惚れる要素満載「霜降り明星」の3つの魅力

惚れる要素満載「霜降り明星」の3つの魅力

 お笑いコンビ・霜降り明星が5日、無観客オンラインコントライブ「サイコソーダ」を行った。タイトル通り“コントのみ”で構成された本ライブ。幕間の映像だけでも見応えがあったとすら思える、観客大満足の90分間で、霜降り明星自身も楽しんでいるような一面も見られた。



【写真】威圧感がすごい…粗品の審判姿



 毎日見ない日はないほどのテレビ出演に加え、劇場出番、2本の冠ラジオ、さらには脅威の毎日更新のYouTubeチャンネル、個々でのドラマ出演、せいやの舞台『てれびのおばけ』出演、粗品のレーベル設立……。2018年の『M-1』優勝から、ノンストップでファンを楽しませてくれている霜降り明星。



 貴重なオフ日には、せいやは個人のYouTubeチャンネル『せいやのイニミニチャンネル』で長時間の生配信、粗品は個人YouTubeチャンネル『粗品 Official Channel』で「ハゲタコcod」と称しゲーム生配信を実施。一体いつ休んでいるのかと、不安にすらなる。



 ジャンル問わず活躍する2人の魅力をテキストで伝えることは、もはや野暮なことにも思えるが、その縦横無尽の活躍から、特に実力を感じる3つの点を厳選し、改めて伝えたい。



(1)「にじみ出る」仲の良さ



 2人から圧倒的に感じるのは「仲の良さ」だ。わざわざ「仲良しアピール」をしているわけではないが、各媒体の要所要所でその仲良し具合がにじみ出ている。本人たちも時より、ラジオなどで「“相方”でもあるが“友達”でもある」と公言している。せいやの妹の結婚式に“友達”として招待され、参加した粗品。席はせいやの親族席だったというが、この事実から、2人の関係性は“友達”の枠すらも越えている。



 以前、粗品が声優・杉田智和と対談を行った際、『霜降りチューブ』を観ている杉田が「(霜降り明星は)仲いいなぁと思う」と感想を述べると、すかさず粗品は「仲はいいですね」と全く否定する素振りなく会話を続けた。この対談を取材していた筆者は、この何気ない一言に身震いした。否定する必要はないが、なんの躊躇(ためら)いもなく相方と「仲良いです」と言えることが、本当に素晴らしいと感じた。今回のコントライブでも、「お互いのことを本当に面白いと思っているんだろうな」と、仲の良さや信頼関係を感じる瞬間が垣間見えた。



 仲が悪くても面白いコンビももちろん数多くいるが、やっぱり仲の良いコンビは見ていて気持ちがいい。昨今、仲の良いコンビが人気の風潮があり、霜降りをはじめとする仲良しなコンビは、いい意味で「友達」のような距離感を持ったコンビが多い。最近はラジオやトークバラエティー、YouTubeなど、芸人の露出がネタ以外でも多くなった。そこで本人たちが相方を心底面白いと思い、相方で大笑いする姿が見ると、こちらも自然と笑みがこぼれる。殺伐とした空気が充満する時代、今のお笑いファンは芸人に対して「癒し」すらも求めている部分もあるだろう。



(2)「不幸話」を「お笑い」に変換する真の強さ



 多くの人は、身に起こった不幸を乗り越えられたとしても、ひとつの思い出話として人に話すのが限界だと思う(それでもすごいことだが)。しかし、霜降りは違う。それぞれの「不幸話」をひとつのエピソードトークとして、相方のツッコみの力も借りながら笑い話にしてしまう。



 例に挙げると、せいやの過去のいじめや、粗品の父の死去など。それぞれ、表には出さない相当なトラウマや悲しみがあると思うが、それを感じさせないほどの「笑い話」に変換してしまう。これは圧倒的な実力と相方に対する絶大な信頼があるからこそ、なせる技だ。まさに、「辛」に「相方」という1人の人間の「一」を足して「幸」にしている。



(3)どんなに多忙でも「ネタ」と真摯に向き合う姿



 “大売れっ子”である2人は、2019年から定期的に単独ライブを開催している。2020年11月からはさらにペースアップし、(新型コロナウイルスの影響で中止になったこともあったが)ほぼ毎月開催。トークや企画に頼らず、思う存分“ネタ”を披露し、ファンは毎月、入手困難なチケット争奪戦に奮闘している。



 以前粗品に取材をした際、筆者は『霜降り明星のひでんマシン』(2021年2月15日)を観に行ったことを伝えた。そのライブのウケが微妙だったと感じていた粗品は、いちライターである筆者に「つまんなかったですか?」「どのネタが面白かったですか?」と聞いてきた。普通であれば「ありがとうございます」程度の返事で、たわいもない雑談で終わるところだが、その時の粗品の眼差しは、どこまでも「面白い」を追求する真剣なものだった。



 せいやの最近の大きな活躍でいうと、2021年4月14日~4月18日、全7公演上演した舞台『てれびのおばけ』があった。舞台げいこは毎日のように深夜まで及んだそうで、実際に公演を観ると、2時間の中で膨大なせりふ量と細かい動きが割り振られていた。これを通常の仕事に加え、けいこしていたと考えると、せいやのキャパシティに誰もが驚愕するだろう。ラジオでも度々、笑いを交えながら大変だと苦労を述べていたが、舞台上には「芸人」ではなく、立派な「役者」としてのせいやがいた。思わずせいや演じる人物に感情移入し涙してしまうほどで、一つひとつの仕事に真摯に向き合っているのだな、と感銘を受けた。



 芸人以外の仕事も真剣にこなし、ハタから見ていても多忙であることは充分わかる彼ら。春からは『オトラクション』(TBS系)というゴールデンでの新番組がスタートするなど、さらに世間から求められている。そんな中でも自らネタを見せる場を定期的に作り、いち若手芸人として新ネタを量産し、クオリティーを求め、世に出し続けている「お笑い芸人」としての姿には、胸を打たれるものがある。



■アンチ=「やっかみ」 それすら笑いに変え、霜降り明星は前に進み続ける



 自身のラジオなどでもよくネタにしているが、霜降り明星ほどの売れっ子になると「アンチ」も出てくる。SNSが普及している昨今、芸能人とは切っても切り離せない問題だと思うが、個人的に、2人へのアンチは「やっかみ」ではないかと思う。



 「やっかみ」とは、相手の成功や優れた点を見て、たまらなく嫌な気持ちになり、何かしてやりたいような心境になること。本人たちから直接何かされたわけでもないのにアンチをしている人は、彼らの才能を、どこか羨(うらや)ましがっているのではないだろうか。



 「羨ましい」「若いのにすごい」「面白い」「人気がある」そんなすぐれた点が、結果的にアンチを産んでしまう。だから、そんなアンチは、霜降り明星にとってはまさに「ありがたいですねぇ」なのだ。いくら芸能人だから、芸人だからといっても、アンチコメントや不幸な出来事でダメージを受けることも絶対にあるだろう。そんなことも「笑い」に変え、霜降りは毎日止まることなく進化し続けている。



 筆者は、そんな2人に心底惚れ込んでいる。常に「芸人」としての努力を怠らない霜降りのコントライブが、面白くないはずがない。具体的な内容についてはここではあえて書かないが、5月12日午後7時までアーカイブ配信されているので、ぜひ見てほしい(https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/products/0505shimofuricontepsychosoda)。



(文:佐々木笑)
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