バリアフリー社会人サークル「colors」に密着”人間まるだし”ドキュメンタリー

バリアフリー社会人サークル「colors」に密着”人間まるだし”ドキュメンタリー

 障害がある人、ない人、グレーな人たちの十人十色な《生》がほとばしるバリアフリー社会人サークル「colors」の500日をきりとった”人間まるだし” スーパーカラフルドキュメンタリー映画『ラプソディ オブ colors』が、29日(土)よりポレポレ東中野(東京)ほか全国で順次公開される。



【動画】ドキュメンタリー映画『ラプソディ オブ colors』予告編



 「colors」では、毎月10本ものイベントを開催し、年間800人が来場していた。大学教授の講義や音楽フェス、いい加減な飲み会など、イベントの中身はさまざま。そこでは、発達障害、身体障害、音楽家、写真家、ただの呑んべえ、食いしん坊ほかさまざまな参加者たちのカラフルな《生》がほとばしっていた。



 このドキュメンタリーは、「感動の物語」の一言では片付かない。問答無用、人間まるだしの日々の記録。2018年から始まった「colors」の撮影は予定を遥かに超過。いろいろな人物やいろいろな出来事が次から次へと現れ、カメラを止めることができなかったのだ。難病の百人一首シンガーの野望。脳性麻痺の元デリヘル嬢が悩むエッチと介助。実録・ガイドヘルパー物語 e.t.c…。さらには、「colors」が入居する建物の突然の取り壊しが決まり、まさかの閉鎖へ。「colors」代表と参加者たちの日々は、いろいろな人たちのいろいろな世界は…何色に染まる!?



 誰もが複雑なグラデーションの中にいることに気付かされる本作。このドキュメンタリーを取り続けた佐藤隆之監督も含めて、出演者はみなグレーゾーン。十人十色なラプソディ(狂騒曲)が鳴り響く。



 「colors」代表 ・石川悧々さんは、頚椎損傷と脳の血腫による障害者であり、DET(障害平等研修)のトップファシリテーターとして活躍。強烈な個性で聖女とも魔女とも称される。もう一人の強烈なキャラクター、中村和利さんは、地域の障害福祉の立役者でNPO法人理事長。服はヨレヨレ、だらしなさ満載。そんな2人の発言や関係も見どころだ。



 佐藤監督は、民族の中の個人を瑞々しく描いた『kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~』(16年)に続き、本作が長編ドキュメンタリー2作目。「私の見ていた世界の狭さとコミュニケーション能力不足に愕然!」「障害や福祉のレクチャーではない“人間まるだし”な映画にしたかった」と振り返る。



 本作の試写を鑑賞した、俳優で一般社団法人「Get in touch」代表の東ちづるは「なんなんだ!? 好き勝手に、毒舌満載に、思いやりたっぷりに、さまざまな人たちが集うこのコミュニティは!? いろいろあるけど、そりゃ居心地いいだろうな。こんな社会がいいな。石川さんの笑い声がコロコロと響き渡るような」と、コメント。



 パラ競泳選手・ブラインドダンサーの富田宇宙は、「綺麗事はこの映画の前では無力。これまでスクリーンに切り捨てられてきた世界が、ある。歪曲されることも美化されることもなく、晒されている。フィクションの障害者感動ポルノがパステルカラーの水彩画なら、この映画は原色の油絵具を叩きつけたままのキャンバスみたいなもの。色濃い日常に、人間について考えさせられ、完全に打ちのめされた」と感嘆。



 フリーアナウンサーの笠井信輔は「障がい者、健常者、なぜこんなにもディープインパクトな人ばかりが出てくるのか。漫画のようにキャラの強い“魔女”と“ハエ男”が主人公。障がい者に寄り添う?いや、本音でぶつかりあってるのだ。『障がい者というレッテルを自分ではがしてみたら、普通の人間でした』。その意味は観ればわかる。さらけ出す強さが光る」と、激賞している。 

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