じ、真似するところまでついていけない人も多いだろう。



 こうした現状の中で、“おじさん”というメイク初心者アイコンが全面に出た児嶋のメイク動画は、そのわかりやすさや親しみやすさによって「勉強したい」と思っていた視聴者の心もつかみ、意外な需要を生んだのだろう。美容系コンテンツで思わぬ魅力を発揮した児嶋の今後の挑戦にも注目したいところだ。
カテゴリ