菅田将暉主演『コントが始まる』プロデューサー、“結末”は決めず「彼らの生き様をそのまま楽しんで」

菅田将暉主演『コントが始まる』プロデューサー、“結末”は決めず「彼らの生き様をそのまま楽しんで」

 俳優の菅田将暉が主演する日本テレビ系連続ドラマ『コントが始まる』(毎週土曜 後10:00)。20代後半“ギリギリ若者”である男女5人のホロ苦い群像劇や、毎話劇中のお笑いトリオ・マクベスのコントから始まり、それがストーリーの重要な伏線となる斬新な構成で話題を呼んでいる。第4話放送をあす8日に控えるなか、番組を担当する福井雄太プロデューサーは「今回、連ドラを作るにあたり、脚本の金子さんと掲げているのが、最後はこうしようと決めていないんです」と、結末は未定であることを明かした。



【写真】『コントが始まる』第4話場面カット



 今作は『俺の話は長い』(日テレ/2019)で、第38回向田邦子賞を受賞した金子茂樹氏が脚本を担当。高校の同級生である春斗(菅田)、潤平(仲野太賀)、瞬太(神木隆之介)らお笑いトリオ・マクベスと彼らがいつもネタ作りに集うファミレスのウェイトレス・里穂子(有村架純)、その妹・つむぎ(古川琴音)の5人の男女の人生が混じり合う、笑いと涙の“青春”群像劇だ。

 

 脚本について福井氏は「ある種、天才。あの人にしか書けない世界観」と称える。冒頭をコントにした構成のアイデアは金子氏によるもので「企画の創生期に、普通の群像劇を描くのではひとつの物語として足りないのではと話をしていて…。冒頭のコントはマクベスによってずっと前から作られているもの。我々が生きていても『ここにつながるなんて』ということがあったりするじゃないですか。そうい人生の面白さの表現でもある。シンプルに、あまり観たことのない構成で、ここがどうなるんだろうという楽しみ方にもなる」と説明する。



 「コントを始まりとして出来事が絡んでくるのって面白いなって。コントで始まる意外性から、それ自体も意味を持ったシーンとして絡んでいくことが面白い。僕自身の思いなのですが、“コント”っていい言葉だな、と。人生って喜劇的でもあるし、思わぬことがつながって意外な方向性につながっていく。登場人物たちが生きている姿が壮大なコントのように見える姿がとっても面白くて意味のある冒頭だな、と思います」と手応えを感じている。



 そんな巧妙な脚本ながらキャラクターはとっても人間臭くてリアル。福井氏は「台本と俳優部の無言のキャッチボール。神がかり的なキャッチボールでキャラクターが出来上がっていった」という。「誰しもが心のどこかで抱えたことのある悲しみや喜びを表現された世界観で、俳優部のみなさんが、なめらかで自然なお芝居をしてくれる。そこにいる生っぽさがある。お芝居なのに嘘のない表現がこの世界観をキメてくれている。その嘘のないお芝居は、とんでもないものを、ドラマっぽくない、観たことのないものをみせてもらった気がします」と圧倒されている。



 「僕もすごくやりたかった作品なので一生後悔したくないと思ったときに、お声がけしていただいたなかで最高のメンバーに集まっていただきました。失敗することが許されづらく、時代背景を含めてうつむきがちな世の中で生きていくことの美しさや、ひとりじゃないんだということを一生懸命伝えられるものになれば」と今作に込めたアツい想いをのぞかせた。



■俳優陣による“嘘のない芝居”は信頼関係の賜物「彼らにしかできない表現に到達している」



 福井氏のいう“最高のメンバー”が、自身も担当し大ヒットした同局ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』に主演した菅田を始め、仲野、神木による“マクベス”と、有村・古川による“中浜姉妹”。「菅田さんと仲野さんは、めちゃくちゃプロフェッショナルでいい関係。どちらもお芝居への熱量があるし、どちらも魂やプライドもあるけどお互いへのリスペクトもあるので、お互いの最大値を引き出す関係。友人だからということを超え、“一人の役者”同士として相性がいい。そこに神木隆之介という存在が加わっていい関係になるし、彼らにしかできない表現に到達しているものがそれぞれにある」と魅力を熱弁。



 別作品で恋人役を演じたこともある菅田と有村だが、今作では“芸人とファン”という全く違った関係性に。「めちゃくちゃいいですよね。これまたお互いのことをリスペクトしあっている。今回は、芸人さんとファンという異質な関係軸のなかで、せりふ以上に互いの距離や空気で相手をどう思っているか、どう感じているかをすごく出している2人ですね。お互いが感じたことをそのまま出してくれている感じがする。



 こういうふうにお芝居をしようとかこういうふうに言おうとか、そういうことで集まっている感じではない。会話をしながら自然に演っている。それは信頼関係がなければできないこと。どちらも主演としてさまざまな作品で活躍されているので、受けることも出すことも、本当にエネルギッシュにやっている。言葉が重なれば重なるほど、ずっと観ていたいものになる。すごく特別な人たちだなと思います」とそのバランスの良さに舌を巻く。



 ひとり、年下の役柄となる古川にも「非常に堂々としているし、なにより感受性が強いひと。自然とその時のみんなとの芝居をそのまま表現していて、彼女もまた嘘のない世界の住人の一人で、ナチュラル。5人目の中浜つむぎという役を彼女が演じてくれてよかったです」と太鼓判を押す。芝居に対して熱く真摯な5人による化学反応が魅力的な人物像を作り上げている。



 突然の“解散宣言”から始まったマクベスの物語。物語は中盤を迎え今後の展開も気になるところだが「今はマクベスの3人と中浜姉妹という関係値のなかで話をつむいでいますが、後半はこの関係値が、少し崩れたり混ざりあったりしながら彼らが出会った意味や一緒にいる意味という、群像劇がより一層キラキラして見えると思います」と予告する。



 「今回、連ドラを作るに当たり金子さんと掲げているのが、最後はこうしようと決めていないんです。生きていても、2、3ヶ月後の世界なんて誰もみえていない。この人たちがどういう人生を歩むのか、作りながら決めている。なので、計算的にいろんなことを見せていくとは決めていないんです。自然とこの人たちが抱えている悩みなどを語り合ってきているので、これに対してどう立ち向かうのか、立ち向かわないのかを含めて彼らの生き様を、そのまま楽しんでみてほしいです」と不器用で一生懸命で、愛すべき5人の物語がどこへ向かうのか。まだまだ続く彼らの人生という名の“コント”を見守りたい。
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