福士蒼汰、朗読劇初挑戦で俳優の新境地「朗読劇だからこそできる表現がある」

福士蒼汰、朗読劇初挑戦で俳優の新境地「朗読劇だからこそできる表現がある」

 俳優の福士蒼汰(27)が4月中旬、都内で行われた坂元裕二 朗読劇2021『忘れえぬ、忘れえぬ』、『初恋」と「不倫」』合同取材会に出席した。自身初の朗読劇とあり、「自分にできるのかな」と不安もあったそうだが、徐々にその魅力に惹かれていったという。福士は「朗読劇だからこそできる表現がある」と俳優としての新境地を開拓した。



【別カット】クールな表情にドキッ!朗読劇初挑戦の心境を明かした福士蒼汰



 脚本家・坂元裕二氏の著書『往復書簡 初恋と不倫』に収録された作品などを、自身の演出により上演する本公演。出演者は高橋一生×酒井若菜、千葉雄大×芳根京子、林遣都×有村架純、風間俊介×松岡茉優、福士蒼汰×小芝風花、仲野太賀×土屋太鳳という豪華キャストが名を連ねている。音楽は諭吉佳作/menが担当する。



 上演されるのは、今回の公演のために書き下ろされた新作『忘れえぬ 忘れえぬ』のほか、『不帰(かえらず)の初恋、海老名 SA』『カラシニコフ不倫海峡』の3作品。登場人物も舞台も異なる3つの物語を、6組のキャストがそれぞれの世界観で表現する。



■オファー受け「僕にできるのかな」と不安も



 福士は、坂元氏が演出を手掛ける本作の出演オファーは「素直にうれしかった」とにっこり。しかし、朗読劇は初めての挑戦とあり「僕にできるのかな」と不安もあったという。それでもオファーを受けた理由について、「挑戦したいなという気持ちが強かったので、ぜひやりたいと引き受けた。楽しみにしてます。緊張もしていて、どうなるかわからないというのが率直な感想なんですけど、稽古を通して楽しみになってきた」とワクワクしている様子だった。



 これまで、ドラマや映画など数多くの話題作に出演し、2015年には『第38回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞するなど、若くして輝かしい俳優キャリアを歩んでいる。そんな福士でも、初挑戦の朗読劇は勝手が違うようで、「戸惑いはありました。朗読劇ではソファに座って一歩も動かない。普段、ト書きの部分は身体表現とか相手との距離感で演じることができるが、今回はそれがなく声、音のみでのお芝居なので『どうなるのか想像がつかないな』という不安から入りました」と苦笑いを浮かべた。



 しかし、台本をもらい読み進めていく内に朗読劇の面白さに気付いた。「僕の中では意外と好きかもしれないという感覚になりました。朗読劇だからこそできる表現があるなと思った。普通は身体表現をするのが当たり前ですけど、そうじゃない可能性がある。それで伝えられるものはたくさんあり、面白いなと思いました」と新境地を切り開いた心境を明かした。



 朗読劇の魅力について「本を読めば読むほど、没入していく感覚がある」と力説。「稽古を小芝風花さんとやらせていただいたときに、より深く、その空間に入ることができた。本を読んでる状況にも関わらず、ちゃんと主観的になれているなという自分を発見した。それが良さだなと思った。自分にとっての意外な部分、衝撃的な部分でした」と笑顔を見せた。



■初共演・小芝風花に感じた「安心感」



 朗読劇初挑戦であるとともに、ペアを組む小芝風花とは初共演となる。小芝の印象について「すごくナチュラルな方。はつらつとしていて、女の子らしくてすてきだなと思いました。朗読劇をやる中で、彼女の声質とか本を読む能力に驚いて刺激をもらいました。一緒に演じていて、気持ちよくお芝居できる」と手放しで褒めた。



 稽古を通してチームワークの良さも実感している。「彼女は本を読むのが本当に上手。すごくきれいに、いい音で言葉を発しながら隣りにいてくれるので安心感もある。もっと回数重ねてどんどん良くなっていけば」と期待した。「2人の朗読劇を“色”で例えると?」と問われ、「オレンジ」と回答。「温かみがある感じになる気がしてます。全くとげがない感じの花。優しい、ともすれば儚い」と説明する。



 また小芝とは「こちらがライトに演じた方が(観客は)面白く見られるんじゃないかなと話をした」という。「つい雰囲気を作り出そうとしてしまいますが、それは後から出てきてお客さんが感じるもの。固くならず、ふわっと自由にというところを生かしてやっていけたらいいかなと話した」とリラックスした雰囲気で挑むとした。



 本作は坂元氏が演出を務めているが、福士が作品をともにするのはこれまた初めての経験という。「最初は厳しい人かなと思っていたが、優しい人。接しやすく、相談しやすい。一緒にいやすい関係をつくってくださった」と謝意を表した。本作を読んだ感想として「描写がとても細かくて、一見意味のないような描写があったりする。でもそれが積み重なって意味になっていて。そこは読んでてハッとする。『お、ここがこうつながってるんだ』とか」と緻密な構造に驚きを隠せない様子。「坂元さんの頭の中を解明したい」と冗談を交えて、その世界観を絶賛した。



■坂元裕二氏のリクエストは“自由”



 今回の朗読劇では、3作品でキャラクターの違う男性3人を演じ分ける。その点は俳優として面白みを感じているそうで、「稽古も1日で3人やらせてもらい、全く違う人を演じることができるので、役者として楽しい」と声を弾ませた。



 3人の男性を演じるにあたり、坂元氏から特段リクエストはなかったという。「自由にやって、作品の中に入って集中してもらえればいいから。いつものお芝居をやるように演じてください、と言われました」と説明。「ソファに座って、クッションを使っても使わなくてもいい。座ってたらなんでもいいと(笑)」と、初めてのことに戸惑いもあるという。



 その中で心掛けていることは「感情を大事にすること」。「登場人物がどういうことを伝えたいのか”というのを大事にしてあげないといけない。本を読んでいると客観性が強くなって、“本を読んでいる人”になってしまう。そうではなく、その時のその人の感情をちゃんとうまく伝えなきゃダメだなと感じた」と明かす。



 また、初の朗読劇ではあるものの、これまで培った俳優の経験を生かし、挑むという。「逆に自分を貫いてやってみて、これがどう受け入れられるか。自分を信じて取り組んでみようかなと。この年になると初めてが少なくなってくる。逆に、自分を信じて挑戦してみたらどうなるのかなと、ある種実験的な部分もあります」と真剣な表情を見せた。



■本を読み覆された朗読劇のイメージ



 今回のステージは幕が開くまでは、「どんなステージになるか検討がつかない」と苦笑する。「1時間半も2人っきりで本を読む状況が想像できないです(笑)。まだ未知の領域。でもステージに立つことは好きなので、きっと楽しんでいる自分も想像している。自分がいきいきしてその場にいられることを大事にしたい」と気を引き締めた。



 また、朗読劇を見たことがない人にアピールも。「慣れない人にとっては敬遠することもあると思う。僕も実際そうだった。台本を初めて読んだとき、朗読劇は自分がそれまで抱いていたイメージよりもはるかにおもしろいと感じました」と朗読劇の魅力を語る。



 「坂元さんの脚本だからこそ、ジェットコースターのような感覚がすごくある。階段を登ってそこからバーンと落とされるような、衝撃的なせりふや描写がところどころある。そういう部分を聞いてるとどんどん引き込まれていくと思います」とにっこり。「今まで朗読劇を見たことない人は、今回の作品から入ったらドハマリしすぎちゃうくらい、言葉にパワーがある。そういうところも含めて朗読劇を楽しんでもらいたいなと思います」と笑顔で呼び掛けた。



 東京公演はよみうり大手町ホールで4月13~25日、大阪公演は松下IMPホールで4月28日~5月2日、札幌公演は道新ホールで5月7~8日。福士と小芝は4月22日の東京公演、30日、5月1、2日の大阪公演に出演する。
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