『戦場のメリークリスマス』EXプロデューサー・原正人さん、死去

『戦場のメリークリスマス』EXプロデューサー・原正人さん、死去

 映画『戦場のメリークリスマス』のエグゼクティブプロデューサー・原正人さんが3月17日心不全により亡くなった。89歳だった。折しも4月16日から『戦場のメリークリスマス 4K修復版』がヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開される。その劇場用パンフレット制作のため、原さんが公開当時を振り返ったコラムを寄稿していた。その一部が公開された。



【動画】『戦場のメリークリスマス 4K修復版』予告編



■劇場用パンフレットに寄稿した原正人さんのコメント(一部抜粋)



 1981年、ちょうど 50歳を迎えるときに、ヘラルドから独立して新会社ヘラルド・エー スを立ち上げたのを機にパーティーが開催され、その席で大島監督がスピーチをしてくれた。「五十代を過ぎたら、世のため人のために」──彼は1932年の早生まれ、互いに同学年の間柄である。彼の言葉に誘われるように、彼が諦めきれずにいる企画『戦場のメリークリスマス』の実現を一緒に 目指すこととなった。



 “Timing is everything in life and golf.(人生もゴルフも、タイミングが全てだ)” ──プロゴルファーのアーノルド・パーマーはそう言ったが、映画もまた然りである。さまざまな映画にこれまで関わってきたが、大島渚監督との、この『戦場のメリークリスマス』は、いくつものタイミングが幸運なかたちで実を結んだ作品として印象深い。製作から公開に至る過程の随所で絶妙なタイミングが作用した、実に稀有な作品ではないだろうか。映画そのもののみならず、関わった人々ひとりひとりにも、その後のキャリアにおける契機(タイミング)を与えた、という意味においても、である。







 『戦場のメリークリスマス』は、ジャワ島にある日本軍俘虜収容所を舞台に、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしら当時では到底考えられない、本業が俳優ではない顔ぶれをメインキャストに迎え大ヒットした、戦闘シーンが一切登場しない異色の戦争映画。2023年に大島渚監督作品が国立機関に収蔵される予定のため、今回の4K修復版の公開が、最後の全国規模でのロードショー公開となる。

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